Farm to table ファームトゥテーブル

高校の頃から、家業のさくらんぼ栽培を手伝っていた工藤さん。平成元年、桃団地の設立をきっかけに、新たな勉強が始まりました。当初は満足のいく実がならなかったり、せっかく育った実が収穫前に落ちてしまったり。何が原因か分からず模索していく中で、枝を切り落とすせん定にポイントがあったことを見つけだします。「強い枝に実を生らせると果肉もしっかりするし甘さにコクがでる。でも、所々に強く長い枝を残さないと木が弱る。枝が酔っぱらったみたいになっていたらダメなんだよ」。工藤さんが作る桃の木には、盆栽のような美学があります。平成十年十二年には、農協の桃あかつき立ち木品評会で最優秀賞を受賞しました。桃は病気の感染時期が長いため、殺菌、殺虫に十分な配慮が必要です。現在は東根果樹組合のもも部長を務め、今年からエコファーマーの取り組みも開始。「作る側にとっては何十個の桃でも、食べる人にとっての評価はその1個だからね」という言葉が印象的でした。