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高橋さんがそばの栽培を始めたのは約10年前。田んぼとストックという花の生産に加えて、「新らしいコンバインを買ったんで、そばもやろうかと(笑)」。
栽培は6月上旬から始まります。まずは春からの雑草を減らす耕起と、水はけを良くするための溝掘り。やせた土地でも育つことから、かつては米の収穫が難しかった山間などで多く栽培されていたもの。 あまり手間がかからないから仕事は楽?と思いきや、「農業は自然が相手ですからね。きちんと耕耘しないと種をスズメやハトに食べられてしまうし、水に弱いので、生育期間に強い雨が降ると台無しになってしまうんですよ」。 過去には1/3しか発芽しなかったことや、大雨にたたかれたり台風で倒れてしまったり、収穫前に初雪が振って半分しか収穫できなかったこともあったとか。多く蒔いても収量はほんのわずか。「そういう年はほんとガッカリしますよ」と高橋さん。 |
JAさがえ西村山女性部河北支部の役員を務める柴田さん。
さくらんぼ、きゅうり、白菜、大根などの野菜と、白大豆(タチユタカ)、青大豆(秘伝)を栽培しています。 さくらんぼの出荷とほぼ同じ時期、大豆の種まきも始まるため、5月から6月は大忙し。「大豆は空気が好きなんです。土が締まると根がはらないから、うね間をよく耕して、土寄せをしてやります」。土には米ぬかや鶏糞を混ぜているそうで、「有機肥料にすることで土が丈夫になっていきますから、結果的に作物も抵抗力がつきます。でも堆肥はやりすぎてもダメですね」。 10月から11月、葉が黄色になって枯れてきた頃、さやを振ってカラカラと音がするようになったら収穫です。 |
平成14年に山形県ベストアグリ賞を受賞した平吹正春さん。山形市本沢地区の『山形ハーベストサービス』代表を務めています。本沢地区は、平成15年度の新嘗祭献穀水田に指定されるなど、昔から献上米を作っていた歴史があるところ。
古くは山形城の出城があった場所でもあるんです。食味レベルを高めるための工夫は、「でんぷん質がたまりすぎると逆に味が落ちるんで、ここ2年位は肥料を減らしています」。 米作りは、苗を植えるタイミングから、水の調整、収穫時期まで、日々天候を見て判断しますから、無事に刈り取りが終わるまでは出かけられないとか。 「今年は火星が接近したから冷夏でしたよね。毎年やり方も考えないといけないから、つくづく自然を相手にする仕事だなって感じます」。 |
トマト倶楽部で栽培している品種は『桃太郎ファイト』。水は磐梯朝日国立公園や、蛍が生息している澄んだ沢から引いています。菊池さんの水やりは、点滴チューブという特殊なチューブを使い、肥料とあわせて一定の間隔で、必要な分だけを少しずつ
与える方法。「人間の健康の秘訣と同じで、腹八分目がいいんだよ」。 また、大敵である灰カビ病を予防するために専用のファンを回して風をあてたり、虫にとって真っ黒に見えるという紫外線をカットするフィルムをハウス内に張るなど、設備面の工夫も特徴的です。「こうすることで、防除剤の使用を減らすことができるからね」綿密な栄養管理と環境の中で育ったトマトたち。果肉が厚く、フルーティな香りと甘さが広がります。 |
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丈夫な枝の骨組みづくりと、日当たりを良くするために行う冬と夏の剪定、花芽一つから1果だけ残す春の摘果など、勉強会を開きながら取り組んできました」。
天童が生産量日本一の座を獲得した訳はもう一つ。果実の熟度を揃えるための予冷を行う取り組みが早く、味の評価が高まった点です。「収穫後24時間以内に選果にかけて規格を決定し、すぐに2
〜5℃の冷蔵庫に入れて10日間以上冷やすんです」。
出荷時期がきたら貯蔵しておいたものを出庫し、ようやく市場へお目見えとなります。特殊な性質の果物だけに、こまかやな管理が必要なんですね。