「母性のジレンマ」

 お母さんだけには何でもいいなさい、と説教する母親がいるけれど、子供が自分の秘密を大切にするということ、信頼や誇りを守ることについて無知すぎる気がする。

 痛み、苦しみといったマイナスの体験は子供になるべく味あわせない方がいい、と母親は考える。子供の涙を見るのは親として辛いからだ。
しかし、人生には耐えねばならないことがあって、怒りや悲しみが自分にとってどんな力になりうるのかを、子供のうちに知っておく必要があると思う。

 日本の女性は、いますごくジレンマにある。母性にも非常にひかれるし、自分の人生を考えると、母性を否定したくなる。そういうジレンマは非常に大きいと考えられる。

(「人生学ことはじめ」より)
2006.11.28:反田快舟:[自分を見つめる]

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