それいけ!おきたま探検隊

ご近所の方々が小さい頃は、よく幹のコブによじ登って遊んだという桜の木。大枝を遠く伸ばし樹冠が辺りをおおった往時の姿はないものの、隆々とした樹肌のこぶが、よじれながら起伏する幹周り8mのエドヒガン桜の巨木は、見る人を圧倒する貫禄がある。
・・・征夷の戦いに人の世の哀れを感じていた征夷大将軍・坂上田村麻呂は、夜な夜な笛を吹き続けていた。その笛の音に引き寄せられた美しい娘が、やがて将軍の子を宿すこととなるが、その娘は、実は近くの沼に住む大蛇。満月の夜、大蛇は黄金の太刀を生むが、将軍は誤ってその黄金の太刀で大蛇を切り殺してしまう。その娘を哀れみ、将軍が手植えしたのがこの薬師桜である・・・
悲恋の伝説が残る薬師桜は、地域の方々に温かく見守られ、1200年(※)もたつ今もなお、毎年可憐な花を咲かせています。
※1200年というのはあくまで推定の樹齢ですが、幹周りの太さなどから公表しているものです。(県指定天然記念物)