17日(現地16日)、シカゴのユナイテッド・センターで“第69回NBAオールスターゲームが開催され、
時間無制限で行われた第4クオーターは壮絶な戦いとなり、チーム・レブロンが157‐155で勝利しました。
今回も、東西のファン投票1位の選手がキャプテンとなり、西の1位(全体1位)のレブロン・ジェームズ
(ロスアンゼルス・レイカーズ)と東の1位のヤニス・アデトクンポが、東西のファン投票などで選ばれた
選手を“ドラフト”してチームを作るシステム(今回で3回目)で行われました。
そして、今回のオールスターゲームは、先月末に事故死した “NBAレジェンド” コービー・ブライアントへ
敬意を表し、新たなフォーマットを採用した結果、NBAを代表する選手たちの本気の戦いが観られました。
【新フォーマット】第1クオーターから第3クオーターまでは、1クオーター(12分間)ごとに勝敗を決め、
最終の第4クオーターは、『ファイナルターゲットスコア』が設定され、どちらかのチームがその得点に達する
まで、時間無制限で行われる。この最終目標得点は、第3クオーターまでの合計得点が多いチームの得点に、
コービーが現役最後の10年間着用した背番号『24』を足した数字に設定されました。
第1Qは、チーム・レブロンが53-41で勝利し、第2Qはチーム・ヤニスが51-30で制して後半へ突入。
第3Qは徐々に各選手の表情が変わり始め(このクオーターは41-41)、ここまでの合計でチーム・ヤニスが
133-124とリードする形となり、『ファイナルターゲットスコア』は157点に設定されました。
勝負を決める最終Qは、両チームともスターターを戻しての真剣勝負となり、これまでのオールスターでは
あまり見られなかった激しいディフェンスにより、ファールが増え、フリースローでしか得点が入らない時間
帯もあり、終盤には判定を巡って両チームともチャレンジを行使するなど、手に汗握る予想外の展開でした。
9点ビハインドが大きく、苦しい状況と思われたチーム・レブロンでしたが、徐々に点差を縮め、終盤はワン
ポゼッションゲームとなり、ファイナルターゲットスコアに近づくと選手たちのディフェンス意識がいっそう
強まり、プレーオフさながらのハードワークがみられました。レブロンのダンクで、チーム・レブロンが
156-153としてリーチをかけると、チーム・ヤニスもジョエル・エンビードのフリースローで155-156と
迫り、どちらが勝ってもおかしくない展開になりました。
ここで、開催地シカゴ出身である、チーム・レブロンのアンソニー・デイビス(ロスアンゼルス・レイカーズ)
にフリースローのチャンスが巡ってきました。1本目を外してしまったが、冷静に2本目を沈めて試合終了。
試合後、デイビスは1本目をわざと外して、観客をさらに盛り上げてから2本目を打ったと言っていました(笑)。
第4Qハイライト https://youtu.be/K9RteI0BE7c
今回のMVP『コービー・ブライアントMVPアウォード』(今回から名前が変わりました)は、ゲームハイの
30得点を記録したチーム・レブロンのカワイ・レナード(ロスアンゼルス・クリッパーズ)が選出されました。
レナードは、「言葉にならないくらいうれしい」とコメントし、「コービーに感謝している。この賞を彼に捧げ
たい」と続けました。
新たなフォーマットが発表された時、かなり違和感がありましたが、例年のお祭りムードがなく大成功の試みと
なったと言えます。オールスターゲームでの真剣勝負は、選手の怪我のリスクに繋がる可能性もありますが、
ファンの盛り上がりと、選手たちの表情を見る限り、来年以降も継続して欲しいと思います。
キャプテン制で、チーム・レブロンが3連覇というところも見逃してはいけません。
レブロンは、オールスターゲーム16年連続16回目の出場で(すべてファン投票=スターター)、そして
ここ3年はキャプテン(ファン投票全体1位)としてチームをまとめ、見事 “スリーピート” を達成しました。
このシカゴでのオールスターゲームは、NBA史に残る大会として、ファンにも、選手にも記憶に残ると思います。
この記事へのコメントはこちら