Farm to table ファームトゥテーブル

・安全栽培にかける熱き思い
どんな枝振りにするか、経験と感覚で決まります。

剪定による枝の残し方には「主幹形」と「開心形」があって、うちは「開心形」です。いい樹になるまで5〜7年かかるのですが、果実の肥大がいいんですよ。また6年前から、部会全員で土づくりに取り組み、カニ殻とカキ殻を入れた土壌改良材を使って、食味が良い果実を生産する工夫をしています。
樹自身が持っている力を引き出すこと。

とにかく剪定を丁寧にやります。余分な枝を落として、日当たりを良くする。堆肥をたくさん与えたり、農薬を使うよりも、自然のエネルギーをそのまま活かせるよう、自分はちょっとだけ手助けをするという感覚。樹が元気なら、減農薬も可能なんです。
手をかけた結果が出やすいから、ネギづくりはおもしろいですね。

元肥としてゆっくりと効くロング肥料に、もみ殻の有機質を追肥して栽培しています。今年は5割を有機質にして、成育の状態を試験中です。天童は農薬の安全な使用に対する取り組みが早く、自分たちで勉強し、徹底しやすいリスト表を作成しました。ネギは育てている間の草刈りがとにかく必須。除草剤は1〜2回しか使いませんから、日々草との戦いです。
昔から贅沢な野菜と言われているんですよ。

セルリーはどこでも育つ丈夫な野菜のように思われがちですが、実はまったく逆。根が弱いこともあって、栄養のある土と清水を好むので、いわゆるグルメな性質なんです。ですから堆肥は有機質のもみがらを10アールに対して10トンから15トンも入れ、水は馬見ヶ崎川からの伏流水を使っています。とはいえ愛情をかけすぎてもよくないし、すぐにはいい結果がでない。セルリーは栽培するのが難しいだけに、おもしろいんだよね。
食べてくれる人とのふれあいも勉強になります。

土は春のうちに米ぬかをまいて、土づくりをしてから耕うんします。うねを高くして、たくさん根を張らせ、たっぷり養分を吸わせるのもポイントの一つ。今年は7月の高温・干ばつと多量の降水で、タネが腐れたり、芽が出なかったりと、だいぶ苦労しました。収穫時期が遅いので、湿害に合いやすいのが難点なんです。直販でお客様の声を聞くのが心の励みになりますね。
大切なのは、何といっても温度と水

メロンは十分な水分が必要なので、井戸水と併用して与えていますが、ハウス内は水をやることで湿度が高くなり、そうすると病害虫が発生しやすくなってしまう。もともと病気に弱いから、管理が非常に難しいですね。基本は土づくりと丈夫な苗をそだてること。この周辺は畜産農家も多く、親戚も牛を飼っているので、自家製の堆肥づくりから始めています。
環境にやさしい里芋づくりを実践しています。

堆肥は10アールの畑に2〜3トン。畑にはポリエチレンの被覆材のかわりに、トウモロコシのでんぷんを原料とした被覆材を使っています。これは微生物が分解して土にかえるすぐれもの。費用はかかりますが、環境にやさしい農業を心がけています。平成11年からは生協との付き合いが始まって、年1回は、消費者に芋掘り体験なども楽しんでもらっているんですよ。
素手では、指紋がなくなります。

一番大変なのは収穫です。オクラは表面が細かい毛に覆われているので、直接手で触れていると皮膚がかぶれてしまったり、長時間の作業になると、こすれて指紋がなくなってしまうこともあります。必ず軍手をしますが、朝晩2回の使用でダメになってしまうこともありますよ。健康食材として注目されていますが、産地が増えないのは、こうした苦労があるからもしれませんねぇ。
ハウス栽培はエコファーマーの認定を受けています。

水をやりすぎると根腐れするし、少ないと生育が悪くなるので、土壌水分の管理が難しいんです。水やりのタイミングと量は、ようやくコツが分かってきた感じ。女性は情報交換が活発でオープンだから、みんなで励ましあって栽培に取り組んでいます。有機質の堆肥を使うようになって7〜8年になるので、地力もついてきました。
今年から、土づくりに有機肥料を使い始めました。

露地は60坪、ハウスは150坪ありますが、連作障害が出るため、1年、2年おきながらの栽培です。有機肥料を入れた、自家製の完熟堆肥を使ってみるなど、土づくりではいろいろと試みています。虫は暑いと付きにくいので、猛暑だった今年は、特に減農薬になりました。
おばあちゃんたちから教わった、伝統的な作り方です。

もともと自家用に作っていた漬物を、30年ほど前から商品化するようになりました。うちのは1株4kgになるのもあるんで、桶漬けにして販売してます。これだとべっこう色になってもおいしいんです。添加物は入れずに塩の力でまろみを出し、自家製の調味料で漬け込みます。茎の肉が厚くやわらかいので、シャキシャキ、バリバリ、 歯触りがいいですよ。
安全栽培の基本は、強く丈夫な樹を育てることから。

心がけていることは、農薬の使用回数を減らすこと。
枝の剪定回数を2回に分けて丁寧に行うと、元気な葉っぱがでてきます。
そうすることで樹が丈夫になるから、病気に対して抵抗力がつきます。
手間暇かけた栽培管理が安全栽培の基本ですよ。

>>> さくらんぼ農家 軽部賢一さん

>>> 山形のさくらんぼ「紅秀峰」
畑が語る「安心・安全」。

うちでは農薬は使わないんです。必要ないからです。ちょっと畑を見てください。きれいだと思いませんか?美しい畑には病気が出ないんです。だから農薬はいらない。
農薬は土を固くする。固くなった土は樹の根の生育を阻害しますよね。いいぶどうを作るにはまず健康な樹を育てないとね。あまり一般的ではないけど、うちでは樹間を耕運して土をふかふかに保つんです。土づくりが安全栽培の基本です。

>>> ぶどう農家 清野親吉さん

>>> 美しい畑が産むぶどう「デラウエア」
安全栽培は土づくりから。

果樹そのものが丈夫なら虫はつかないんです。
昭和60年頃から仲間と「桃源郷倶楽部」を発足させ、栽培技術の安全性と食味の向上に関する勉強を続けています。安全栽培の基本は、有機のぼかし肥料を使った土づくり。土にとって大切な微生物が死んでしまわないよう、農薬の使用は最低限にし、防除には天然成分のフェロモン剤を使用しています。

>>> もも農家 阿部一男さん

>>> 安心安全あたりまえ。自慢のもも「いけだ」
子どもたちから喜んでもらえるように。

トマトは根だけでなく全身で栄養を吸収するんです。
菜種や米ぬかカニの殻などを入れた発酵肥料を使っていますが、良い肥料でも与えすぎてはだめ。その加減が難しいです。地元の学校給食で使われるようにもなりましたし、1年に3回トマト部会のメンバーで園地巡回を行いながら、エコファーマー認定に取り組んでいます。

>>> トマト農家 山内正秀さん

>>> さらにパワーアップした味のトマト「桃太郎エイト」
何年やっても完璧はない。だからこそ面白いんだよね。

なすの部会メンバーとは月に1〜2回集まって農薬の内容と回数を確認したり、全国の産地をまわって勉強しています。なす以外の作物から学ぶことも多く、個人的にはいちごやトマトの産地で土壌の視察をしたり、名古屋の堆肥工場へも出かけました。うちではもみ殻や鶏糞を1年寝かせた自家製の堆肥でやっています。なすに合う安全栽培の方法をいつも考えていますよ。

>>> ナス農家 笹沼和裕さん

>>> まさに宝石のようなナス「蔵王サファイア」
安全に出荷することがブランドの努め。

スイカの生産部会には西部地区だけでも350名います。仕事を始める前の早朝6時から講習会を開いたり、農薬の使用基準も自主的に決めて、出荷前の残留農薬検査も徹底しています。尾花沢スイカのブランド性を、さらに高めていくのが我々の役目ですね。

>>>スイカ農家 安達但男さん

>>>夏の風物詩。一押しのスイカ「祭ばやしスリーセブン」
冬から春先に栽培するから、虫の発生は少ない作物なんです。

いちご組合のメンバーで、年に2〜3回園地巡回をして栽培状況を確認しあい、病気が発生した場合はみんなで相談しています。交配はみつばちを使いますから、農薬使用には気を使っています。堆肥は有機質のもみ殻の他に、ゆっくりと浸透するロング肥料を使用しています。生産量を増やして、もっと多くの人に食べてもらえるようにしたいですね。

>>> いちご農家 小林誠一さん

>>> 味、質にかなり期待のいちご「おとめ心」
毎年が1年生という気持ちで安全栽培を徹底しています。

殺菌、殺虫はガイドラインに沿って早め早めに。その年の気候によって左右されるから、作り方は毎年変わってきます。今年はカラッとしていたから病害虫の発生が少ないですね。より減農薬になるし、ほっとしています。土づくりが大切だから除草剤は使いません。草むしりは、あくまで手作業。協同組合と普及センターから土壌検査も行ってもらっています。

>>> きゅうり農家 堀弘一郎さん

>>> 昔ながらの味が自慢のきゅうり「プリティ」
毎年の土づくりが、元気なアスパラガスを育てます。

アスパラガスは土から出てきたら、ぐんぐん伸びてすぐ収穫できます。虫がつく暇がないので、収穫期は農薬を使わなくていいんですよ。とはいっても、大変なのは収穫が終わってから。来年の作柄を良くも悪くもするのが収穫後の肥培管理なんです。5、6年前からコーヒーかすを混ぜるなど、土づくりを研究しています。健康なアスパラガスは健康な土づくりからです。

>>> アスパラガス農家 渡辺長四郎さん

>>> 忘れられない味のアスパラガス「バイトル」