p結城豊太郎記念館の基本設計をなさった本間利雄氏が昨日ご逝去された。
衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。
この記念館の基本設計は、結城翁の孫にあたる結城茂雄氏が作成し、実施設計は本間利雄設計事務所が作成している。平成7年に完成しているが、この年の第3回景観デザイン賞で山形経済同友会大賞を受賞している。
多くの来館者を迎え、今年で23年になる。また一人記念館にゆかりの人物が亡くなった。
第3回施設活用文化講座は、現在開催している企画展示のギャラリートークとし開催する。講師は赤湯在住でNHK連続テレビ小説一番星の原作者「結城亮一」氏と、芥川賞候補に2度もなった市内宮内出身で、瀬戸内寂聴との8年間にわたる生活でも有名な「小田仁二郎」を、かつて近所に住んでいた歌人の牧野房氏に語っていただく。
どのような話が聞けるのか楽しみである。
秋も深まり、ようやく夏の暑さから解放された。虫の声、おいしい果物とともに秋の草花が咲き始めた。
市民から秋の花「ダリア」が届いた。鮮やかな赤いダリアは記念館に秋を届けてくれた。
瀬戸内寂聴の新潮文庫「夏の終り」に収められている5つの作品は、「新潮」「小説中央公論」発表されたものである。この中の「夏の終り」で瀬戸内寂聴は女流文学賞を受賞している。
瀬戸内寂聴の私小説といわれ、南陽市が生んだ作家小田仁二郎との愛とその別れを描いている。小説では「知子」と「慎吾」という二人の人物が織りなす物語である。
「知子」の「慎吾」への熱い思いと「慎吾」のやさしさが描かれている。小田仁二郎については全く知らなかったが、その人間性の一端を感じることができた小説である。