第20番「西山 善峯寺(よしみねでら) 千手観世音菩薩」
野をもすぎ 山路にむかふ 雨の空 善峯よりも 晴るる夕立
桧や杉の木立の中、上り坂を歩まれるころに急に曇って沛然※とした夕立になり、やっと観音堂に着かれ、夕立も晴れて、身も心もすがすがしい清浄の域に達せられたご様子と存じます。
このように、旅には雨もあり晴もあり、人生も然りであります。前向きに「日々これ好日」、観音様と共に、観音様がお護りくださるのです。
※はいぜん 雨が強く降るさま
引用:善峯寺副住職 掃部光暢「西国巡礼慈悲の道」より
第20番の観音様が鎮座する硯(すずり)石の洞穴から水が流れています。
伝説によると、
慈覚大師円仁が霊場を求め岩部山を踏査した時、洞の奥に清水が湧き出ているのを見て、矢立の墨壺に入れたことから硯石と呼ばれるようになりました。
(円仁はその後、山寺(立石寺)を創建しました。)
この故事から、この水を持ち帰り硯水として使うと、習字が上達すると云われています。
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