老兵の半生(生涯の友2)

1964年の12月中旬いつものメンバー色摩、樋口、松井
私といつものメンバー。
当時ある高校夜間部の4年生であった、我々は
時折終末に学校帰り、色麻の間借り先の部屋で
色摩が実家で密造したぶどう酒を飲みながらの
ひと時であった。
「松井お前あんまり難しい質問するなよな、先生
目白黒させて、答えに窮してたではないか」
「疑問に思うこと質問しただけだよ」
「いくら物理の先生だって、宇宙の果てが
どうなっているかなんて解らんよ」
「あの先生正直だよね、最後に勉強してくると
言ったよな」と樋口が言う
「松井は変なところで、頭がいいのか
変わっているのか解らん」色摩が言い放す
等々今日の授業での話で盛り上がる。
「じゃそろそろお開きにして帰ろうか」
暖めほろ酔い気分の、松井の言葉に促され
色摩の布団をヘアードライヤーで、みんなで暖め
「色摩あったまったぞ、早く布団に入れ」
豆炭あんかを、厳禁の条件での間借り生活には
アルコールで、体を温め、ドライヤーの風で布団を
暖めすぐ寝ることが、色摩に取っての暖の
取り方だったのです。
老兵の半生(生涯の友3)につづく

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