Farm to table ファームトゥテーブル

こだわり取材録
「開心形」で育てた実は、たしかに大ききかったです。片手で持ちあげると、ずっしり重い。甘さばかり追求すると酸味が減るので、味のバランスを考えながら作っているそうです。

by Kaori Asakura
写真はご自宅で試食させていただいた紅玉です。これも表面の皮が凸凹していました。紅玉というと、フジに比べてぽこぽこしたような歯触り、というイメージがあったのですが、高橋さんが作った紅玉を食べておどろきました。スキッ、シャキッとした歯触りと甘さで、まるでシードル(りんごの発泡酒)を口に含んだような感じなんです。「紅玉じゃないみたい!」と叫んでしまいました。

by Kaori Asakura
グルメな品種といわれるセルリーの堆肥は、会田さんの自家製です。もみ殻を十分に分解させて使っているとか。「堆肥は手のひらでぎゅうっと握ると固まって、はなしてポロポロになったら出来上がり」。収穫したばかりのセルリーをおすそ分けしていただきましたが、いやもう、味がしっかりあってビックリ。甘みというより、旨味といった方が的確で、生でどんどん食べられます。独特の苦みがある葉っぱは、天ぷらにするとおいしいそうですよ。

by kaori asakura
茹でているとお隣りさんにまで香りが届くというほど、濃厚な風味をもった秘伝豆。上村さんの所では、収穫した枝豆は枝から外して、良いさやだけを選んで、袋詰めまでしていきます。奥様の手元にあるのが、袋詰め専用に開発したオリジナルの品。ペットボトルの上下を切って筒状にしたもので、パッケージ袋の口にはめると、こぼれることなく、枝豆が袋の中に入れられます。ほんと、すべてが手作業なんですね。

by Kaori Asakura
メロンは、食べる場所(皮に近い部分と種に近い部分)によっても味や食感がまったく違うので、スーパーなどで販売しているカットメロンは、1個のメロンでも味の評価に個人差がでてしまうという難点があります。本当にメロンを楽しむなら、やはり1個まるごとを購入して、十分に味わい尽くすべき。「収穫してすぐと、日にちをおいてからでも違いがあるんですよ」と、ちょっと贅沢な味比べをさせていただきました。やはり少しおいた方が追熟していて、トロ〜リ濃厚、かつ上品な甘さが口いっぱいに広がって、ほんと、メロンは奥が深いです。

by kaori asakura
写真は仁藤さんの畑に立っている看板です。環境を考えた農業です。偽物がでまわるほど、「つるり」は人気の品種。ところで勘違いをしていました。里芋の大きい芋を親芋、その周りに付いているのを子芋というのかと思っていたら、「大きいのが子芋、小さいのを孫芋というんだよ」と仁藤さん。9月のうちは子芋が美味しいですが、10月に入ると孫芋の方が養分を吸って味がよくなるそうです。「親のすねかじって子が育つ・・・」どこの世界も同じなんですね(苦笑)。

by Kaori Asakura
オクラはキュウリのように、垂れ下がるのではなく、上に向かって育ちます。ちょうど牛や鹿の角みたいな感じ。ぐいぐいと力強く伸びていく実の中には、ビタミンB1やB2の他、カロチン、ビタミンEなども含んでいて、特有のネバネバには強壮効果があり、大腸ガンを予防するとも言われているとか。渡辺さんを悩ます、表面のうぶ毛は鮮度の目安。びっしりときれいに覆われているものは鮮度もよく、出荷されたての証拠です。写真のように切り口をよく見て、そろっているのを選ぶといいそうです。

by Kaori Asakura
取材終了後「はい、お疲れさま!」とビールケースをひっくり返して、手早くテーブルをセットしてくれた遠藤さん。並べてくださったのが、ツルムラサキのごま和えと中華風豚肉炒め。独特の軽いぬめりが、合わせる食材の味をまろやかに包み込んでくれ、個性的なのに食べやすい。もっきりとした茎の歯応えと、ぬるっとした葉っぱ。まったく違う2つの食感が楽しめるのも、ツルムラサキの魅力ですね。

by kaori asakura
山形市内の落合、バイパスにもほど近い場所にある南蛮畑。いつもは車で通り過ぎてしまいがちですが、一面に緑が広がり、ほっとできる場所になっています。一口に南蛮といっても品種はいろいろあって、以前は中辛タイプを作っていたそうですが、「もっと辛いのを!」という東京市場の要望に応えて、一番辛いタイプを栽培しているとか。取材中、お茶請けに出してくださったのは、南蛮っ葉の煮物。ほどよく辛くて、ビールが欲しくなりました(笑)

by Kaori Asakura
小玉さんがかつて東京市場に勤める方から言われたことで忘れられないのが、「おいしいものを知らないと、おいしいものは作れない」という言葉だったそうです。世間から高く評価されるものは、それなりの理由がある。漬物も井の中の蛙ではダメで、自己満足ではなく、とにかく周囲の意見を聞きながら作ってきたそうです。

by Kaori Asakura
もも農家阿部さんは、安心安全はあたりまえのことだとおっしゃっいました。消費者が喜んで食べるものだから、安心安全はそれを作る農家さんの使命なんだなぁと感じました。
そんな阿部さんが作るもも「いけだ」は、今はまだ花が咲いている状態ですが、8月20日ころ阿部さんのところへ伺うと、ちょうどおいしい桃ができあがっているそうです。
待ち遠しいですね! by takahashi
なす農家の笹沼さんは、前向きの発想を常に持ち続けているそうです。例えば、新たな害虫が出た場合、「虫でた!どうしよう」ではなく「このやろ次なにくんのやー」という思いで、楽しみながらも前向きにそういったアクシデントとも向き合っていました。自分もへこんだりせず、「そうきたか、じゃおれはこれでいくぞー」というような前向きの発想で、日々楽しみたいと思いました。 by takahashi
アスパラガスの塩漬け!と先ほど採れたばかりのアスパラを湯がいたものをごちそうになりました。
アスパラガスは調理法を選ばないそうです。それは煮ようが炒めようが、栄養分が逃げないということです。新陳代謝を活発にし、体力回復、美肌に効果があるアスパラギンを含んでいます。
安心安全に作ったアスパラガスを食べて健康に生きていきたいなぁとつくづく思いました。
朝採ったアスパラガスが最高においしいそうです!
p.s 出荷する上から27cm部分もですが、実は根に近い部分も食べられるんです。しかも甘〜いです。 by takahashi
ぶどう農家清野さんは、農薬を使わないそうです。それには、農薬を使わずに済むような畑の環境作りにありました。それは、霧がでにくい場所であるとか、畑をいつも美しく保っておくように手入れをするだとか…。
その原動力として、孫に自分の仕事や生き様を見せつけることで、孫がおじいちゃんみたいになりたいと、農業やりたいと言ってくるような将来の楽しみがあるから、今の仕事をがんばっていけるとお話ししてくれました。
自分もそういう仕事していきたいと感じました。 by takahashi