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老兵の半生(生涯の友9)

彼ら3人の友人とは、もう47年ほどの付き合いとなっているが
今は何年に一度くらいしか、顔をあわせることも無いが
それでも、合うとすぐ昨日合ったような雰囲気で、話し始める
友人とは不思議なものである。
長い人生のなかでは、真の友達は大変大事なものであり
それらとの係りの中で、自分をさらけ出すことが出来る
又頑張ることが出来る、真自分にとって彼らは心の触媒のような
存在であり、それによって又次のステップに進むことが
可能になる気がしてくる。
最近様々な場所で、学生も含めて19歳~二十代の若者と接する
機会が多いが、我々の其の時代とはどこか違う気がしてならない
時代が違うと、いわれればそうですが満たされた、物のあふれる
現代のなかで、親も子も夢を追うことに消極的に、
なっている様な気がしてならないし、又夢も並列的なものが多く
いわば金太郎飴的な感じがしてならない。
それに其の夢の実現に、実にせっかちであり短い期間で
達成しようと急ぎ、成就できないとすぐ諦め心が折れる。
思うようにいかないと、親や他に原因があると錯覚し
嫉妬間の中で反社会的行動に走ったり、抜け殻的毎日を送ったり
の生活に疑問を感じない人生に、甘んじる若者が
増えてきているのは、確実な気がしている。
あえて、友人たちの半生をかいつまんで書いたのは
夢にもそれぞれ無限的量の夢があって、一人一人その人だけの
夢や人生があるということを、知ってもらいたいからでした。
老兵の半生(生涯の友10)につづく

老兵の半生(生涯の友8)

さてしんがりが、樋口である4人の仲では一番の"いけめん"
であり、酒豪であり毛深く、とても登山が好きな山男である。
そのくせ一番堅実で、危なげない人生を送っている男で
努力家である。
高校卒業と同時に、母校の実習助手として採用される。
いわゆる県の職員である。
勤務中に通信教育で、大学に学び教員の資格を取り
教師として採用され、定年後も2年ほど嘱託として勤務し
今は、自然を相手に山を駆け巡ったり、素人農業をやったり
風呂を潅木で沸かしたり、生活そのものを自然との対話の
中で満喫している、長男は彼に似て頭が良く大学ドクターコース
をでて、多分今はアメリカ在住かな?
娘をお寺に嫁がせ、今は夫婦だけの悠々自適を、満喫してる。
教師時代の彼は、生徒にもその父兄にも評判が良く
多分校内にも敵はいなかったように思える。
4人で合うときは、いつも彼が事務局か、幹事であり
豪快な面とは別に、いつも細部にわたり計画をたて
落ち度を見せない仕事振りである。
しかしそんな彼にも、弱点があるそれは酔うほどに、若返り
最後は子供のような素直さをみせる。
そこがまた人間らしくて良い。
私にとってこれら3人の、半生を見ているとそれぞれが
それぞれの道の中で、毎日を精一杯生きてきている。本人にしか
解らない挫折感と、苦しみがあったと思うが、いつも前を向いて
歩き続けている。
老兵の半生(生涯の友9)につづく

自社前の秋 2009/10/14

老兵の半生(生涯の友7)

しかしながら、この事が私の心に大きな変化を与え
今設計から施工までの一貫工程で、製作した設備を大手自動車
企業に収める事の出来る、社内組織を構築できたのと
彼色摩の「会社に遊びにきてよ」の一言が今も耳から離れません
彼がその後、突然会社を辞めることにしたと、電話してきたので
私が納めた機械が旨くなかったので、責任取ったのかなと
思い、自宅に駆けつけて見ると、俺もトップをやって見たいので
業績不振のタクシー会社を引け請け、社長として再建する
というのです。「やめとけ、工場関係なら今までの総務経験を
生かすことも出来るが、サービス業は違うだから」と
止めたのですが、
「もう退職金も全部其の会社に注ぎ込んだから」
といってましたので、「頑張るしかないな」といって
帰るしかありませんでした。その後数年合うこともなく
過ごしていたのですが、ある日突然自宅に現れ「これ俺が採集した
ミツバチの蜜だ、食べて見てくれ」ともってきたのです。
2年ほどで、タクシー会社を手放し静岡あたりのミツバチ業者に
単身弟子入りして、ミツバチ業者として自立したと言うのです。
「ミツバチは可愛い、いくら指されても、ミツバチと自然の花と
季節ごとに、地域を移動できることが今はとても楽しい」
真に朗らかに話していました。今も全国を駆け巡って
定年の無い人生を謳歌しています。
子供たちもそれぞれ独立し、新婚当時と同じ様な夫婦二人の生活を
満喫しているようで、これまた楽しい老後を送っている。

老兵の半生(生涯の友8)につづく

蔵王の秋

10月12日の蔵王の秋の装い