老兵の半生(生涯の友6)

さて次に登場するのが、色摩である
彼は、卒業後も何年か同じ会社で勤務をつづけ結婚し
子供ももうけ、40代の中盤頃だったと思いますが、
突然電話してきて、「今度子会社の総務部長を引け受ける
事になったので、遊びに会社にきてみてよ」
「たいしたもんだな、其のうち時間作っていくよ」
私にとってこの時の彼の会社を、訪問したことが
私の会社の方向を、大きく変えることになろうとは
其のときは思いもよりませんでした。
彼の勤務する会社は、本社が1000名程の大手電気メーカーの
系列会社で、彼の勤務先は3社ほどある子会社の一つで
社員100名程の会社であり、女子社員が多いアッセンブリ工場
でした。
行くと社長を紹介すると言われ、社長室に通されました。
挨拶もそこそこに、社長は突然自動機を作ってくれと言い
「色摩部長が、推薦する会社だから間違いないと思う」
「予算は1000万の範囲で、やってくれ」と突然のはなしでした
私はうろたえましたね。自動機設計なんて実績がないし、図面が
在れば、どんなものでも作れるのに設計から制御、デバックまで
一貫した機械はやったことはない。
しかし彼の面子もあり、断ることも出来ず検討して見ます
と答えて、帰ってきたのでした。
半年ほど掛かって、様々の他社の応援をえて作り上げ治めたのですが
あまり出気がよくない機械で、今でも心に引っかかる
最初の自動機の出荷でした。
老兵の半生(生涯の友7)につづく

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