ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
我が家の玉子はあっさり系
初めて我が家の玉子を食べてみた方から、たくさんの感想が寄せられた。ことの始めはTBSラジオの久米宏さんの番組に出たこと。その後、玉子の注文があいつぎ、てんやわんやの毎日だったが、おかげでたくさんの方々と知り合えたばかりでなく、玉子への貴重な評価をいただいた。
そのほとんどは
①あっさりしている。
②あぶらっぽくない。
③生臭さがない。
④黄身が淡い黄色
なるほど・・・ね。これが自然に近づけて飼うニワトリ達が産んだ玉子の特徴なんだね。他人事のようだけど。
僕はゲージ飼いの玉子はほとんど食べない。スーパーから買い求めてくることもない。旅先の旅館などでは残してしまう。なんというか・・気持ち悪くて・・・な。だからゲージ飼いの卵の味は分からない。もちろん我が家では生玉子かけごはんは毎日のように食べている。味の変化には敏感だ。でも、k工業養鶏の卵と比べてどうなのかというのはわからない。本当はそれも嫌がらずに食べてみる必要があるんだろうなぁ。この辺が何十年と自然養鶏に取り組んでいても、なかなか素人ヌケできないところなんだべな。
先日、小田原で自然養鶏に取り組む達人の養鶏場を見学し、久しく意見交流する機会があった。ニワトリが好きで子どものころから親しみ、やがて高校教師をやめてニワトリ飼いをはじめたほどの方だ。笹村出さん。「醗酵利用の自然養鶏」(農文協)という本も出している。飼い方の基本は我が家と同じだがずいぶん勉強になった。その笹村さんが雑談で、
「最近のゲージ飼いの卵はこってりとした、油っぽく、クリーミーな味が主流だよ。」といった。
食べていたんですねぇ。さすがだよ。
その味は「魚粉」をエサのなかにたくさん入れればできるという。
「魚粉」の多投は産卵をあげ、業者の利益にも貢献するだろう。だが他方で動物性タンパを過剰に与えればニワトリの身体に無理をかける。健康を損ね、寿命を短くする。人間の場合の肉食偏重と共通するところがある。同じだね。ニワトリ達を追い詰めて、いいたまごができるわけがないのに・・。
で、そのいい玉子というのはどんな玉子なのだろうか。
「生命力の強い玉子がいい玉子の基準になるだろう。」
笹村さんは明快だった。
「卵が産まれてからいつまで孵化(ヒヨコにかえること)できるかの実験をしてみました。『こってり系』はほぼ2週間で孵(かえ)らなくなるのに対して、草や野菜をふんだんに食べさせた『あっさり系』は60日を過ぎてもヒヨコに孵(かえ)ることができたんです。」
説得力がありますねぇ。実験で確かめた結果なのですよ。さすが達人。
我が家の玉子は、できるだけ自然に近づけてニワトリたちを飼い、草や野菜などの緑餌をたくさんあげ、放し飼いで充分運動させる。こんな飼い方からうまれた。実験の結果を受けて到達した飼い方ではないけれど、なんか、自信がもてたね。飼い方に確信ができたよ。
TBSラジオのから始まった反響で我が家の玉子が「あっさり系」であることを知り、達人の実験結果を通してそのもつ生命力を知った。ひとしきりまわりをまわって帰ってきて始めて己を知る、己に気づく・・・いつまでも未熟ですなぁ。
黄身の色はトーモロコシと緑餌からで、いま主流の色素ではない。このことはブログのバックナンバーにすでに書いてある。
「こってり系」にしても、色素の入ったみかん色の黄身にしても、いびつな飼い方でニワトリ達に無理をかけてつくりだしたものだ。そんな卵は身体にいいわけはない。
んー、やっぱり、食いたくはないなぁ。いいよ。いつまでも未熟でも。
写真はオンドリを中心にして遊ぶニワトリ達。
2008.02.22:
kakinotane
:[
メモ
/
「ぼくのニワトリは空を飛ぶ~養鶏版~」
]
こんばんは
あっさりしている、あぶらっこくない、生臭くない。私の好きなタイプです。玉子も人間も(ことに男性)同じ。写真のオンドリ、貫禄ありますねぇ。こちらもタイプ!
2008.02.22:コケコッコ:
修正
/
削除
エーッ
おっもしろーい!
2008.02.23:菅野芳秀:
修正
/
削除
私もあっさり系が好きですが・・・。
お久しぶりです。
こちらシカゴでは、日系スーパーで地鶏の卵と言うのが売られているのですが、黄身の色がオレンジ色に近く、味が濃すぎて、生臭い感じがします。(普通のたまごより、高級品として通っていますが、何が違うのかなあ?)
普通は、ケージフリーとか、オーガニックとうたっている物を買いますが、そちらの方が、あっさりしています。
やっぱり自然がいいですね~。
2008.03.04:シカゴのメンドリ:
修正
/
削除
https://kanno-nouen.jp/
菅野農園のホームページで
お米を販売しています
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そのほとんどは
①あっさりしている。
②あぶらっぽくない。
③生臭さがない。
④黄身が淡い黄色
なるほど・・・ね。これが自然に近づけて飼うニワトリ達が産んだ玉子の特徴なんだね。他人事のようだけど。
僕はゲージ飼いの玉子はほとんど食べない。スーパーから買い求めてくることもない。旅先の旅館などでは残してしまう。なんというか・・気持ち悪くて・・・な。だからゲージ飼いの卵の味は分からない。もちろん我が家では生玉子かけごはんは毎日のように食べている。味の変化には敏感だ。でも、k工業養鶏の卵と比べてどうなのかというのはわからない。本当はそれも嫌がらずに食べてみる必要があるんだろうなぁ。この辺が何十年と自然養鶏に取り組んでいても、なかなか素人ヌケできないところなんだべな。
先日、小田原で自然養鶏に取り組む達人の養鶏場を見学し、久しく意見交流する機会があった。ニワトリが好きで子どものころから親しみ、やがて高校教師をやめてニワトリ飼いをはじめたほどの方だ。笹村出さん。「醗酵利用の自然養鶏」(農文協)という本も出している。飼い方の基本は我が家と同じだがずいぶん勉強になった。その笹村さんが雑談で、
「最近のゲージ飼いの卵はこってりとした、油っぽく、クリーミーな味が主流だよ。」といった。
食べていたんですねぇ。さすがだよ。
その味は「魚粉」をエサのなかにたくさん入れればできるという。
「魚粉」の多投は産卵をあげ、業者の利益にも貢献するだろう。だが他方で動物性タンパを過剰に与えればニワトリの身体に無理をかける。健康を損ね、寿命を短くする。人間の場合の肉食偏重と共通するところがある。同じだね。ニワトリ達を追い詰めて、いいたまごができるわけがないのに・・。
で、そのいい玉子というのはどんな玉子なのだろうか。
「生命力の強い玉子がいい玉子の基準になるだろう。」
笹村さんは明快だった。
「卵が産まれてからいつまで孵化(ヒヨコにかえること)できるかの実験をしてみました。『こってり系』はほぼ2週間で孵(かえ)らなくなるのに対して、草や野菜をふんだんに食べさせた『あっさり系』は60日を過ぎてもヒヨコに孵(かえ)ることができたんです。」
説得力がありますねぇ。実験で確かめた結果なのですよ。さすが達人。
我が家の玉子は、できるだけ自然に近づけてニワトリたちを飼い、草や野菜などの緑餌をたくさんあげ、放し飼いで充分運動させる。こんな飼い方からうまれた。実験の結果を受けて到達した飼い方ではないけれど、なんか、自信がもてたね。飼い方に確信ができたよ。
TBSラジオのから始まった反響で我が家の玉子が「あっさり系」であることを知り、達人の実験結果を通してそのもつ生命力を知った。ひとしきりまわりをまわって帰ってきて始めて己を知る、己に気づく・・・いつまでも未熟ですなぁ。
黄身の色はトーモロコシと緑餌からで、いま主流の色素ではない。このことはブログのバックナンバーにすでに書いてある。
「こってり系」にしても、色素の入ったみかん色の黄身にしても、いびつな飼い方でニワトリ達に無理をかけてつくりだしたものだ。そんな卵は身体にいいわけはない。
んー、やっぱり、食いたくはないなぁ。いいよ。いつまでも未熟でも。
写真はオンドリを中心にして遊ぶニワトリ達。