孫田稔「赤外線写真展」から  「踏切」から見えるもの

  • 孫田稔「赤外線写真展」から  「踏切」から見えるもの

 今回出品されている作品の中で、特に印象深い作品の一つが上の写真である。踏切の警報器は黄色と黒の「警戒色」、そして警報音と共に点滅する赤いランプで構成されるものである。すなわち色彩自体が社会的な意味を持っているのである。社会的規範としてインプットされて来たその情報が消し去られた時、人の脳はどのように思考するのであろうか。

 

 作品を見ながら意識の動く方向を探っていると、「警報器」に新たな意味づけを行おうとしている自分が見えて来た。踏切は単なる警報器を超えた存在として、自分の目の前に立ちはだかるのである。そんな不思議な印象を持つようになったのは、オーロラのように妖しい光を放っている雲の筋の存在が大きいであろう。これは単なるモノクロ写真では表現できない、赤外線写真ならではのものである。

 

 いすみ鉄道の「ここには何もないがある」のポスターにも「踏切」が使われている。小椋佳の「白い一日」という曲にも、「踏切」が出てくる。踏切は多様な感情を沸かせるものである。警報器の色を削ぎ落し、「踏切」の前に立ってみるのも面白いのかもしれない。

  → 停車場憧憬  踏切にて:山形鉄道 おらだの会

2026.08.17:orada4:[停車場風景]

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