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【2014/04/30 山形新聞】【駅伝】この強さ、もう別次元 南陽・東置賜が完全V

 第59回県縦断駅伝競走大会(山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会など主催)最終日は29日、長井―山形間の8区間、80.3キロでレースを行い、トップでゴールテープを切った南陽・東置賜が総合3連覇を果たした。

 南陽・東置賜は第1日、第2日を制し、総合2位の天童・東村山に17分38秒の大差をつけて最終日をスタート。先頭を譲ることなくゴールまでたすきをつなぎ、前回、北村山がマークした最終日の大会記録を34秒縮める4時間13分35秒で完全優勝を飾った。

 総合成績は、酒田・飽海が2位、山形が3位に入った。4位以下は天童・東村山、北村山、鶴岡・田川、新庄・最上、寒河江・西村山、米沢、上山、長井・西置賜の順となった。

 第1日と第2日を制した南陽・東置賜。しかし最終日の勝利こそ、チームが今大会で最も欲しかったものだ。最終区で逆転され、完全優勝を逃した前回の雪辱を果たそうと「最終日を中心にオーダーを組んだ」(鈴木輝生監督)。序盤に配したエースランナー2人の貯金を悠々と守り、完全王者の座をたぐり寄せた。

 スタート21区を担ったのは神奈川大時代に箱根駅伝を経験し、昨春加入した鈴木駿(南陽市役所)。「(逆転された前回は)一つ前の区間でリードを広げられなかった自分の責任」。職場や地域の支えに応えようと、県縦断駅伝を見据えて「本当に熱心に」(鈴木監督)練習し、大学までの財産に上積みをしてきた。

 「うちは自分の後ろにすごい選手がいる。怖いものはない」。スタートからハイペースで引っ張った。さらに後方を確認しながら2、3回スパートし、ライバルをふるい落とす。2位に14秒差のトップで中継所に飛び込んだ。

 待っていたのはケニア出身のオンサリゴ・ジョセフ(同)。初出場で「不安があった」としながらも、体の軸がぶれないフォームで弾むように加速した。最初の1キロは2分40秒程度の驚異的なペース。2キロ以降も一度は抑えたが、尻上がりにスピードを上げた。22区を終え、2位ははるか後方の3分39秒差。23〜25区の中高生、26〜28区の南陽市役所勢は余裕を持って一人旅を続けた。

 2位との総合タイム差は22分13秒で、昨年より15分以上広げた。その原動力は南陽市役所勢。大谷克、鈴木、オンサリゴといった主力に加え、新加入の遠藤正人らが距離の長い区間で力を発揮し、短い「つなぎ区間」も有力選手が固めた。故障や体調不良で不在だった渡辺清紘や内山富夫の穴は選手層の厚さでカバーし、他チームとは次元の違いすら感じさせる南陽・東置賜。その牙城は当分の間、揺らぎそうもない。

みんなの思いが融合した
 南陽・東置賜 鈴木輝生監督 昨年は総合2連覇を達成したうれしさと完全優勝を逃した悔しさが半々だった。一人一人が向上心を持って取り組み、今回は3日間とも優勝できた。選手やスタッフ、応援してくれる地域住民みんなの思いが融合したと思う。来年もチャレンジ精神で臨む。



南陽・東置賜の鈴木駿(左、南陽市役所)が22区のオンサリゴ・ジョセフ(南陽市役所)にトップでたすきをつなぐ=川西中継所

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