ある孤老の死

この町に根を下ろして40年、子供たちを育て上げ独立させ
夫婦二人の生活を、楽しんでいた矢先、妻に先立たれる。
彼にとって一人での生活の中どんなに、寂しかったことか。
50代までの彼は、仕事も活発で、人に好かれ行動的で
あった。たった一人で突然の逝去。67歳の初秋である。
まだまだ惜しい人生の終末である。今地域の中で高齢者のみの
戸数が急激に、増えてきているといわれている。
もちろん一人暮らしの孤老も増えている。子供がいないわけでは
ない。結婚と同時に、子供たちは親と同居することを
嫌がる。また高学歴化が進み、都会に流失する子供たちが増加し
一生懸命子育てに尽くした親たちが、取り残されていく。
どこか違ってきた家族関係、家族とはいったい何なのだろう
と、考えてしまう。高齢化した夫婦の場合どちらか一方が
かければ、残った方は生きることに対する意欲が、急激に萎える
のが普通であるといわれている。特に男は其の傾向が大きい
そんな時同居家族がいれば、その意欲を継続させる支えになる
高齢者は寂しさの中では脆い、そんな状態はいずれ誰にでも
訪れる。時には家族のあり方、人の生き方など考えて
見るのも必要と思う。

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