星空の下で(3)

「あの事件は先生気の毒だったよね」松田が話し始めた
その事件とは、その日の歴史の授業は三時間連続での予定で
あった、その一時間目の初めに平井の酒臭い件が発覚。
机に頭をこずかれ、誰かが「先生今の行為は、教育者として
あるまじき行為では無いかい」と叫んだのをきっかけに
先生を非難する声が、教室一杯に上がり等々その後連続で
二時間、先生と生徒の関係についてや、人間通しの付き合い
等に、ついて先生を教室に缶詰にしてしまったのでした。
「先生にとっては、未成年の生徒が殆どでありまして、昼の
専任から、夜間生をも教える掛け持ちであったから、戸惑いも
あったよね」と松田が続ける「平井にしても学校が好きだから
少々酒の付き合いがあっても学校に来た気持ちは解かるし
先生の行為も、教師としては今考えるといかに平井が成人
に、達していたとしても当たり前だったと思う」
「しかしその後がやばかったよね、その日を境にしてその先生が
一ヶ月も休暇をとって授業に出なくなったのだからね、
後でわかった人だが、その時の授業が原因でなく病欠だったんだ
ときいて、ほっと胸をなでおろしたがね」加藤が締めくくるように
その時のクラス全員の気持ちを代弁した。
その時期の中間テストの全校成績の中で事歴史のクラス
平均点数は、80点を超えていたのは教室に缶詰した先生への
反省の頑張りであったと思う。
元々このクラスには優秀な生徒が多く、勉強したくても
経済的理由から、高校に入れず一旦社会で働きそれでも
高校を目指して、通信教育を受けていた人達が多かったから
この地区に新しく工業系の、夜間部が出来た事で入学した子や
初めから働きながら、高校へと経済的理由で入学してきた
子供達の混成クラスであったため、4年間の平均テスト成績も
65点を下回る事は無かった。

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