老兵の半生(生涯の友7)

しかしながら、この事が私の心に大きな変化を与え
今設計から施工までの一貫工程で、製作した設備を大手自動車
企業に収める事の出来る、社内組織を構築できたのと
彼色摩の「会社に遊びにきてよ」の一言が今も耳から離れません
彼がその後、突然会社を辞めることにしたと、電話してきたので
私が納めた機械が旨くなかったので、責任取ったのかなと
思い、自宅に駆けつけて見ると、俺もトップをやって見たいので
業績不振のタクシー会社を引け請け、社長として再建する
というのです。「やめとけ、工場関係なら今までの総務経験を
生かすことも出来るが、サービス業は違うだから」と
止めたのですが、
「もう退職金も全部其の会社に注ぎ込んだから」
といってましたので、「頑張るしかないな」といって
帰るしかありませんでした。その後数年合うこともなく
過ごしていたのですが、ある日突然自宅に現れ「これ俺が採集した
ミツバチの蜜だ、食べて見てくれ」ともってきたのです。
2年ほどで、タクシー会社を手放し静岡あたりのミツバチ業者に
単身弟子入りして、ミツバチ業者として自立したと言うのです。
「ミツバチは可愛い、いくら指されても、ミツバチと自然の花と
季節ごとに、地域を移動できることが今はとても楽しい」
真に朗らかに話していました。今も全国を駆け巡って
定年の無い人生を謳歌しています。
子供たちもそれぞれ独立し、新婚当時と同じ様な夫婦二人の生活を
満喫しているようで、これまた楽しい老後を送っている。

老兵の半生(生涯の友8)につづく

この記事へのコメントはこちら

以下のフォームよりコメントを投稿下さい。
※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。