HOME > 創業者の記憶 ~吉田功~

晩秋の候



道路脇の田んぼも、すっかり稲刈りが終了し
朝晩の冷え込みが、徐々に強く感じられる。
時には暖を取りたい朝夕を向かえ、天候によって
休日の心が、左右される。
ただぼけっと部屋ですごすか、秋の装いを
満喫するために郊外に出かけるか、天気しだいである
時間をもてあますひと時も、又寂しいものである。

長井工業高校創立47年周年 記念講演会



10月15日長井工業講堂において、長井工業高校
第一回卒業生 "海老名 和明氏"による「文化財輸送」
と言う演題で講演がありました。
国宝や重要文化財を展覧会等に、出展するためには
永く後世に伝えるためにも、その梱包術、輸送には
最大級の技術力と信頼が必要とされる。
氏は今日まで、数々の国宝級仏像や美術品輸送を
手がけると共に後進技術者への指導育成にあたってきて
平成21年4月28日放送の「NHKプロフェッショナル
仕事の流儀」に出演。
講演を聴いて、世の中には様々な仕事があって
それぞれ其の中で、頂点に立つと言う事は
少しばかりの努力や、運ではなしえることが出来ない
その仕事をやっていることを好きであり、喜びを感じ
常に勉強と工夫を長年重ねて、はじめて到達できる
ことであると、彼は話していました。

老兵の半生(生涯の友10)

今若者たちにとっては今までの温室的な環境とは、180度違った
近年にない厳しい環境に見舞われていると感じていると思う
求人率の低下で、新卒者にとって社会に出る前から、難題が
待ち受けている。しかし長い人生の中のほんの短い環境で
あると思います。私達年代は何回かこの様な環境を過去に
経験してきたが、いつも夢がエネルギーとなって人生を
歩んで来た気がする。
よく明日は頑張ろうとか、明日があるさと言う言葉があるが
明日は現実的には、存在しない明日になれば今日であるから
明日と言う言葉は、夢であり希望と言う言葉の同意語とも
受け取れる。夢がすぐ実現するものであればそれは、
夢とは言わない。夢は遠くにおいて日々の生き方の積み重ねで
知らず知らずの内に、達成されていき其のときには新しい
夢が形を変えて、現れてくる。
すなわち人生の夢は、永遠に消えることなく続く、だから夢なので
あると思います。
夢はいつも我々に、生きる力を与えながら年代年代毎に
変化しながら、一生続くのである。
若者にはもっと自分の夢を語る機会を持ってもらいたい。
自分の能力の無限性を信じて、夢を持ち続け今日と言う日を
精一杯努力してもらいたいものだ。
還暦を通過した年代になってはじめて気づく事かもしれませんが
今若者たちに必要なものは、生涯の友となるべき友人を
見付けることと、自分自身の夢を持ち続けることである。
人生は長い今から、小さく固まるべきではない。

老兵の半生(生涯の友9)

彼ら3人の友人とは、もう47年ほどの付き合いとなっているが
今は何年に一度くらいしか、顔をあわせることも無いが
それでも、合うとすぐ昨日合ったような雰囲気で、話し始める
友人とは不思議なものである。
長い人生のなかでは、真の友達は大変大事なものであり
それらとの係りの中で、自分をさらけ出すことが出来る
又頑張ることが出来る、真自分にとって彼らは心の触媒のような
存在であり、それによって又次のステップに進むことが
可能になる気がしてくる。
最近様々な場所で、学生も含めて19歳~二十代の若者と接する
機会が多いが、我々の其の時代とはどこか違う気がしてならない
時代が違うと、いわれればそうですが満たされた、物のあふれる
現代のなかで、親も子も夢を追うことに消極的に、
なっている様な気がしてならないし、又夢も並列的なものが多く
いわば金太郎飴的な感じがしてならない。
それに其の夢の実現に、実にせっかちであり短い期間で
達成しようと急ぎ、成就できないとすぐ諦め心が折れる。
思うようにいかないと、親や他に原因があると錯覚し
嫉妬間の中で反社会的行動に走ったり、抜け殻的毎日を送ったり
の生活に疑問を感じない人生に、甘んじる若者が
増えてきているのは、確実な気がしている。
あえて、友人たちの半生をかいつまんで書いたのは
夢にもそれぞれ無限的量の夢があって、一人一人その人だけの
夢や人生があるということを、知ってもらいたいからでした。
老兵の半生(生涯の友10)につづく

老兵の半生(生涯の友8)

さてしんがりが、樋口である4人の仲では一番の"いけめん"
であり、酒豪であり毛深く、とても登山が好きな山男である。
そのくせ一番堅実で、危なげない人生を送っている男で
努力家である。
高校卒業と同時に、母校の実習助手として採用される。
いわゆる県の職員である。
勤務中に通信教育で、大学に学び教員の資格を取り
教師として採用され、定年後も2年ほど嘱託として勤務し
今は、自然を相手に山を駆け巡ったり、素人農業をやったり
風呂を潅木で沸かしたり、生活そのものを自然との対話の
中で満喫している、長男は彼に似て頭が良く大学ドクターコース
をでて、多分今はアメリカ在住かな?
娘をお寺に嫁がせ、今は夫婦だけの悠々自適を、満喫してる。
教師時代の彼は、生徒にもその父兄にも評判が良く
多分校内にも敵はいなかったように思える。
4人で合うときは、いつも彼が事務局か、幹事であり
豪快な面とは別に、いつも細部にわたり計画をたて
落ち度を見せない仕事振りである。
しかしそんな彼にも、弱点があるそれは酔うほどに、若返り
最後は子供のような素直さをみせる。
そこがまた人間らしくて良い。
私にとってこれら3人の、半生を見ているとそれぞれが
それぞれの道の中で、毎日を精一杯生きてきている。本人にしか
解らない挫折感と、苦しみがあったと思うが、いつも前を向いて
歩き続けている。
老兵の半生(生涯の友9)につづく