ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

          タヌキを捕まえた(済み)
ついにタヌキを捕まえた。まるまると太っている。これまで十数羽はやられていた。その度にくやしさがつのり、今度捕まえたら絶対に許してはやらないぞと心に決めていた。まぁるい目で僕を見つめ、許しを乞うている。でも、もうだまされないぞ。そう、実はいままでに何度もだまされてきた。

 僕は自然養鶏といって、約1,000羽のニワトリ達を地面の上に飼っている。 彼らは100羽づつに分けられ、普段は四面金網の鶏舎のなかで過ごしているが、ローテーションにしたがって3〜4日に一度は外に出て遊ぶ。もちろん夜は鶏舎の中だ。

 ニワトリ達がタヌキの被害にあうようになったのは昨年のちょうどいまごろからだ。深夜から明け方にかけてやってきては厳重に回してある金網を強引にこじ開けるか、土を掘って鶏舎の中にはいろうとする。
「クワー、クワー」というニワトリの突然の叫び声に、何度か飛び起きて駆けつける。しかし大概はやられた後だった。

タヌキを見つけた時もあった。追いかける僕の走力を見透かしたようにゆっくりと逃げていくその後ろ姿がにくらしい。
以来、長いことタヌキにほんろうされる日々が続いたけれど、今年の春、ようやく捕まえることができた。トラバサミに足がはさまれ動けない。

「いいか、お前の仲間達に伝えろよ。二度とあそこへは行くな、行ったら痛い目にあうぞ、と。」僕はタヌキに向かってとくと教え、頭を「コチン」とたたいて放してやった。タヌキを一匹やっつけてしまうよりも、この模様を大勢の仲間達に話してもらった方が効果が高いと思ったからだ。

でも、教え足りなかったとみえて、数日後にまたやって来た。そして再度捕まえた。同じタヌキかどうかは分からないが、今度は前回よりももっと念入りに教え諭し、ボーンと身体を蹴り飛ばして放してやった。近所の人たちはなんと間抜けなと笑ったが、僕はまだ彼らの経験を教訓に変える力を信じたいと考えていた。しかし、やっぱり被害は収まらなかった。そして今回である。

もう説教はいらない。教訓は不要だ。タヌキの頭を思い切りたたいて気絶させ遠くの山に捨ててきた。

殺さなかったのは秋のタヌキはまずくて食えないという話をきいたからだ。タヌキはやっぱり最後までタヌキだった。




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