「段(きだ)なせる稲田のかなた見はるかす 出羽丘陵の山脈蒼し」(武子)
短歌は武子さんの作品であり、写真はふじいまさよさんの作品である。沿線で撮影される写真は葉山、通称西山を背景としたものが多いのだが、ふじいさんはそれとは異なる方向を写している。圃場のライン、小川沿いの桜並木、舌状台地と呼ばれる段丘のライン、その奥の蒼い山並みが、まるで棚田のように佇んでいる。武子さんが詠んだ場所は、ここではないかもしれないが、「段なせる」「山脈蒼し」で共鳴しているようにも思える。
ふじいさんの作品に対しては、泉米会のひろあきさんも投句されていた。
「朝もやに霞む山々遠く見て ひときわ映ゆる八重の桜よ」(ひろあき)
「ひときわ映ゆる八重の桜」が印象的である。ふじいさんにこの場所を選んだ理由を尋ねてみた。「ここは高台で遮るものもなくて、朝は霧が出て光が柔らかくなる。また横からの光で列車が明るく撮れるのです。」と教えてくれた。ふじいさんの写真とひろあきさんの句に、写真家の視線を感じた。
※「舌状台地」の説明はこちらから



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