最もよく奉仕するものが最も多くの利益を受ける

 「最もよく奉仕するものが最も多くの利益を受ける」多くの人たちに親しまれているロータリーの有名な言葉は、たしかに人の世の真理をついていると思う。

 自我を主張しうるところには奉仕という考え方はない。夫婦の間でも、親子の仲でも愛情ということばで表しているが、愛とは相手に良かれと惜しみなく与える、つまり奉仕をすることをいうのだと思う。

 奉仕とはサービスであり、お客様にもっと喜んでいただけるように、お客様あってのわが社という感謝の念をこめて、物的な面、あるいは労働力など、隅々まで有形無形の心配りをすればするほど固定ファンができ、それが商売繁盛につながるのだと思う。会社勤めであっても、会社のために、より多くの努力をし、貢献する者がより報われるのは当然である。

これに類似のことばとして代表的なものは、西洋では「ギブアンドテイク」、わが国では「情けは人のためならず」というのがある。結果にはすべて原因がある。よりよい結果を期待するためには、それらを実らすような種子まきが必要なのだ。さりとて、サービスをしたから、すぐにその代償が期待できるというものではない。

奉仕とは、あくまで代償を求めない純粋な発想から出たものでなくてはならない。世のため人のために奉仕する。そこには自らの心の安らぎと満足感がある。「徳、弧ならず」ともいう。無私、無欲な奉仕は、必ずやどんな人の心も打つに違いない。必ず、いつの日にか、それに対する評価が生まれてくるはずである。

我々は、商人として、そして人間として「最もよく奉仕するものが最も多くの利益を受ける」という、このことばを熟読し、噛みしめるべきであろう。

2006.10.20:反田快舟:[経営箴言]

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