りんごちゃんのポスターに気を取られて、写真を撮ることも忘れているうちに白兎駅、蚕桑駅を過ぎてしまった。ここからは長井線の中でも、私が特に好きな景色が展開する区間です。長井線30.5キロは、高低差が少なくしかも田園風景が続く路線になります。そんな中で蚕桑~鮎貝間(3.3キロ)では、勾配12.5パーミル(1000m走って12.5m下がる傾斜。)の区間が1.3キロも続きます。しかもその間は、西山山麓を水源とする中小の河川が幾筋も深い谷を刻み、線路沿いの台地(「舌状台地」と呼ぶ人もいる。)には樹木がうっそうと茂っています。
フラワー号はまさに小さなジェットコースターのように、大鮎貝川などによって形成された台地の頂上から、最上川が造った氾濫湿原の底に真っ逆さまに落ちていきます。興奮が冷めやらぬうちに、「次は鮎貝、鮎貝」との車内アナウンスが流れます。ブラタモリ風に「やっぱり高低差と崖は最高!」などと思いながらも、大正8年に出された荒砥までの長井線延長の請願書を思い出した。「鮎貝村付近は洪水地域と認めあるをもって、線路には不適当なるのみならず停車場設置は到底不可能なり」と。
【おらだの会】
・写真は、下りと上りの際の写真です。
・大正8年の請願書は「おらだの会2 長井線ヒストリア・軽鉄人物伝」
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