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外断熱が家族を守る 〇 外壁がずれ落ちる?

  • 外断熱が家族を守る 〇 外壁がずれ落ちる?
お客様から、「外断熱で建てると将来外壁がずり落ちたりしないのですか?」 という質問を受けるケースがあります。

おそらくは、内断熱メーカーの無知で心無い営業マンから聞いた外断熱つぶしのトークの影響を受けての質問だと思いますが、こうした心配は一切必要ないと断言いたします。

弊社が20年にわたり、建てさせていただいた900棟を超える外断熱の建物で、外壁のずれや脱落など一棟もございません。

外断熱工法は、日本に導入されて30年以上も経つ断熱工法です。

確かに、導入当時は、構造材の種類や含水率・断熱材を固定するビスの種類や長さ、打ち込む間隔や何キロまでの荷重がOKかなど、施工ノウハウが構築されてなかった部分も多く、試行錯誤を繰り返し、中には地震で外壁がずれたりといった被害があったのは事実のようです。

しかし、現在では外断熱専用のパネルビスも開発され、各社とも自社の仕様で強度試験も実施しているのが、当たり前でずれ落ちなどの心配は基本的に必要がないほど技術は確立されているのです。

ちなみに弊社では、パネリードという外張り専用の長さ120ミリから150ミリのパネルビスを外壁材の重量にあわせ20cm~30cmの間隔で施工していますが、計算値・実験値共に30%以上の余裕を持たせた強度を確保するように施工しています。

さらに、構造材には経年変化によるくるい・痩せ・割れなどの劣化が非常に少ないLVLという外断熱には最適ともいえる構造材を採用しており、あの東日本大震災においても、津波の被害を受けた建物以外で外壁のずり落ちなどは、一切ございませんでした。

※ 構造材LVLや東日本大震災時の状況につきましては、後ほど詳しくご説明いたします。

しかし、外断熱を木造軸組みの在来工法で建築する場合、外壁の支持力は非常に重要な問題で、パネルビスの計算値や実験値はもちろん、構造材の強度や含水率・経年変化による割れや狂いなどによる引き抜き強度などへの影響などもしっかりと確認しなければなりません。

外断熱や内断熱に限った事ではありませんが、外断熱がブームだからとか、売りやすいからという理由で、外断熱を扱うメーカーの建物には注意が必要です。

※ 外断熱で施工した最低でも10年以上経過した建物を何棟か見学するのが一番だと思います。




外断熱が家族を守る 〇職人さんの健康を考える

  • 外断熱が家族を守る 〇職人さんの健康を考える
私達のような住宅会社は、住む人の健康を第一に考えた家づくりに取り組んでいかなければならないことは、当然なのですが実際に現場で作業をする職人さんの健康にも配慮した家づくりも非常に大事なことです。

外断熱の施工に携わる大工さんや関連業者の職人さんの多くが、外断熱の現場環境の良さに驚き、皆さんが元気に仕事をしている姿を見ると私達も嬉しくなります。

辛い環境で、嫌々作業ををするのと、快適な環境で元気に明るく作業するのでは、出来栄えはもちろん、品質や住み心地に大きな影響を及ぼすのは当たり前の事ではないでしょうか。

外断熱の現場は、平均年令が年々高くなる職人さんにとって、外部の環境が厳しい夏や冬でも体に負担をかけることなく、作業が行えるようになるという目に見えないメリットも生れることになります。

寒さに凍えて、手が縮こまったり、悴むこともなく、うだるような暑さでも室内は実に爽やかで、一番暑くなる小屋裏に、昼寝をしている職人さんもいるほどです。

外で作業する基礎・外壁・屋根屋さんは、外断熱の恩恵はあまり受けないので、申し訳ないのですが、屋内で作業することが多い、大工・内装・電気屋さんなどは、外断熱の現場はまさしく天国で、内断熱の現場ではもう仕事をしたくないといった冗談とも本気ともとれる話が、いつも現場で飛び交っています。

※ 職人さんは、嘘のつくのが苦手で実直な方が多いので、建築中の現場を見学する機会があれば、職人さんの感想を聞いてまわるとその建物の良しあしもわかってくるかと思います。(メーカーの担当がいない時)



そして、もう一つ説明を加えさせていただきたいのですが、内断熱の現場で多用されるグラスウールなどの、施工時によくみられる粉塵被害の軽減も図られることを知っておいていただきたいのです。

グラスウールは、ガラスを微細に粉砕したものが素材となるのは、お分かりかと思いますが、このいわゆるガラスの細かなトゲが、これまで職人さんの健康を損ねるやっかいな存在でした。

現場内に無数に飛び交うガラスのトゲが、皮膚につきささったり、呼吸によって体内に入り込み実に多くの職人さんの体を蝕み、特に高齢の大工さんは呼吸系の病気に苦しんでいる方が非常に多いのです。

昨今の建築現場ではこうした現状を考慮し、施工時には、夏でも長そでシャツを着用し、粉塵マスクを装着するなどの対応を実施している現場も見られますが、まだまだ徹底されていないメーカーも多く、気にする職人さんもあまり多いとは言えないため、未だ改善されていないのが現状です。

外断熱が家族を守る 〇コンセントなどの変更もOK

  • 外断熱が家族を守る 〇コンセントなどの変更もOK
これは、家の性能とはあまり関係ない話ですが紹介させていただきたいと思います。

お客様から、工事中やお引き渡し後に、ご相談いただくケースが一番多いのがコンセントやスイッチなどの位置の変更や増設のお話となります。

弊社の場合、事前の打ち合わせ後に配線図面を作成したうえで、実際の現場でも位置や数など最終確認をさせていただくのですが、配線工事が完了したあとで、位置の変更や数の追加の相談を受けるケースがございます。

また、非常にまれですが、購入した家具を配置してみたら、コンセントが使えないといったご相談を受ける場合も出てくるのです。

こうした場合、基本的に内断熱の場合、気密・断熱工事が完了すれば対処は困難です。

その点、外断熱の場合は壁の中に、障害となる断熱材がないので、内装工事の完了前であれば、対処は可能ですし、完成後でも場所によっては、床下や天井の点検口を利用して、配線工事が出来る様になります。

さらに、将来考えられる増改築や水回り設備の交換や配置換えなどにも、気密・断熱部分の改修を最小限に抑えた対応が可能となるのです。

余談になりますが、スイッチやコンセントの話となったので折角の新居がタコ足配線や延長コードのお世話にならない為のポイントをいくつかお伝えしたいと思います。

○手持ちの家具や購入する家具を設置するレイアウトを事前にしっかり検討する。
(幅・奥行き・高さ・模様替えなども考慮)

○家族全員の手持ちの電化製品・購入する予定の電化製品をリストアップしてどこで使用するかを事前に検討する。(使用する人によっても違うので注意)

○ケータイやデジカメ・その他機器の充電場所を事前に検討する。(小さいお子さんも将来持つようになります。)

○家族全員の朝から夜までの休日も含めた生活パターン(夜のトイレも)をじっくり考えて照明などのスイッチ計画も検討して下さい。

特にキッチン・ダイニング・リビング・寝室・洗面所あたりが一番不都合が生じますので、出来るだけリアルに検討して下さい。

また一人で検討すると失敗する可能性が高いので家族全員で話し合いましょう。

※ 掃除機のコンセントは腰を曲げなくてもいい高さにあると将来のぎっくり腰の危険性が少なくなりますので、あらかじめ決めておくと便利です。また将来、自宅介護が必要となった場合の事もある程度考慮した計画をしていただきたいと思います。

折角、長寿命住宅を建てるわけですので将来の事も考えた計画が大事なことです。

外断熱が家族を守る 〇ごまかしのきかない外断熱

  • 外断熱が家族を守る 〇ごまかしのきかない外断熱
内断熱の場合、壁の中・小屋裏にグラスウールなどの吸水性の高い断熱材を充填し、室内側には防湿フィルムを張って、構造の内側をふさいでしまいます。

こうした住宅で、雨漏りが発生したらどうでしょう。

少し、逆説的な話にはなりますが、気密・断熱の施工レベルが高ければ高いほど、ちょっとやそっとの雨漏りは、発見されることはなくそのまま放置され、気づいた時には甚大な被害につながるのではないでしょうか。

最近の新築住宅で雨漏りなんて、そうないのではと思ってらっしゃる方も多いと思いますが、新築後、わずか2.3年で雨漏り被害にあい、犠牲を強いられているお客様は、驚くほど多いのが建築業界の現実です。






このグラフは、住宅瑕疵担保責任保険を取り扱う、財団法人住宅保証機構の平成25年度における保険事故の発生部位の割合を表したグラフですが、事故発生の実に95.6%が壁や屋根からの雨水侵入による雨漏り事故になっています。こうした事故は住宅保証機構の対応分だけで、年間1,000件以上ありその他の保険法人の取り扱い分や問題化や表面化しない事故を合わせれば、この何倍もの事故が発生していることを認識しなければならないのです。

※ 事故原因が雨漏りよるものなのか、内部結露によるものなのかの判別が難しいケースも多々あるそうです。もし原因が内部結露の場合は、保険金支払いの対象にはならないので、結露対策にも十分注意が必要です。

昨今、デザイナー住宅と称して、軒の出が少ない住宅も多くなってきたこともあり、雨漏りは増加傾向にあり、入念な防水処理が必要なのはもちろんですが、防水にも耐用年数が当然あり、瑕疵担保の保証期間はわずか10年だということも理解しなければなりません。



その点外断熱の場合、構造の外側で気密工事を実施するので、雨水の侵入を構造の外側でしっかりガードする構造となります。

また多くのお客様が吹き抜けや小屋裏・壁の中を有効に活用するケースが多く、これまでは見えなかった部分、隠されていた部分が直接、ご自身の目で確認できる状態となり、万が一雨漏り等が発生しても、たちまち発見することが可能となります。

たとえ、こうした空間を利用しなくても、建物の内側には内装材があるだけで、雨漏りが発生すればすぐ表面にしみなどが表れてくるようになるわけです。

当然、職人さんはより丁寧な仕事をし、施工の管理もより慎重となり、安心・安全な住まいが出来上がるのです。

言うなれば、外断熱の建物はこれまでは見過ごされがちだった、施工不良や手抜き・いい加減な工事などのごまかしのきかない建物と言えるのです。

※ 弊社では、2010年の制度開始以来、これまで590戸分(平成28年3月沫現在)の瑕疵保険に加入登録しておりますが、保険金の対象となる事故は一件たりとも発生しておりません。

外断熱が家族を守る 〇 壁の中まで有効利用

  • 外断熱が家族を守る 〇 壁の中まで有効利用
外断熱では、壁の中に断熱材が入らないので、壁の中の空間の有効利用が図れるようになります。

壁の厚みを利用した、ニッチや飾り棚、キーボックスやプチ収納・スリッパ入れなど、お客様のアイデアを生かして、お洒落なインテリアをお楽しみいただけます。




 



もし、内断熱でこうしたスペースを確保しようとすると、気密はもちろん断熱材が入らないので結露が発生し、大変なことになってしまうので、事実上不可能なのです。

また、断熱材を柱の外側に施工する事で、壁の厚みが生まれ窓台の有効的な活用も可能となり、花や観葉植物・置物などを飾れるようになります。

出窓などの設置は、高気密・高断熱住宅では、敬遠されがちですが、通常の窓を設置しても、奥行きが広がり、室内からみても出窓をつけたような空間の広がりが生まれるというメリットもあるのです。

〇 壁の中にも点検口

外断熱は、壁体内の構造体にも通気層を設けることで、木材が常時空気に内部結露やカビの発生を抑え、湿気に弱い木造住宅の耐久性を飛躍的に向上させることができることとなります。

弊社では、こうした状態をお客様が、住みながらに確認出来るよう、床下や天井裏に加え、壁の中にも点検口を設けています。







※ 壁の点検口はお客様の指定する場所に設置をしておりますが、湿気が一番たまりやすいだろう北側に面した、押し入れやクロゼットの壁部分に設置して欲しいといういじわるなリクエストが一番です。

おそらく、壁の中にまで点検口を設けているハウスメーカーは多分ないと思いますが、住みながらにして、建物内部の結露やカビの有無が確認出来る家となっています。

これこそが、何より安心して住める家と言う事なのではないでしょうか。