老兵の半生(分かれ道4「水商売」)

1968年私27歳、友人が「有る社長がこっそり個人的にスナック
をやってみたいといってるから、力を貸してくれ」
といってきた。実は都内在住の頃アルバイトでバーテンの
真似事をやったことが有るので、そういって来たのだと
思う。「彼は表面に立たないから、すべて仕切ってくれ」
と言う。その頃三十歳も近いのに嫁なし、金無しうだつの
上がらない毎日を過ごしていた私の、心に魔が差した。
「面白そう、やってみるか」此の辺で一発情況を変えてみるか
と思ってはじめたのが、大失敗。一年半ほどで閉鎖
開店前より、悲惨な生活状況に陥ってしまった。
しかし学んだことは多かった。人の心の動き一度沈むと
今までの取り巻きは、蜘蛛のこが散るようにいなくなり
所詮人のふんどしでは、相撲は取れない事、振って沸いてきた
話には、必ずそれなりのリスクが伴い成功率も低い。
事業をやるときは、自分の計画で資金も全額自分持ち
そして自分自らの経営で、行うべし共同経営には
大きなトラブルと人間関係の崩壊が、付き物で有るということ
他人の責任を攻め、人間不信を拡大させる。
それから三年じっと芽を出す時期を、待つことにした。
同じ分かれ道でも、必然的に現れるものと突然表われるもの
またはその時の、心の状態でその後の情況が、良くもなり
悪くもなる。
若いうちに、転んでも立ち直ることはいつでも出来る
ただ転んでもただ起きてはならない。原因を検証し
その後の人生に転ぶ原因を作らないよう、学習して起きる
事が大切である。

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