老兵達の船出

会社を作るので参加してくれと、いう話を友人が
持ち込んできた。
出資者は地元三人と、岡山、横浜各1人。
工業、農業用品の販売と開発会社だという。変わっているのが
参加資格が年齢65歳以上でないとだめと、言うことである
とかく65歳以上となると、やっている事業を次世代に任せ
口出しはするが、殆どが窓際族で仕事的には暇なのが
普通であり、口は達者で体力は落ちるがまだまだやれる
と思っている。老人だからと気を使って休ませようとする
周囲に、よけいなお世話だと思うが、口には出さない
この年代になると、自分はまだまだ大丈夫だと思う反面
不安を持つため、心の中では若い人にかなり気を使って
いる。
若い者と張り合って現役を保つには、口達者な所を使って
販売を受け持てば、何とか対等な仕事が出来そうである
と友人は、思ったらしい。いよいよ老兵五人の挑戦が
始まる。私の役職は"取締役開発部長"だという
大変な役目をおおせ使ったものである。
窓際の木々からもう夏の終わりを告げるように、カナカナカナ
と蝉の声。まだまだ人生の真夏を感じ様とする、老兵達を
あざ笑うかの様に。

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