Farm to table ファームトゥテーブル

「実の水分は15%で保存する決まりがあって、それ以下になると風味がそこなわれるんです。でもここでは15,5%で味が更にいいものだから、規格外で出荷しているんですよ。一般の方がそば粉を買った場合、酸化を防ぐために冷凍庫で保存してください」。
3月の下旬からはいよいよ収穫です。1本が100gから130g、20から23センチなら、規格基準の最高ASにランク夏場は朝どりきゅうりとして販売するスーパーに合わせて、朝4時半から8時半までに1回目の収穫を終え、午後から2回目を行います。
「最初に収穫したきゅうりは、まず家の仏壇に供えるんです」。農業に対する実直な姿勢がうかがえました。
高校の頃から、家業のさくらんぼ栽培を手伝っていた工藤さん。平成元年、桃団地の設立をきっかけに、新たな勉強が始まりました。当初は満足のいく実がならなかったり、せっかく育った実が収穫前に落ちてしまったり。何が原因か分からず模索していく中で、枝を切り落とすせん定にポイントがあったことを見つけだします。「強い枝に実を生らせると果肉もしっかりするし甘さにコクがでる。でも、所々に強く長い枝を残さないと木が弱る。枝が酔っぱらったみたいになっていたらダメなんだよ」。工藤さんが作る桃の木には、盆栽のような美学があります。平成十年十二年には、農協の桃あかつき立ち木品評会で最優秀賞を受賞しました。桃は病気の感染時期が長いため、殺菌、殺虫に十分な配慮が必要です。現在は東根果樹組合のもも部長を務め、今年からエコファーマーの取り組みも開始。「作る側にとっては何十個の桃でも、食べる人にとっての評価はその1個だからね」という言葉が印象的でした。
生産者  軽部賢一さん
スタッフ 奥様
事業内容 さくらんぼの栽培(佐藤錦・紅秀峰)
連絡先  JAさがえ西村山
軽部さくらんぼ園 寒河江市下河原110-10
         TEL 0237-84-3594

・栽培は露地と加温ハウスで行っています。
・大事な作業の一つが12月〜3月までの剪定です。できるだけ日当たりをよくします。
・寒河江の三泉地区は、さくらんぼの先進地です。
「洗うときは軸を取らずにそのままで。冷やしすぎないほうが甘さが分かりますから、常温のまま、冷水で洗うのがいいですね。荒塩をふりかけたり、濃い塩水にくぐして食べる方法もありますよ。スイカと同じで、塩を振り掛けることで、甘味を引き出す
ことができるんです」
○発生する主な病害虫
・灰星病・褐色せん孔病・ハダニ・オウトウショウジョウバエ

○病害虫に使用する農薬
・インダーフロアブル・ボルドー液・バロックフロアブル・デルスターフロアブル

○農薬使用で心掛けていること
 収穫期にビニールがけすることで、雨にぬれて果実が割れるのを防ぎ、
 灰星病の発生を予防しています。
 ミツバチ、マメコバチで受粉を行っているので、
 影響のある殺虫剤の使用を控えています。
 また、枝の強弱に会わせて下枝まで光が十分にはいるようにせん定することで、
 病害虫の発生しづらい環境を整えています。
安全栽培の基本は、強く丈夫な樹を育てることから。

心がけていることは、農薬の使用回数を減らすこと。
枝の剪定回数を2回に分けて丁寧に行うと、元気な葉っぱがでてきます。
そうすることで樹が丈夫になるから、病気に対して抵抗力がつきます。
手間暇かけた栽培管理が安全栽培の基本ですよ。

>>> さくらんぼ農家 軽部賢一さん

>>> 山形のさくらんぼ「紅秀峰」
山形生まれなら「もってのほか」という言葉を聞けば、ほとんどの人が食べる菊を思い浮かべられるけれど、なんとも不思議な呼び方です。
「天皇の御紋である菊の花を食べるとはもってのほか」とか、「もってのほかおいしい!」などが由来だそうで、正式な品種名は「延命楽(えんめいらく)」。
食用菊の中では晩生で、淡い紫色とシャキシャキした歯ざわりが特徴です。その他、山形で栽培されている食用菊は、黄菊の「寿」や「岩風」など。こちらは花びらが柔らかで、鮮やかな色が料理に華を添えてくれます。
生産者  堀弘一郎さん
スタッフ 奥様
事業内容 きゅうりの栽培
連絡先  JAやまがた西部営農センター
     山形市南石関49-1
     TEL 023-646-5522
「もぎたては、生のまま味噌をつけて食べるのがイチバン。漬物なら醤油、塩、酢、ぬかと、どんな漬け方でも合いますし、中華料理では炒め物に使ったりします。保存する時は水を良く拭いて、へたの部分を上にして立てて保存しましょう。常温で1〜2日、冷蔵庫(10度前後)で4〜5日です」。
○発生する主な病害虫
・うどんこ病・べと病・ミカンキイロアザミウマ・アブラムシ

○病害虫に使用する農薬
・ベルクート水和剤・ダコニール1000・コテツフロアブル・モスピラン水溶剤

○農薬使用で心掛けていること
 梅雨期などの高温多湿な条件が続くと病害虫が増えてきます。
 この時期、敷きわらをしたり通風に注意しますが、
 これらの管理だけでは完全に防ぐことはできません。
 きゅうりは毎日収穫されるものですから、
 農薬は収穫前日まで使える毒性の低いものを使用しています。
毎年が1年生という気持ちで安全栽培を徹底しています。

殺菌、殺虫はガイドラインに沿って早め早めに。その年の気候によって左右されるから、作り方は毎年変わってきます。今年はカラッとしていたから病害虫の発生が少ないですね。より減農薬になるし、ほっとしています。土づくりが大切だから除草剤は使いません。草むしりは、あくまで手作業。協同組合と普及センターから土壌検査も行ってもらっています。

>>> きゅうり農家 堀弘一郎さん

>>> 昔ながらの味が自慢のきゅうり「プリティ」
まだ小さくて、実の堅い黄緑色の房一つ一つに、ジベレリン溶液を浸す作業は、 腕を上げたままの作業なので首が凝ってしまいます。特に山場にある傾斜のきつい畑では、一日中足を踏ん張って作業をしなければなりません。同時に、果房の結実を良くするための摘芯や、適度な数に揃えるための摘房、5月の下旬に2回目のジベ処理、水やりなどを経た6月下旬、畑一面を紫色の房が彩り始めます。お中元などに利用されることが多いため、8月上旬までの短期間がピーク。いよいよ、よろこびの収穫です。
「理想的な食べ方は、玄米で買って家庭で精米し、すぐに食べること。スーパーや販売所に設置されている精米器を利用してください。特に新米は冷たい水で洗って炊くのがポイントですね。長く浸すとぬかのくさみを吸ってしまうので、最初の水はすぐに流しましょう」。
平吹さんは昨年の12月、もっとお米を食べてもらう機会を作ろうとおにぎり屋をオープン。
もちろん、本沢産コシヒカリ100%使用です。「家の子供はご飯を食べなかったのに、ここのおにぎりを食べてからお米を食べるようになったって、お礼に来られた方がいて。こんな嬉しいことはなかったです」。農業を始めて37年。長年の苦労が報われた思いだったと話していました。
アスパラガスの塩漬け!と先ほど採れたばかりのアスパラを湯がいたものをごちそうになりました。
アスパラガスは調理法を選ばないそうです。それは煮ようが炒めようが、栄養分が逃げないということです。新陳代謝を活発にし、体力回復、美肌に効果があるアスパラギンを含んでいます。
安心安全に作ったアスパラガスを食べて健康に生きていきたいなぁとつくづく思いました。
朝採ったアスパラガスが最高においしいそうです!
p.s 出荷する上から27cm部分もですが、実は根に近い部分も食べられるんです。しかも甘〜いです。 by takahashi
「同じ房の中でも実は上の粒の方が甘くておいしいんですよ。洗うときは食べる分だけ水で洗うようにしてください。保存は新聞紙で包んだり、一房ずつキッチンペーパーで包み、野菜用保存袋に入れて冷蔵庫へ。粒を房から外してそのまま凍らせ、シャーベットにしてもおいしいですよ」
「長い時間冷すと甘みがなくなるので、できるだけ買った日に食べてほしいです。重ねたままは痛みやすいので、食べるまで時間があく時はバットなどに一段に並べて保存するのがベスト。洗うのは食べる直前に。そのままで充分甘いですが、うちの子ども達はコンデンスミルクをつけるのが好きですねー」。
いちご姫はパッケージも工夫をしています。芸工大の学生に依頼して、フィルムも箱もオリジナルのデザインに。ギフトにもよろこばれそうですね。
生産者  小林誠一さん
事業内容 いちごの栽培
連絡先  JAさがえ西村山
     河北営農生活センター TEL 0237-72-2125
     ご自宅
     河北町大字吉田75 TEL 0237-73-2769
○発生する主な病害虫
・灰色かび病・うどんこ病・アザミウマ類

○病害虫に使用する農薬
・ボトキラー水和剤・トリフミン水和剤・モスピラン水溶剤

○農薬使用で心掛けていること
 冬期間は保湿のため密閉するので、病気が発生しやすい条件になりますが、
 微生物を利用した農薬で対応します。
 ハウスの中では交配のためミツバチがいるので影響が少ない農薬を選んでいます。
 また「おとめ心」は根が強く、生育が旺盛なので害虫もつきにくく、
 薬剤散布の回数が減らせるのではないかと期待されています。
冬から春先に栽培するから、虫の発生は少ない作物なんです。

いちご組合のメンバーで、年に2〜3回園地巡回をして栽培状況を確認しあい、病気が発生した場合はみんなで相談しています。交配はみつばちを使いますから、農薬使用には気を使っています。堆肥は有機質のもみ殻の他に、ゆっくりと浸透するロング肥料を使用しています。生産量を増やして、もっと多くの人に食べてもらえるようにしたいですね。

>>> いちご農家 小林誠一さん

>>> 味、質にかなり期待のいちご「おとめ心」
ハウス栽培の場合は、4月中旬から11月初旬までと収穫期が長く、収穫後は株を抜いて畑を平らに戻し、冬の間にもみ殻入りの堆肥作り。種まき後は、成育中病気にならないよう接ぎ木をします。「ハウスの環境は温度管理も難しい。あまり温かいと苗がモヤシにようになってしまうんです。子どもと同じ。甘やかしすぎてもダメですね(笑)」。
そして、1月中旬には着果させるためのホルモン処理がスタート。開花に合わせ、霧吹きでホルモン剤をかけていきます。「1本の株につき20数花ずつ行います」。と聞けば簡単そうですが、約300坪の広さのハウスにある花の数は何万花。光がまんべんなく当たるよう、余分な葉を取りながらと、もっとも手間がかかるのがこ
の作業です。
お話をうかがった時は、ちょうど収穫直前。畑一面に広がる青々とした葉っぱと、ふっくらと実の入ったさやを見せていただきました。おいしい豆を作る秘訣は?
「土寄せだな。生育時期の間、根元に何度か土をかけてあげると根っこがびっしりと這って丈夫になるんだ。それにこの辺は水はけがいいからね、豆作りに適しているんだよ」。
また後藤さんのところでは、最初の植え付けは畑に直接種を蒔くのではなく、ポットから移植する方法をとっています。「ハトから食べられるのを防ぐためなんだ。ハトも味が分かるんだろうな。こればっかりねらってくる(笑)」。
もも農家阿部さんは、安心安全はあたりまえのことだとおっしゃっいました。消費者が喜んで食べるものだから、安心安全はそれを作る農家さんの使命なんだなぁと感じました。
そんな阿部さんが作るもも「いけだ」は、今はまだ花が咲いている状態ですが、8月20日ころ阿部さんのところへ伺うと、ちょうどおいしい桃ができあがっているそうです。
待ち遠しいですね! by takahashi
土の上に勢いよく伸びる緑の葉を見るかぎり、長ネギは丈夫な野菜のように思いがちですが、意外にも暑さにも弱く、30度以上になると生育が止まってしまうとか。
「規格に合う大きさにするのが難しくてね。今年は冷夏だったんで、よく育ってますよ」。
本来長ネギは晩秋から冬が旬。9月頃から行われる山形の芋煮会に合わせようと、早生の栽培が始まったのですが、関東方面からの評価も高く、今では各方面の市場に出回っているそう。「ねぎ坊主がでたら、終わりだからね。掘り遅れないよう、どんどん収穫していかないと」。
キャベツといえば、ビタミンCが豊富な野菜。外側の濃い緑色の部分と、芯の周囲に多く含まれているようです。そして見逃せないのが、ビタミンU。
キャベジンともいわれるこの成分は、潰瘍の治癒に効果があるといわれるほどで、胃や十二指腸の粘膜を修復し、保護する働きをするのだそう。
辛味成分のイソチオシアネートによる抗ガン作用も注目されていて、よく噛んで食べると効果が期待できるそうですよ。
「生産者から消費者へ」、「農園から食卓へ」ということを意味しています。
このホームページ(ブログ)は、安全栽培に取り組む生産者と安全・安心な食生活を心掛ける消費者を結ぶガイドとして発信しています。山形県村山地域の情熱ファーマーの熱き思いを、現地取材をとおして熱くレポートしました。

 発信者村山広域農業振興会議