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266 『仏像の声』

  • 266 『仏像の声』

西村公朝:著 (新潮文庫  1998年1月1日発行)

2014.04.20:dentakuji:コメント(0):[お寺の本棚]

(265)『もっと面白い廣告』

  • (265)『もっと面白い廣告』

天野祐吉:著 (ちくま文庫  1989年5月30日第1刷発行 1990年10月5日第2刷発行)

2014.04.10:dentakuji:コメント(0):[お寺の本棚]

(264)『邪悪なものの鎮め方』

  • (264)『邪悪なものの鎮め方』

内田 樹:著 (文春文庫  2014年1月10日発行)

 

2014.04.02:dentakuji:コメント(0):[お寺の本棚]

(263)『傷だらけの店長』 街の本屋24時

  • (263)『傷だらけの店長』 街の本屋24時

伊達雅彦:著 (新潮文庫  2013年9月1日発行)

 

 

本の帯に「本なんか もう見たくない  本が好きで書店員になったのに・・・」とある。

正直に言うと、本が好きな私は(も) 本に関わって仕事ができて、そんなに大変そうでもないように見える本屋勤めをしてみたいものだ、そう思ったことがある。

 

友人にも書店員勤めをしている男がいて、週に何回と通って本や雑誌を購入したりしなかったり。

地方としては、まぁそれほど小さい本屋ではないけれど、大きなチェーンでもない。

自分ができないものだから、大学生になった甥をバイト先として紹介したぐらい(実際約2年以上働いていた)。

そんなに大変なものだと感じていたら紹介などしなかっただろう。

 

著者はやはり本が好きで、大学生のアルバイトから就職し店長を務めた人。

チェーン店でそこそこの広さの売り場があり、売上もある書店のようである。

主に、店長になってからの本屋の日常、過酷な仕事ぶりについて書いている。

 

書店員についての私の誤解。

本屋さんは、思いのほか肉体労働であること。

 (考えてみれば、本は重いし、毎日毎日雑誌などの新刊が押し寄せて来るんだね)

書店員の給料が安いこと。

 (高給取りとは思ってはいないものの、普通にもらっているんじゃないかと・・・。いくらぐらいなの 

 だろう)

店長が本部にお伺いをたてなければならないうこと。

 (ある程度はあると思ったが、けっこう窮屈なものだ)

 

他にもいろいろあるのだけれど、ずいぶんサービス残業もあるものだ。

 

 

話はちょっと変わって、自分のこと。

かつて、公民館職員(コミセン職員)という仕事を約20年ぐらいしていた。

一年一年契約更新する不安定な雇用形態でありながら、けっこう仕事が多い。

給料は同年代の地方公務員三分の一というところ。

その割合に、仕事が多い!

というより、一所懸命やればやるほど、仕事が増える。

仕事自体は面白く、やりがいがないわけではない。

けれど、年々仕事の量が増えてゆく。

もう限界!

人と関わっていくことは好きで、仕事がうまくいった時の達成感もある、けれど、それによってまた仕事が増える・・・。

けれど、給料も上がらないし、サービスもきりがなくなる。

 

 

書店員 伊達店長と似ていなくもない。

ただし、売上のノルマや、競合店の出店ということがないだけ、精神的には楽。

書店はなんとなく儲かっているような気がしてしまう。

食品のように品物が急速に痛んでダメになるということがないから。(単純)

日常的に万引きと渡り合っていることもわかった。

 

 

大型書店の出店により閉店に追い込まれ、その社員を辞め、他の書店に勤めるということもしなかった彼。

本が大好きなのに。

後書きに、現在の著者の様子として、個人的に探している本を探している本人の依頼を受けて、代わって探し出して届けるということをしている、そのようなことを書いている。

 

本が嫌いになったわけではなく、本と関わっていることに安心した。

 

 

2014.03.26:dentakuji:コメント(0):[お寺の本棚]

(262)『忘れられない一冊』

  • (262)『忘れられない一冊』

週刊朝日編集部:編 (朝日文庫  2013年9月30日発行)

 

「週刊朝日」に連載されていた、作家をはじめとした各界の著名人の、忘れられない一冊についてのエッセイ集。

千字を少し超えたぐらいの短い文章で、本にまつわるエピソードが書かれています。

文章が短い、好きな本の話しだから、どんどん読み進める、とおもったのですが、これが案外そうではないものですね。一人ひとりの文体が次々変わるのって、リズムが狂っちゃうのかもしれません。

 

作家の車谷長吉さんと高橋順子さんが、それぞれ一冊の本をきっかけに、結婚することになったエピソードはとても興味深い。

 

私には忘れらられない一冊ってかるかな。

ちょいと考えても思いつかないのですね。

ないわけではないのだけれど、エピソードとしては、「だからなんなのさ」というようなことで、さっぱりふくらんで行かないのです。

各界の著名人のようにはいかないさ、そう言ってしまえば簡単ですけども。

 

昭和54年3月に高校を卒業し、東京の私立の大学に入った。

地元の国立大学はあっさり落ちて(落ちる以前の問題だったが、ここは省略)、親は無理して出してくれた。

1年時、一般教養のキャンパスは東京ではなく埼玉県の松伏町というところにあった。

江戸川を渡って向こうにゆくと、キッコーマンなどの醤油の町野田市だった。

松伏には何もないのでアルバイトや買い物は野田に行っていた。

野田にある大手スーパーマーケットでのアルバイトにも慣れ、夏休みが過ぎ、地元の雪国と違う長い秋を過ごしていたある日、町のちょっと大きな本屋で立ち読みをしていた。書店名も覚えていない。

その店のある棚で、一冊の本を見つけた。

『さらば国分寺書店のオババ』というみょうちくりんなタイトルで、湯村輝彦がカバーイラストを書いて、いしいひさいち が本文カットを書いている。

 

著者は 椎名 誠。 「本の雑誌」編集長とあるけどしらない。

思わず買って家に帰って読むと、めっぽう面白い。

昭和54年に第一刷発行のこの本以降、どんどんと椎名の本は出はじめ、その「本の雑誌」も読まずにはおれなくなった。

それから、椎名誠とその仲間、本の雑誌系の本に引き込まれてしまったのだ。

 

そのあげく、似たようなミニコミ誌作りに参加することになるという、考えてみれば忘れられない一冊なのだった。

 

なんだ、よく思い出してみれば、あるんだね、そういう本。

 

2014.03.19:dentakuji:コメント(0):[お寺の本棚]