Farm to table ファームトゥテーブル

平成2年に発足した山形ハーベストサービスは、現在7名のメンバーで構成。コシヒカリとはえぬき、もち米を作付し、刈取受託も行っています。乾燥から出荷まで、一貫した体制をとることで、生産者の顔がみえる山形米を提供しているそうです。
なし部部長をして5年になる大石さん。現在は早生のオーロラとラ・フランスを 栽培しています。天童市では、来年3月に『新ラ・フランスセンター』が完成予定。1個1個に生産者の名前を明記したシールを貼る、日本初の試みを取り入れていくそう
です。
この場所で栽培をしているのは現在2世帯のみ。高冷地野菜の部会としては4〜5名のメンバーがおり、夏秋キャベツの産地で有名な群馬県嬬恋村をはじめ、青森など、各地へ見学にも出かけたそうです。
加工グループが発足して18年。現在約30名のメンバーがいます。渡邊さんは山形県JA女性組織協議会の会長を6年、北海道・東北地区女性組織協議会会長などを務めた経歴の持ち主。組織運営で心がけているのは「後輩に問題を残さないこと」。かつては年間200日も外出していたそうで、「これからはパソコンも習ってみたい」と、とてもパワフルな方でした。
りんごを作り続けて35年の井沢さんは、品評会で最優秀賞を獲得している実力者。
現在は約●●名からなる朝日営農センターりんご組合長を務めています。りんごの普及のために、東京杉並区の小学校へりんごを届け、りんごの話を子供たちにしているそうです。
加藤さんは寒河江部会の副部会長、事務局長を務めています。出荷の際の規格は、夏ネギがSサイズ(11m/m以下)〜3L(25m/m以上)、秋冬ネギがSサイズ(12m/m以下)〜3L(28m/m以上)。「よく育った時はうれしいですね」。加藤さんのネギはほどんどが3Lサイズでした。
今年71歳とは思えない、若々しい大山さん。6月の交配が終わると、からまるつるを何日もかけて整理し、大きく育ちそうな実を見極め、余分な実を取り除く摘果の作業に入ります。7月20日以降からお盆あたりまでが、いよいよ収穫と出荷。丸々と育ったスイカは、全国で初めてソフトが開発されたコンピューターにかけられ、「うるみ」などの基準に合った商品だけが市場へ送られていくのです。
現在約30名のメンバーで構成している山形農協広域きゅうり部会代表の武田さん。減農薬、減化学肥料を実践するエコファーマーの認定も受け、抵抗性品質のものをつくるために、いろいろな工夫をしているそう。「収穫しながら食べるんですが、もぎたては特に甘みが分かりますよ」。奥様はビール漬をよく作るそうです。
生産者:川口俊雄
果樹部会会長、生産対策委員の技術長を務めている川口さん。詰め方、着色、熟度、糖度など9項目を審査する「パック詰め」と「裸詰め」の品評会で入賞の経歴もありという実力者。佐藤錦のほかに、早生の紅さやか、7月上旬に出まわる紅秀峰、やや遅れて収穫できる紅てまり(これは甘さプラスほどよい酸味があって、川口さんが好きな味だとか)などを栽培しています。
『神町いちご倶楽部』のメンバーは、森谷さんを始め、塩野さん、平山さん、鈴木さんの4名。福島や仙台などの産地も視察して栽培方法を学んだそうですが、「あっちは太平洋側、山形は日本海側。気候条件、品種、栽培方法など不安材料は山ほどありました。でもチャレンジのしがいがあるし、今も一日一日が勝負。いちご命ですよ」と、真剣に取り組んでいる姿勢が伝わってきました。
斎藤さんの趣味は野球。スポーツ少年団のコーチを務めていて、これまでにも甲子園に出場するほどの優秀な子供達を輩出してきました。仕事では同じ菊農家のメンバーと一緒に、関東方面などで試食販売会を開催するなど、菊の消費宣伝も積極的に行っています。「山形といえば菊」という知名度が高まっているのも、こうした活動のおかげなんですね。
大豆で心配されるのは遺伝子組み換えの問題ですが、日本では、商品として流通して いる物はないのでご安心を。山形での大豆の総消費は年間約9.000トンで、そのうち 県産品の利用は10%程度とごくわずか。栄養成分の損失が少ないうちに加工されるのが地物の利点ですから、積極的に取り入れたいですね。
傾斜地にあるぶどう畑では作業をするのは大変ですが、換気がよい分、温度管理をしやすいとのこと。「薬剤を利用するより、原点に帰って手間をかけることで、本当においしいものができるんですよ」と話してくれました。またつぎの世代へ農業を伝えるために、小学生や中学生を対象にしたぶどう作りの体験教室も行っているそうです。
後藤さんが栽培している枝豆は、JA寒河江西村山を通して、おもに生協や関東市場に出回っています。県内ではまだ一部のスーパーでしか扱っていませんが、今後は地元の方にも食べてもらえるよう、地域全体で作付面積を増やしていきたいとのことでした。
18歳から農業に携わり、現在は野菜中心の農業を営んでいる井澤さん。栽培しているなすは「真仙中長」という名前の小なすで、浅漬け専用の品種です。忙しい時期は、朝5時から仕事が始まるとか。取材にうかがった日、井澤家特製のなす漬けをいただきました。色艶のいい皮は張りがあって適度にやわらかく、中身はキメがつまってみっちり!漬け物も採れたてのうちに作るのが一番だそうです。
柴田さんが栽培している山形赤根は、あるテレビ番組の厳選素材としても登場するほど。ほうれん草以外にもゴーヤ、オクラ、トマト、里芋などを栽培していて、まさに農業のプロ。いろんな方が、相談しに来られるようです。
スキーのインストラクターをして30年のキャリアを持つ高橋さん。スキー場でそばを振る舞うこともあるとか。また栽培農家、そば屋、消費者による「ゆう遊三味会」を結成し、芭蕉の時代からそば切りがあったことに由来して、平成11年から 「おくのほ
そ道・尾花沢そば街道」を開始。収穫したそばのほとんどが、地元のそば屋へ卸してます。
お話をうかがう中で、積極的に新しい視点で挑戦する、失敗を恐れない姿勢が伝わってきました。トマト作りの合格点といわれる収穫高は約8トン/10a。それに対して2倍の16トンという結果を出していることでも、独自に取り組む「のびのびと根を張らせる」栽培方法が成功していることを物語っています。収穫が忙しい時期は朝4時から仕事開始。ピークが過ぎたら、近くの柳川温泉などで骨休めをしているそうです。
関西と関東ではさまざまな食文化の違いがありますが、長ネギもその一つ。関西ではお好み焼きの一種<ネギ焼き>に代表されるよう緑色の部分を食べ、関東では白い部分が多く使われます。
ここ山形も白が主流。パーンとしたツヤツヤの肌、包丁をあてた時のシャキシャキという音、強い香りはなんとも食欲をそそり、蕎麦の薬味、秋から冬にかけては鍋料理に欠かせない野菜です。
日本の栽培方法は棚づくりです。外国では、ほとんどが垣根づくりですが、湿気を嫌うぶどうの性質に合わせて生み出された独自の方法といわれているとか。 6月下旬から出荷されるハウスものは栽培の準備も早く、毎年2月下旬からスタート。 最も積雪量が多い時期にぶどう棚の雪下ろしとハウスのビニールのはりかえをしなければなりません。「これが1年で最初の大仕事ですね」。そして3月中旬には芽が出始めます。副芽と言われる余分な芽を摘み取る作業が4月まで続き、最初のジベ処理(ジベレリン処理)が行われます。「ジベレリンという植物ホルモンをぶどうの房に浸すことで、植物ホルモンの作用により1つ1つの粒の種をなくすことができるんですよ」。たしかにデラウェアは種なしぶどうとも呼ばれています。果実なのに種がない・・・。不思議に思っていた人もいたのでは?
生産者   上村啓太郎 さがえ西村山枝豆部会 
スタッフ  奥様
事業内容  枝豆の栽培 その他/米・さくらんぼ 
連絡先   JAさがえ西村山営農販売部
寒河江市中央工業団地75 0237-86-8185


・西村山地区で枝豆に取り組み始めたのは、河北町西里地区が最初です。
・枝豆の品種も様々ありますが、秘伝豆は評価が高いですね。
・さがえ西村山枝豆部会は現在355名。平成5年から秘伝豆の取り組みを始めました。
●水洗い後、塩でさやの毛を取る気持ちでもみ荒いする。
●沸騰したお湯に塩を入れゆでる。
●ゆで上がったら湯気を切り塩をまぶす。
 「水で冷やすと風味が損なわれるので、
 うちわ等であおいで冷ますと美味しいですよ」。
○発生する主な病害虫
・べと病・ネキリムシ類・カメムシ類

○病害虫に使用する農薬
・ドイツボルドーA・カルホス微粒剤F・バイスロイド乳剤

○農薬使用で心掛けていること
どのタイミングで防除をするか、適期を見極めてバシッと行うことも、熟練技の一つです。山形には越冬できない虫が多いことから、殺虫剤の量を減らせるので全国的に見ても減農薬栽培になっています。
食べてくれる人とのふれあいも勉強になります。

土は春のうちに米ぬかをまいて、土づくりをしてから耕うんします。うねを高くして、たくさん根を張らせ、たっぷり養分を吸わせるのもポイントの一つ。今年は7月の高温・干ばつと多量の降水で、タネが腐れたり、芽が出なかったりと、だいぶ苦労しました。収穫時期が遅いので、湿害に合いやすいのが難点なんです。直販でお客様の声を聞くのが心の励みになりますね。

香り高くて、ひと口噛めば広がるコク。庄内地方のだだちゃ豆に対して、
内陸地方の味覚といえばこの「秘伝豆」。
9月下旬から10月初頭に収穫する晩生ゆえに、枝豆界の大取りと言えそうです。
コクと旨味が自慢の「秘伝豆」は『ハッピー枝豆』で出ています。

茹でていると隣近所に分かるくらいです。
彼岸の頃がピークの秘伝豆。秘伝は枝豆の中でも特にボリュームがあって、香りと甘みが強く、コクがありますね。味がいいので、大豆としても評判がいいんですよ。

<出荷の流れ>
1.上村さんの畑 → JA → 関東・関西の市場&仙台・福島・県内のスーパー 
2.上村さんの畑 → 寒河江市、河北町のJAアグリ店
※秘伝豆が出回るのは9月15日頃より10月5日頃まで。生で食べてみて甘いと感じるものは、いい品です。
茹でているとお隣りさんにまで香りが届くというほど、濃厚な風味をもった秘伝豆。上村さんの所では、収穫した枝豆は枝から外して、良いさやだけを選んで、袋詰めまでしていきます。奥様の手元にあるのが、袋詰め専用に開発したオリジナルの品。ペットボトルの上下を切って筒状にしたもので、パッケージ袋の口にはめると、こぼれることなく、枝豆が袋の中に入れられます。ほんと、すべてが手作業なんですね。

by Kaori Asakura
ぶどうの産地といえば南陽市や高畠町などを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、村山エリアにもいくつかの産地があります。その一つが「青菜漬」で知られる本沢地区です。今回お話をうかがったのは、JAやまがた西部営農センター本沢果樹部会の部
会長をつとめ、約27年前からこだわりのぶどう作りにとりくむ寒河江恵市さん。80aのハウスと20aの露地栽培を行っています
長野県の野沢菜漬、九州の高菜漬など、各地に茎葉を使った特産品がありますが、山形県といえば青菜漬。
材料は高菜と同じアブラナ科の野菜で、明治40年代に種子が導入され、漬物用に山形青菜(やまがたせいさい)として栽培がスタートしました。
昔の人にとって漬物は、野菜の収穫がない冬の時期の大切な保存食。青菜には、カロチン、カルシウム、ビタミンC、鉄分などが含まれています。
スイカの大敵がカビの一種であるつる枯病です。梅雨の時期以降から収穫期直前まで発生する可能性があり、一度発病したら止めることは出来ません。
つる枯病の原因は高温多湿。尾花沢は冬の間に1m50cmも雪が積もる地域ですから、はじめは土を適度に温め、7月になれば通気をよくしておくことが必要に。大山さんはトンネルの開け閉めと、年間通して消毒、防除剤で対策を図っています。
「ただ、この辺りは夏でも半袖でいられないほど、冷たい風が吹くんですよ。そのおかげで病気の発生が少ないんです。結果的に防除剤の使用も少なくて済みますね」。最適な気候条件と技術がぴったり合うことで、見事な味が生まれるんですね。