上手な住宅ローンの選び方シリーズ(3)
増える住宅ローン破綻!
住宅ローン破綻が増えています。その理由は大きく5つあります。
1.「ボーナス払い併用」のリスク
ボーナスを大幅に減額されたり支給されなくても、ボーナス月にはローンを支払わねばなりません。
ボーナスを当てにした返済計画を立てていると、会社の業績が悪化した際には、支払いの負担が重くのしかかることになります。
2.「終身雇用制度の崩壊」で収入変動のリスク
経済成長が鈍化し、企業の業績が停滞する中で「終身雇用制度」の維持は企業にとって非常に厳しくなっています。
人員コストの削減で、成果報酬比率のアップ、役職定年、昇給の頭打ち、早期退職や希望退職、子会社への出向など所得の変動リスクが増大しているのです。
3.「家賃と同じ支払い」のリスク
よく「家賃と同じ支払いで家が買える」という文句が記載されています。例えば8.5万円の家賃を支払っているのなら、3000万円を返済期間35年・金利1%で借りれば、ほぼ同額のローン返済額になります。
一見、正しそうに見えますが、リスクという面では大きな違いがあります。
まず、完済するまでは土地も建物も自分のものではありません。
固定資産税や都市計画税、メンテナンス費用も発生します。
4.「離婚」がローン返済を直撃する
35~55歳の住宅ローン世代の離婚率が上昇しています。
住宅を売却しようにも残債が多い状態では、売却代金がローン返済に消えてしまい何も残りません。
慰謝料や養育費などの負担に加え、お互いの住まいを確保し、生活していくためのお金も必要です。
ギリギリだった住宅ローンの支払いができなくなり、破綻にいたるケースが後を絶たないのです。
5.「増える介護」が住宅ローンの支払いを圧迫する
近年増加しているのが介護を理由とする住宅ローン破綻です。
重度の認知症などの場合には、仕事をしながらの介護が難しく、仕事を辞めざるを得ないというケースが急増しています。
また、一度職を離れると復職が難しいという問題もあります。
介護中は親の年金収入があるためどうにか生活費を賄うこともできますが、親が亡くなると、多くの人は再就職もできず無収入になってしまいます。