経営者の生き方

 人生は生きるべきものであって考えるべきものではない。空理空論を弄していても、経営は好転しない。ともかく企業が潰れぬように、生き残れるように努力し、行動するだけである。経営者の行動についても何がよいとか悪いとかいっても、善悪すべて比較より生ずる現象であるから気にしないことである。

何が正しい生き方だといっても、庶民の立場もあれば、管理者、経営者の立場もあるし、政治家という立場もある。それぞれ、あるべき姿や使命が違うのである。おかれた地位にふさわしくないやり方をすればダメだということである。

 一国を預かる政治家が、国のことを憂えず個人の立場だけを考えて行動すれば、それは政治屋とよばれる。同じ事業をやっていても、生業もあれば、家業もあり、そして企業もある。事件屋的なやり方をする人もいれば、事業家、経営家もいる。要はセンスの問題であり、人間の持つ幅の問題ともいえよう。それぞれの人生において、大を成すには、右顧左眄せずに一人で行くことだ。

 己の信じる自分の道を進む以外に方法はない。信念のあるところ、それが世に受け入れられるものである限り、そこには共鳴する人が生まれてくるものである。一人の先達者の下に、万人が生まれるのである。

 経営者は共鳴、共振、同調の発信源とならなければならない。世に多くの共鳴者を呼び、同調者を獲得するためには、企業のリーダーとしての生き方を知っていなければならない。生き方とは、それぞれの分野において、社会にどう貢献していくかということであり、個々人の立場中心に考えていくことではない。

 つまり、自己中心のエゴイストや怠け者であってはならないということである。われわれは、経営者として、いま一度、生き方について考えるべきではないだろうか。
2006.10.20:反田快舟:[経営箴言]

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