時刻は正午過ぎ、7月上旬のジリジリと照りつける太陽…まして東北大震災の年は暑い夏だった、と後で社長もしみじみ言ってたけど、扉の内から外へ、日陰から日向へ這い出た瞬間にオイラは三途の川の渡し守に袖を、もとい、前足の肉球を引かれてたんだと思う。
「アララララ~」頭の上で素っ頓狂な声が、ハモって聞こえたかと思いきやオイラの体は何かにつかまれて急上昇。ここが ♪酒はうまいしネーチャンは綺麗な♪ 天国かとうっとりしてたら、 覗き込む4つのメンタマ…。「あら、かわいい~!」と高い声、「赤ぴっぴなのに元気いいこと、もう少し遅かったら干物かカラスの餌だったな。」と耳をくすぐる重低音。これが社長改め養父と養母、またの名をボスと召使いとの出会いだった。
商売柄ペットを飼うのは御法度と、小さい頃から言われてきたボスはかなり迷ったようだけど、育てる決心をしてくれた。まあ、数日前に倒れて入院中のおじいちゃんとオイラがダブり、丈夫に育てばおじいちゃんもきっと元気になるッて家族には言ってたみたいだけど、何のことはない、オイラの愛らしさに負けたのさ(#^.^#)
続く(かもしれない)
この記事へのコメントはこちら