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我が家では、夫婦がそれぞれワンコを1匹づつ抱いて寝ている。
奥方はミニチュアダックスフンドのももこと、わたしはヨークシャーテリアのななこと寝ている。
わたしが先に寝に就くときは、ももこも一緒に寝ることもあるが、朝はいつのまにか奥方の方に行っている。ななこもわたしが朝出かけた後は、奥方の方へ行って2度寝する。
ワンコはどちらも寝つきがよくて、わたしに腕枕をさせたり、肩に顎をのせたりして、フンーとため息をついてすぐ寝入ってしまう。

子供の頃、わたしは末っ子なので母親と一緒に寝ていた。
時々、父が一緒に寝ようと誘うのだが、わたしはいつも嫌がった。父の身体は煙草くさかったし、酒くさいこともあった。そして抱き寄せられる身体がゴツゴツしていて、気持ちよくなかった。
すると父は『少年ケニヤ』を読んでやるから、と誘うのだった。
父が読んでくれる「おもしろブック」の連載『少年ケニヤ』には、ウラーという土人の、妖術つかいの呪術師が登場して、少年ケニヤと対決する。
崖っぷちの細道の行く手は土砂崩れに阻まれ、土人たちとウラーが迫って来る。ウラーの髪はメデユッサのように顔の前に乱れ、その奥から真っ赤な目が睨んでいる。
小学生になってから、麻疹に伏せて昏睡しているとき、わたしはこのウラーの真っ赤な目に追われて、何度も長いうわ言をつぶやいた。逃げても逃げてもウラーが追ってくる。息を荒げて、なにか叫んで目が覚めた。
目は覚めたが、目が開かなかった。目蓋のなかの目やにが固まって、目が開かなかったのだ。わたしは目が潰れてしまったと思って、母親を呼びながら泣いた。

ワンコたちは寝ていて、わたしも顔負けの鼾をかいておどろかせたりする。
女の子のくせに無作法なと、首を起こし薄目をひらいて見ると、ワンコたちも薄目をあけて見ている。ももこはマイペースでまたすぐ寝入ってしまうが、ななこは「なに、なに、何なの」という表情でわたしを見ている。
寝つきの良いワンコたちはすぐにまた寝入って、何の夢を見ているのだろう。庭の土を掘ってでもいるつもりなのだろうか、ななこがしきりに前脚を動かしている。

2007.04.03:higetono:count(1,514):[メモ/わんこ]
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