男たちの哀愁

カウンターの前に、九つの椅子。なぜ奇数なのか
解らないが、そんな小さなバーで、3,4人の男たちが
グラスを傾けている。

その店の常連らしい。音楽もない静かな雰囲気の
中で、その店で知り合ったのだろう、職業も何も
知らないどおしが、連れでもないのに、カウンター
内の女の子を、経由しながら会話を楽しんでいる

少し背をまるめて、カウンターに肘を附き
男達は、職場や家庭の縛りを忘れるように
カクテルで、思考を鈍らせていた。
その少し背を丸めた後姿が、心の寂しさを
映し出していた。

男達は所詮、お釈迦様の手のひらであるのに
時として青春と言う雲に
乗りたいのかもしれない

この記事へのコメントはこちら

以下のフォームよりコメントを投稿下さい。
※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。