星空の下で(6)

「しかし、我々は担任の"ほしこ"には大分迷惑を掛けたクラス
だつたよね」と加藤 今は亡き"ほしこ"(担任のあだ名)の
話に移っていく。彼はほっそりとして背が高く年齢は、当時
50歳を超えていたと思う。感じが干物の干し子に似ていて
性格が、しなこかったのでそういうあだ名で、影では呼んでいた
しかし我々には全力で、接してくれていて問題が起こるたび
校長に直談判、いつも我々の盾になって庇ってくれていた。
自慢は自分のクラスが、全校の中でも地域の他の高校の中でも
平均的な学力は、ずば抜けてよかった事でした。
我々のクラスは個人的問題をおこすより、全体で問題を起こす
回数が多かったのかも知れません。個人的問題も全体責任と
考え、年上がしきって全体で処理しようする気運がおおかった。
担任の彼は、少々学則に外れた点が起きても新しい学校の
中で、定時制と言うハンデで劣等感を持ってはいかん
成績だけは負けるなといつも話していて、唯一赤点を取った
時は、何のために学校で苦労して学ぶのかと、ひどく怒った
事を我々は覚えている。
我々が卒業して、20数年後彼は逝去しているがその一ヶ月前ほど
訪れた我々に、弱弱しい声で「立派に生きてるな、頑張った
かいがあったね」といった言葉がいまも耳に焼き付いている。
話は少しそれたが、彼に迷惑を掛けた一番の問題が
遭難事件、次が灰皿事件であった。

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