孫田稔「赤外線写真展」から 植物と紫外線

  • 孫田稔「赤外線写真展」から 植物と紫外線

 ちゃぶ台の上に「ご来場ありがとうございます」と添えられた写真があった。上の写真がそれである。孫田さんに「これも赤外線写真ですか?」と訊ねると、「いいえそれは紫外線写真です。」との回答であった。その後、孫田さんから紫外線について興味深いお話を聞くことができた。

 

 「昆虫は,波長の長い赤色などは見ることができないのですが,波長の短い紫外線の一部の帯域を見ることができます。植物は花びらの部分で紫外線を反射させて、白く輝いて昆虫を誘います。花の中央部分は、紫外線を吸収するので昆虫には濃く見えるために、昆虫は蜜標部分に迷うことなく進みます。そして蜜の採集と受粉作業という両者にとって重要な作業が効率的に行われることになるのです。花びら部分は蜜腺に誘導する目印、飛行場の誘導灯になっていると考えられています。」

 

 昆虫と植物とは、私たちには見えない光の世界の中で、互いにその生命をつないできたのだろう。私たちが常に目にする可視光によって描かれる作品にも、作者はその奥に見えない何かを塗り込めているのかもしれない。作品に込められたそんな思いを感じ取れる目を少しづつでも育てていきたいものだ。

2026.08.21:orada4:[停車場風景]

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