老兵の半生(生涯の友4)

入学して2年目ごろまでは、まだ女子高の生徒も在学しており
学校も新築なっておりませんでしたから、校舎全体の中に
女子高の全日制、定時性、工業の全日制、定時制と
4つの生徒会が校舎を共有しており、生徒会や運動会等も
合同で行なわれており、とてもユニークな学校生活だったような
気がしてました。特に工業は100パーセント近く男子だけであり
女子高は、定時制を除いては100パーセント女子だけの生徒で
在ったから、そこに何らかの接点が生まれても不思議では
在りませんでした。
松井は生徒会の役員もしておりましたから、女子高の生徒会
役員との交流もあったようです。
ある日登校して、私の下駄箱を開けると四角い封筒が入って
おりまして宛名が、松井様となっておりました。私と松井の
下駄箱が隣り合わせで、合ったため多分間違えたものと、思われ
ます。
その後二人の、文通は卒業時まで続いたようです。
下駄箱通信は、前の夜かいて相手の下駄箱に入れておけば
次の朝彼女が読んで、下校時彼の下駄箱に入れて置けば
其の夜彼が読む。切手もいらず特急便で、相手に届く
結構何組かは、下駄箱をポスト代わりにして、青春のひと時を
謳歌していたようです。
我々にとって貧しさの中でも、現代にない人と人との絆や
交流は、知恵を絞っておこなっていて、精神的な豊かさは
現代の若者には、負けない中身の濃さだったような気がします。

老兵の半生(生涯の友5)につづく

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