Farm to table ファームトゥテーブル


『神町いちご倶楽部』が育てた赤くてキュートなお姫様は、
デビューから5年目をむかえ、ますます注目を浴びています。
小林さんが作る、味、質とともにかなり期待の新品種いちご「おとめ心」。

適度な酸味と濃厚なうまみ。衝撃的な味で、これだという手応えを感じたいちごです。しかも実が硬くて日持ちが良いです。
・逆三角形の形がきれいなのも「乙女心」の特徴。
・ベット式の栽培はいちごが直接土につかないので、病気が発生しにくい。

<出荷の流れ>
小林さんの畑→JA→天童の市場→スーパー→観光物産館「わくわくらんど」など
※艶があって、種が浮き上がっているのが良い状態。出荷時期は3月下旬〜6月上旬までです。

>>> いちご農家 小林誠一さん

>>> 小林さんの安全栽培にかける熱き思い
『アダムとイブの伝説』、『ニュートンの法則』、『一日一個のりんごで医者いらず』など、世界のさまざまなエピソードやことわざなどに登場するりんご。
トルコでは新石器時代りんごも発掘されているそうで、人類の歩みとともにあった果物です。
コーカサス地方からヨーロッパに渡り、江戸時代に中国から日本へ伝わりました。そして明治初期から本格的な栽培が始まったといわれています。
グリーンツーリズムの活動をしている奥様。桃を食べた人たちから届く「おいしかった」のハガキが何よりの励みだそう。
東根市果樹研究連合会長
生産者   高橋十浩さん
スタッフ  奥様
事業内容  りんごの栽培 その他/さくらんぼ・西洋なし
連絡先    自宅  東根市神町中央1-13-8 0237-47-1515

・我が家でりんごの栽培を始めて60年以上になります。
・この地域は、ぎりぎりまで待って収穫できるので、味が充分にのっています。
・糖度は15%以上を目指して、酸味とのバランスがいいものを作っています。
○発生する主な病害虫
・斑点落葉病・褐斑病・ハダニ

○病害虫に使用する農薬
・ロブラール水和剤・ベンレート水和剤・オサダンフロアブル

○農薬使用で心掛けていること
指導書通りの使用量にとらわれるのではなく、自分たちの園地にあわせて少な目に使っています。収穫に影響がなければ、多少の虫がいても問題ないと思いますし、健全な樹を育てることが大切です。
樹自身が持っている力を引き出すこと。

とにかく剪定を丁寧にやります。余分な枝を落として、日当たりを良くする。堆肥をたくさん与えたり、農薬を使うよりも、自然のエネルギーをそのまま活かせるよう、自分はちょっとだけ手助けをするという感覚。樹が元気なら、減農薬も可能なんです。

「ハレシリーズ」として市場に登場している、朝日町のりんご。
今注目を浴び始めています。
果樹王国ひがしねが生んだ蜜入りの『ふじ』です。

味がいいほど見た目は凸凹なんです。
一般的においしそうなりんごというと、むらなく真っ赤に色づいて、つるんとした皮を想像しますよね。でも本当にいい味がするのは、薄い色の縦縞が入って、でこぼこしたものなんです。最近は売れ筋を狙って、色がつきやすい類似の品種も出回っているけど、うちは原種に近い。特に出来がいい時は、下から見ると実の中が透けて見えるような感じがして、あぁ、こういうりんごをたくさん作りたいって思うんですよ。

<出荷の流れ>
1.高橋さんの畑 → JA  → 東京の市場 
2.高橋さんの畑 → 直販
※11月中旬から12月いっぱいまで出回ります。軸が太くて、皮に縦の縞が入ったものを選びましょう。
写真はご自宅で試食させていただいた紅玉です。これも表面の皮が凸凹していました。紅玉というと、フジに比べてぽこぽこしたような歯触り、というイメージがあったのですが、高橋さんが作った紅玉を食べておどろきました。スキッ、シャキッとした歯触りと甘さで、まるでシードル(りんごの発泡酒)を口に含んだような感じなんです。「紅玉じゃないみたい!」と叫んでしまいました。

by Kaori Asakura
さがえ西村山つるり里芋研究会会長
生産者   仁藤信弘
スタッフ  奥様
事業内容  里芋の栽培 その他/ネギ・枝豆
連絡先     JAさがえ西村山営農販売部
寒河江市中央工業団地75  0237-86-8185

・丸い形は土寄せの仕方によるんです。7月上旬になったら、一日がかりで土をかけていきます。
・つるり里芋を作り始めて9年になります。
・つるり里芋は小さくても大きくても美味しいです
○発生する主な病害虫
・アブラムシ類・ハダニ類

○病害虫に使用する農薬
・アドマイヤー1粒剤・ニッソランV乳剤

○農薬使用で心掛けていること
アブラムシ類はウィルスを媒介してしまうので、里芋の生育をさまたげないよう、植え付けの時に殺虫剤を使います。乾燥するとハダニが出るので、水やりをまめにして対策をとっています。
環境にやさしい里芋づくりを実践しています。

堆肥は10アールの畑に2〜3トン。畑にはポリエチレンの被覆材のかわりに、トウモロコシのでんぷんを原料とした被覆材を使っています。これは微生物が分解して土にかえるすぐれもの。費用はかかりますが、環境にやさしい農業を心がけています。平成11年からは生協との付き合いが始まって、年1回は、消費者に芋掘り体験なども楽しんでもらっているんですよ。
つるっと美味しい売り出し中の「つるり里芋」です。

試験的に作っているとき、こりゃ美味いって手応えを感じました。
里芋は種いもの保管や管理が大変で、その状態によって質が左右されます。つるり里芋は無菌状態(試験管の中)で育てた苗を定植し栽培するので、病気が少くなく、生育の揃いがいい。また収穫した芋は日持ちがよく、味もおちません。2年間、試験的に作り、平成10年から本格スタートしました。早く煮えて、くずれにくく、翌日もころころしたまま。でも食べるとやわらかく、ごそごそしない。つるりは煮物に向いているから、芋煮にもぴったりなんです。

<出荷の流れ>
1.仁藤さんの畑 → JA  → 生協共立社
2.仁藤さんの畑 → 寒河江市のJAアグリ店
※9月から出回ります。里芋は1株から小芋と孫芋合わせて30個位採れます。
写真は仁藤さんの畑に立っている看板です。環境を考えた農業です。偽物がでまわるほど、「つるり」は人気の品種。ところで勘違いをしていました。里芋の大きい芋を親芋、その周りに付いているのを子芋というのかと思っていたら、「大きいのが子芋、小さいのを孫芋というんだよ」と仁藤さん。9月のうちは子芋が美味しいですが、10月に入ると孫芋の方が養分を吸って味がよくなるそうです。「親のすねかじって子が育つ・・・」どこの世界も同じなんですね(苦笑)。

by Kaori Asakura
田んぼの転作として西洋なしの栽培を始めた大石さん。「最初はバートレットと同じ方法でやってみましたが、なかなか上手くいかなかったですね。
丈夫な枝の骨組みづくりと、日当たりを良くするために行う冬と夏の剪定、花芽一つから1果だけ残す春の摘果など、勉強会を開きながら取り組んできました」。
天童が生産量日本一の座を獲得した訳はもう一つ。果実の熟度を揃えるための予冷を行う取り組みが早く、味の評価が高まった点です。「収穫後24時間以内に選果にかけて規格を決定し、すぐに2
〜5℃の冷蔵庫に入れて10日間以上冷やすんです」。
出荷時期がきたら貯蔵しておいたものを出庫し、ようやく市場へお目見えとなります。特殊な性質の果物だけに、こまかやな管理が必要なんですね。
のどかで平和な眺めとは逆に、工藤さんにとって「最も忙しいのがこの時期」だそう。
「摘花といって、果実が成りすぎるのを防ぐために、余分な蕾や花を一つ一つ摘みとっていくんですよ」。栽培している桃の木は200本以上。早朝5時には朝食を持って畑に出かけていくそうです。実が成長してきた後も形の悪いものや病気になった果実を摘果し、十分に日が当たるよう混み合った枝を間引きしていきます。
枝豆は鮮度が低下すると、食味が急速に落ちてしまう作物だとか。これを防ぐために、今年から鮮度保持効果の高い資材を使った袋に入れて出荷しています。
何でも冷蔵庫に入れた状態と同じで、呼吸しながら眠ってしまうというスグレモノ。当然コスト高になってしまいますが、「劣化した商品を持っていく訳にはいかない。
やると決めたら直ぐだ。ぐずぐずしていたら売れなくなってしまうからね」。土づくりに関しても日々新しいことへチャレンジ。有効微生物が増殖し、土壌が肥沃になるという米ぬかや鶏糞を混ぜるなどの研究をしながら、専用の肥料も開発しました。「食味向上のためには、常に勉強」。これからはハッピーシリーズのブランド化が目標だそうです。
日本で栽培されているお米の品種は、水稲、もち米、酒米などを合わせると、なんと300種以上。その中で、「ササニシキ」「はえぬき」「はなの舞」「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「あきたこまち」などが山形で作られています。同じ品種でも土地の気候や栽培方法などが変わるため、全国で生産されているコシヒカリの味はそれぞれ。
山形を代表するはえぬきは、全国食味ランキングで9年連続「特A」を獲得しています。

すっかりおなじみのデラウェアは、
その昔ヨーロッパで「畑のミルク」と呼ばれていたとか。
ブドウ糖は体内に吸収されやすく、
即エネルギーに変わるから、疲労回復や体力増強に効果的。
ビタミンB1、B2、C、血管をじょうぶにするビタミンE、
カルシウムや鉄分も豊富です
清野さんが作る、美しい畑が産む日本一美味しい「デラウエア」。

甘さを作るのはお天道様。
安心安全の作物は美しい畑から。
あまり大きな房は作らず、一枚一枚の葉っぱに太陽の光がたっぷりあたると大きな粒のぶどうができあがる。

<出荷の流れ>
清野さんの畑→JA→市場→北海道・東京・千葉・奈良・名古屋
※全国一位の生産量を誇る「デラウエア」。7月〜10月上旬まで出回ります。

>>> ぶどう農家 清野親吉さん

>>> 清野さんの安全栽培にかける熱き思い
平成14年に山形県ベストアグリ賞を受賞した平吹正春さん。山形市本沢地区の『山形ハーベストサービス』代表を務めています。本沢地区は、平成15年度の新嘗祭献穀水田に指定されるなど、昔から献上米を作っていた歴史があるところ。
古くは山形城の出城があった場所でもあるんです。食味レベルを高めるための工夫は、「でんぷん質がたまりすぎると逆に味が落ちるんで、ここ2年位は肥料を減らしています」。
米作りは、苗を植えるタイミングから、水の調整、収穫時期まで、日々天候を見て判断しますから、無事に刈り取りが終わるまでは出かけられないとか。
「今年は火星が接近したから冷夏でしたよね。毎年やり方も考えないといけないから、つくづく自然を相手にする仕事だなって感じます」。
JAさがえ西村山女性部河北支部の役員を務める柴田さん。
さくらんぼ、きゅうり、白菜、大根などの野菜と、白大豆(タチユタカ)、青大豆(秘伝)を栽培しています。
さくらんぼの出荷とほぼ同じ時期、大豆の種まきも始まるため、5月から6月は大忙し。「大豆は空気が好きなんです。土が締まると根がはらないから、うね間をよく耕して、土寄せをしてやります」。土には米ぬかや鶏糞を混ぜているそうで、「有機肥料にすることで土が丈夫になっていきますから、結果的に作物も抵抗力がつきます。でも堆肥はやりすぎてもダメですね」。
10月から11月、葉が黄色になって枯れてきた頃、さやを振ってカラカラと音がするようになったら収穫です。
「秘伝は粒が大きいので、おせち料理の数の子豆にすると見栄えも豪華です。ぬたにして餅とからめたり、ナスの和え物にしり。醤油で味付けした煮豆もいいですし、油で揚げて砂糖とからめると、ちょっとしたおやつにもなります
ぶどう農家清野さんは、農薬を使わないそうです。それには、農薬を使わずに済むような畑の環境作りにありました。それは、霧がでにくい場所であるとか、畑をいつも美しく保っておくように手入れをするだとか…。
その原動力として、孫に自分の仕事や生き様を見せつけることで、孫がおじいちゃんみたいになりたいと、農業やりたいと言ってくるような将来の楽しみがあるから、今の仕事をがんばっていけるとお話ししてくれました。
自分もそういう仕事していきたいと感じました。 by takahashi
菠薐は中国語でペルシア(イラン)のこと。原産地を表しています。ほうれん草は大きく分けて、中国から日本へ渡った東洋種と、ヨーロッパで栽培されてきた西洋種があり、今は両方を合わせた中間種が増えています。
東洋種は葉が薄めで切れ込みがあり、濃い赤色をした根が特徴。味が穏やかなのでおひたしに向き、「唐菜」「赤根菜」の名で各地に広がりました。丸い葉をした西洋種はアクがあるので、バターソテーなど加熱する料理が合うようです。
生産者   遠藤明夫さん
スタッフ  奥様 
事業内容  青なんばんの栽培 その他/きゅうり・食用菊
連絡先   山形市落合町461  023-641-8219

・自家製のぬか堆肥は3回発酵させるので、さらさらの完熟です。
・なんばんの葉もおいしですよ。
○発生する主な病害虫
・アブラムシ

○病害虫に使用する農薬
・ベストガード粒剤

○農薬使用で心掛けていること
連作障害がでるので、1、2年おいて土を休ませながら栽培しています。アブラムシが付くと真っ黒になってしまい、出荷できなくなるため、少々の防除剤などは使用しますが、減農薬を心がけています。
今年から、土づくりに有機肥料を使い始めました。

露地は60坪、ハウスは150坪ありますが、連作障害が出るため、1年、2年おきながらの栽培です。有機肥料を入れた、自家製の完熟堆肥を使ってみるなど、土づくりではいろいろと試みています。虫は暑いと付きにくいので、猛暑だった今年は、特に減農薬になりました。
これぞ激カラ!山形の『青辛なんばん』です。

消費者のニーズに合わせて、辛いタイプを作っています。
とうがらしの辛さは皮と種ではなく、中のわたの部分。関東からの「もっと辛いものを」という要望に応えて、10年前から辛い品種を作り始めました。葉は醤油で煮たり油炒めにするなどして食べられますから、県内に出しています。この辺りで栽培している農家は少ないので、定期的に出荷できるようにしたいです。

<出荷の流れ>
遠藤さんの畑→ JA → 県内のスーパー&県内・関東方面の市場
※6月上旬から収穫が始まり、出回るのは10月中旬まで。まっすぐで形がよく、細く長いのが特徴です。