「じいちゃんお久しぶり」二日ばかり顔を合わせないと
そういってハグしてくる。
新しい母親が、我が家に来てから丸二ヶ月あまり、孫にとって
五年間の母親無しの空白を生めるように、もう四六時中
べったりである。又嫁もよく孫と友達のように接して
愛情を注いでいる。なかなかいい嫁が来てくれて私も安心
して毎日を送っている。ただ最近一緒に風呂に入る機会が
なくなってきている。もう直ぐ三年生を迎える時期を向かえ
随分と大人びた言葉を発するようになってきた。私に対しても
"ため口"で話す。妻も私も女の子を育てた経験がないから
新しい嫁にバトンタッチするまでの、五年間試行錯誤だったのは
確かである。今バトンタッチして気の抜けた感じがしているのも
確かである。

昨日同業者の会合があり、会議終了後に
一杯と言うことで、スナックに四人ほどで、出かける。
其の店に見かけないアルバイトの子が、忙しく水割りや
ハイボールを、客の求めにおおじて運んでいた。
「ママ新入りかい」と聞くと常駐の店の子が休日なので
急遽アルバイトをお願いして、急場をしのいでいるのだという
店の中は予約客を含めて、大分込み合っていた。
今昼間仕事を持ちながら、週一か二で夜の飲食業でアルバイト
をしている女の子が急増しているらしい。ここ長井市にも
周辺の地域から、大分来ているらしい。
景況の悪化と共に、しわ寄せが若い人たちに来ていることは
確かであり、高校や短大の卒業期を目前にして就職内定が
まだ決まらない子供たちが、近年にないほど多いという。
たとえ現役で働いている若い人達も、年収の減収が甚だしく
デフレスパイラルの現状においても、携帯やガソリン代を
維持するには、大変でアルバイトを選択していると言う。
そんな話を聞くと、ふと自分の所の社員もそんな思いで
毎日を過ごしているのかなと、考えてしまう。
酔いもさめ、帰宅を急ぐ夜であった。

あってすぐの挨拶が、「雪多いですね、帰り大丈夫かな」
今日の降雪はすごい、風がないから車もどうにか走れるが
これが少しでも、風雪になると会社の前の道路はもう"アウト"
そんな状態のこの地区。市街地より三割は降雪や積雪が多い
同じ長井市なのにと、少し恨めしい。

軒下に連なる、つららの色が昨日までの透明で冷たい色から
今日は一転して乳白色の柔らかそうな色に変わり、其の先端から
解けてぽたぽたと雫が流れ落ちている。気温も久しぶりに
大寒中とは思えない暖かさである。豪雪の中の束の間の
オアシスであろうか。

毎週月曜日は、全体朝礼の日となっております。
ここ三週ほど、全員除雪作業のため全体朝礼が
出来なかったが、久しぶりの今日の朝礼であります。
担当社員の一分間スピーチで、始まり締めは私の情況放談
で、朝礼は終わる。話しながら社員一人一人の顔を眺める
体調はどうか、悩んでいる事はないか、人間心のさまが
どこか顔に表われるから、不思議です。何気なく言葉を
かけながら社員のケアをするのも、トップの大切な仕事です