祇園精舎の鐘

先日古い友人が経営する工場が自己破産したと、新聞紙上で
知る。創業者でもある彼が、どうしてと愕然とする。
創業四十数年を得て、今此処での終焉である。人柄も良く
技術に優れ、いち早くITを導入しての最新の製造システムを確立
してたのになぜと惜しまれる。

平家物語の冒頭に書かれている前ぶりに
祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ
偏に風の前の塵に同じ。とある

世の習いとはいえ、人の生き方も、会社の存続も有限であり
祇園精舎の鐘の響きと共に、歴史は刻まれていくのだろうが
それにしても、我々年代ともなると身につまされる。

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