老兵の半生(生涯の友8)

さてしんがりが、樋口である4人の仲では一番の"いけめん"
であり、酒豪であり毛深く、とても登山が好きな山男である。
そのくせ一番堅実で、危なげない人生を送っている男で
努力家である。
高校卒業と同時に、母校の実習助手として採用される。
いわゆる県の職員である。
勤務中に通信教育で、大学に学び教員の資格を取り
教師として採用され、定年後も2年ほど嘱託として勤務し
今は、自然を相手に山を駆け巡ったり、素人農業をやったり
風呂を潅木で沸かしたり、生活そのものを自然との対話の
中で満喫している、長男は彼に似て頭が良く大学ドクターコース
をでて、多分今はアメリカ在住かな?
娘をお寺に嫁がせ、今は夫婦だけの悠々自適を、満喫してる。
教師時代の彼は、生徒にもその父兄にも評判が良く
多分校内にも敵はいなかったように思える。
4人で合うときは、いつも彼が事務局か、幹事であり
豪快な面とは別に、いつも細部にわたり計画をたて
落ち度を見せない仕事振りである。
しかしそんな彼にも、弱点があるそれは酔うほどに、若返り
最後は子供のような素直さをみせる。
そこがまた人間らしくて良い。
私にとってこれら3人の、半生を見ているとそれぞれが
それぞれの道の中で、毎日を精一杯生きてきている。本人にしか
解らない挫折感と、苦しみがあったと思うが、いつも前を向いて
歩き続けている。
老兵の半生(生涯の友9)につづく

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