HOME > 創業者の記憶 ~吉田功~

白猫どうしてるのかなぁー



晩夏の頃まで、毎日のように自宅の庭に遊びにきてた白猫
飼い主も知らないが、きれいな毛並み私の部屋の窓をじっと
見つめていた。

私はどちらかと云うと犬派で、若い頃は芝犬やミニダックを
飼っていたが、寿命のため三度もその死に目に立会い、抱きしめて
送った経験があるため、その後は二度と生き物は飼わないと
心に決めていたので、この猫ちゃんの訪問は心を癒してくれていた。
秋の訪れと共に、すっかり姿を見せなくなった。

親父具合悪いのかな

たまたま先日、昼飯を取りに一人で食べに行った折その店で偶然
行きつけのスナックのママに出会う。
「会長からだの具合でも悪かったの?」最近顔見えないので
店の女の子も、常連の若い人たちも「親父いよいよ動けなくなったのか」
と噂しているよと、言われた。

「気にかけてくれてありがとう」と言葉を返したが、そういえば
地元の夜は最近出歩いていない。野球のクライマックスや日本シリーズ
研修旅行や、新しい顧客発掘など会社関係のサポートやらで
会長といえど、心は忙しく飲みに行く気がとうざかっていた。

体はまだまだ元気であるが、気持ちが向くか向かないかで、行動する
方向が大きく変化してくるのは、人の常であると思える。
私もようやく枯れ始めたのかなとは、思いたくないが時間の使い方が
少し変化してきたのは、否めない。

さすが基幹産業

トヨタ自動車が1兆500億今期の利益上方修正と、報道あり
沈み行く景況の中で、明るいニュースである。

さすが日本の基幹産業の車作りである。「軽薄短小」の"ものづくり"が
軒並み不振の現況の日本。「重厚長大」の部門が一人頑張っている
この部門は、基礎的技術の長い積み重ねがあってこそできる"ものづくり"
であり、軽々しく家電のようにお隣の国が、追いつける技術では
ない。

突然のように新設大学許認可問題が浮上し、報道をにぎわしているが
現況高校卒業生の半分は、大学に進学しているという。
世の中二人に一人は、大卒者の時代。然るに文系にくらべ理工系の
大学数の割合は、非常に少ないように思える。高校にいたっては
普通高校と実業高校との生徒募集数が、約七対三の割合で推移している
様であり、"ものづくり"産業を基幹とする日本経済をみるとき
教育と産業の乖離を思い、大きな疑問を感じている。

産業短期大の生徒実習

11月5日より一週間弊社での、体験実習を引き受ける。
機械制御、ソフト関連の勉強をやっているといいます。

2年間の在学の中で、どれだけの知識を学んでくるかは分からないが
現社員の中にも、2名ほど同校卒業生が在籍しているが、いずれも
優秀な実績を残しており、顧客各位にも設計の指名が来るほどで
あり、彼も原石としては磨けば必ずや光るものと思われる。

装置産業にとっては、マシン設計は根幹になるが、制御設計が
その装置の良し悪しを決定するほどの、奥の深い分野でもある。
海外出張においても、主力は制御部門になるのが普通である。

若いうちにグローバルな世界を経験することが、次世代の世界の
中での、日本の技術力を発揮できる基礎となるものと信じる。
若者には目的を持って、自分自ら自分の能力を高めることに
時間を使ってほしい。

目一杯の営業行脚

専務を先頭に常務、社長の三役陣の打ち合わせ出張がかなり頻繁に
行われている。県内県外と週一位のペースで出かけている。

新規の顧客の割合が多くなっているが、その分遠方に出かける度合いが
高まってはいるが、景況の悪化時には次の仕込みを足で稼ぐ
事をためらってはいけないと、活を入れつつ鼓舞している。

「動かぬこと山の如し」的感覚は捨て攻めの戦略で、営業方針を
確立、フットワークを軽くし自社の技術をより多くの顧客に理解して
いただく。従来の不況の嵐をじっと身を縮めてやり過ごす方法は
この変化の早い時代には、そぐわない。

フリーな感覚の中に、新しいチャンスをつかめると思い、
今日も、社長、専務が出かけている。