15日、上海にて「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」の決勝戦が行われ、
スペイン代表(FIBAランキング2位)とアルゼンチン代表(同5位)が対戦しました。
試合は、リッキー・ルビオとマルク・ガソルの2人のNBA選手の活躍で、スペインが
95-75でアルゼンチンを破り、日本で開催された2006年の世界選手権以来となる
2度目の優勝を飾りました。
リッキー・ルビオ(右)
大会MVPを獲得したのは、ポイントガード(PG)のリッキー・ルビオでした。
ルビオは全8試合に出場し、平均26.3分で、16.4得点、4.6リバウンド、
6.0アシスト、1.5スティールを記録。
現在28歳のルビオは、スペインのリーガACBにて史上最年少の14歳11ヶ月でプロ
デビューし、2008年の北京オリンピックでは(17歳8ヶ月で代表デビュー)銀メダル
獲得に貢献、オリンピック決勝戦のスターターを務めた史上最年少の記録を持つ選手です。
リーガACBでは、魔術師のようなパスで得点を演出し“スペインの至宝”と呼ばれました。
ルビオは2009年のNBAドラフトにエントリーし、1巡目全体5位でミネソタ・ティンバー
ウルブスに指名され、2011年12月にNBAデビューしましたが、2012年3月に
左膝前十字靭帯を断裂、そのままルーキーシーズンを終え、ロンドンオリンピックは欠場。
その後は、あまりNBAで目立った活躍をしていなかったが、今大会スペインを優勝に導き、
大会MVPも獲得したことで、キャリアの中でも格別な瞬間となりました。
そして、もう一人“MVP級”の活躍だったセンター(C)のマルク・ガソルも輝いていました。
ガソルは、NBAキャリア11年のベテランで、昨シーズン(途中まで)はメンフィス・グリ
ズリーズで渡邊雄太と一緒にプレーしていて、NBAでもディフェンスに定評のある選手です。
シーズン途中で、トロント・ラプターズに移籍後も活躍し、34歳にして、ガソル自身初の
NBAチャンピオンになりました。
ガソルは、大会をとおして素晴らしいディフェンスでチームに貢献しました。そして、ダブル
オーバータイムまでもつれたオーストラリアとの準決勝では、38分47秒コートに立ち、
チームトップの33得点、6リバウンド、4アシスト、2ブロックと獅子奮迅の働きでした。
ガソルはNBA優勝に続いて、ワールドカップで金メダルを獲得し、キャリア最高の夏となりました。
アメリカ国内でプレーしている選手で、同一年度にファイナル制覇と、W杯もしくはオリンピックで
“世界王者”となったのは男女併せて史上19人目で、アメリカ人以外としては史上初となりました。
スペインは、攻撃の要のPGと、守備の要のCがしっかりと役目を果たしたことが優勝に繋がりました。
アメリカが優勝出来なかったことと、日本が5戦全敗だったことを考えると、
PGとCの選手がいかに重要か感じた大会でした。