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外断熱が家族を守る 〇「ソーラーサーキットの家」誕生秘話

  • 外断熱が家族を守る 〇「ソーラーサーキットの家」誕生秘話
日本の住宅の平均寿命はわずか30年足らずですが、神社・仏閣ならずとも建築後100年以上経過しても現存する木造建築物は数多く存在しています。

長持ちしている建物の共通点を突きつめれば答えはただ一つ!

断熱材がないということです。

断熱材がないということは、もちろん冬は猛烈に寒いのですが、木は乾燥した状態を保つので腐れないという単純な話で、通気性を重視して、「住まいは夏を旨とすべし」という発想で造られた昔の家はけっこう長持ちしたのです。

木は湿気・結露・雨漏れを防ぎその乾燥状態を保てば長持ちするというのは、誰でも分かる常識です。

しかしながら、1970年代のオイルショック以降、アルミサッシや断熱材の普及により、中途半端な断熱化と気密化が一気に進み、同時に私達の生活も快適性を求めて家の中と外の間に大きな温度差をつくってしまう暖房が当たり前になりました。

その結果、目に見えない内部結露が進み、通気性が失われた構造内部の木材の腐朽やさらには蟻害によって、日本の住まいは短命となったのです。

平成21年6月に、政府の200年住宅ビジョンに沿って「長期優良住宅の促進に関する法律」が制定されました。

この法律は、地球環境を守り国民の豊かな生活を実現するために、これから建てる家に、構造躯体等の劣化対策・耐震性・可変性・維持管理・更新の容易性・高齢者等対策・省エネルギー対策・一定以上の住宅規模・及び良好な景観の形成への配慮等を定めています。

住宅に求められている性能は6つですが、最も重要と思われる性能をあげると次の性能となります。

〇耐震性が高い住宅  〇断熱性が高い住宅  〇耐久性が高い(経年変化が少ない)

これら、一つ一つの性能を高める事は簡単に出来るのですが、日々安心して暮らすことができる住宅として、相互に影響しあうこの3つの性能を最適な形で組み合わせ、長持ちさせることは、簡単なようで実に困難な問題なのです。

通常、この難題を解決しようとすると、湿気や結露でも腐らず、シロアリの被害を受けない、薬剤や防腐材に頼る方法が現実的に採用しやすく、長期優良住宅においても構造躯体等の劣化対策として防蟻・防腐薬剤の使用が定められています。

しかし、薬剤や防腐材の効果は何年維持できるのでしょう。住む人の健康への影響はないのでしょうか?

そんな不安や疑問を解消したのが、ソーラーサーキットなのです。

ソーラーサーキットは、薬剤や防腐剤だけに頼ることなく

〇耐震性  〇断熱性  〇耐久性 

という3つの性能を最適に組み合わせ、両立するという難題を外断熱工法に「通気性」という機能を加えることで見事に解決しているのです。

この通気性を構造の中に持たせることで、耐久性に関わる構造躯体の乾燥状態の維持が可能となります。結果、耐震性も長期に保持されます。

一方、寒い冬に通気性を求めれば、、断熱性は著しく低下し、内部結露の危険性も高まります。

つまり、通気性を確保しつつも、季節に応じてその通気性のON・OFFの切り替えが重要になります。

この通気性のON・OFF機能がソーラーサーキットの要となる『家が衣替えする』技術なのです。

このシンプルな独自技術が誕生したのは1988年のことでした。

当時ソーラーサーキットの家を開発した㈱カネカの開発スタッフの面々は前述の長持ちする家造りの難題にも似たもう一つの場面に直面していたのです。

外断熱が家族を守る 〇健康・省エネ住宅を推進する国民会議とは

  • 外断熱が家族を守る 〇健康・省エネ住宅を推進する国民会議とは
弊社では(一社)健康・省エネ住宅を推進する国民会議の企業会員として、住宅の造り手としての立場で参画し、様々な提言や、一般ユーザー・行政・医療機関への周知活動や情報発信に日々努めています。

健康・省エネ住宅を推進する国民会議の設立の趣旨をHPから引用させていただきます。

健康で安全な生活を送ることは、私たち全員に共通する願であることは間違いありません。21世紀に入り、地球環境の保全という日々増大する使命が私たちの生活に加わりました。これによって、健康で安全、かつ、エネルギー消費の少ない生活が非常に重要になってきています。
私たちにとって「住まい」は、日常生活と社会の最も重要な基盤です。70年代、海外から「ウサギ小屋」と称された私たちの住まいは、80年代以降の政策的取り組みにより、世界のトップレベルの住環境に比肩される状況になってきていると言われます。新築戸建て住宅の平均床面積は140㎡、米国の180㎡台には及ばないとはいえ、むしろ狭い国土での健闘を称賛されるべきだと思われます。ところが、住宅の耐震性・防火性とならぶ重要な性能といえる断熱性能については、欧米各国と比べ著しく劣っていることが明らかになっています。

住宅の断熱性が省エネルギー性に大きく関係していることは自明ですが、近年の研究で、私たちの生活における健康性とも関係していそうなことが明らかになりつつあります。これは私たちの国民生活の根底に関与する非常に大きな知見です。

この社会には、冬季屋内の温度差によるヒートショックを原因として健康を害し、介護の必要な状態になる高齢の方々が少なくないことも明らかになってきています。すでに日本は高齢化社会に入ってきており、さらに世界に例を見ない速さで今後も進行していくことは明らかです。これに伴い現在でも、要介護者は400万人を超え、介護費用(保険)も7兆円/年を超えているのが現状です。住宅内のヒートショック事故の原因を放置すれば、介護状態になってしまう"不幸なお年寄り"が激増するだけでなく、これを支えるための現役世代の社会的費用負担も膨大なものになってしまいます。

また、健康性への影響は高齢者のヒートショックだけではないようです。子供から成人まで、咳・のどの痛みといった症状や、様々なアレルギーの発症が断熱化された住宅では減少する可能性が高いことが示されてきています。

住宅を断熱化することで、省エネルギー性を向上するだけでなく、社会全体で健康な人を増やし、予病や予防介護につながる可能性が高くなってきていると言えます。

断熱化の進んだ欧米の住宅では、このようなヒートショック問題はほぼ根絶されています。また、最低室温規定のような、住環境としての質の評価に温度を加える傾向も世界的な流れにあります。

このような状況を背景に、住宅における健康・省エネの問題を一般消費者の目線から解決するために、建築学・医学の専門家や実務者に加えて、消費者団体の参画を得て、情報共有→諸問題の議論、調査・研究→情報発信・提言し、縦割りの行政・政策からは解決しにくい諸問題を、消費者の目線から点検・調査・検証して問題解決の突破口とすることを目標として、「健康・省エネ住宅を推進する国民会議」の設立を企図しました。具体的な活動方針は以下です。


①住宅性能が居住者の健康に及ぼす影響等、住宅と健康に関わる諸問題を一般消費者の目線から点検・検証する。

②建築学と医学がそれぞれの専門分野の枠を越え、住宅性能と居住者の健康との関係等、確固とした調査によるデータを取得して知見を蓄積する。

③住宅の品質の追求に加え、閉塞状況の住宅市場打破のために、断熱化の効果に対する新しい側面の研究・商品開発を促す知見を提供する。

④本会議の活動で得られる最新の知見は、会議参加者、一般消費者に広く発信するとともに、住宅政策の根幹をなす建築基準法・住生活基本法や省エネルギー基準、もしくは新しいガイドライン等に生かされるよう、関係機関(国、自治体等)にも積極的に提言する。

関係参画者全てが、上下のない水平な関係の中で、最新の情報の収集整理の場として、それぞれの立場から自由に議論できる場として、活用されることを期待します。

と設立の趣旨が記されております。

健康・省エネ住宅を推進する国民会議は、「住まいと健康」というこれまでは、密接な関わりがあったにもかかわらず、案外見逃されてきた問題に焦点をあて、建築・医療・環境・消費者団体など各界から幅広く賛同者が集まり、国交省や環境省・厚労省などの行政と一体となって、スマートウエルネス住宅の推進と普及に向けて活動しております。本書を読んでいただいた皆様におかれましても、何卒、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

※スマートウェルネス住宅とは、エネルギー効率の良い住宅(スマート住宅)と安心で安全、健康に暮らせる住宅(ウェルネス住宅)の2つの性能を持ち合わせた「人と環境にやさしい家」のことをいいます。スマートウエルネス住宅として、最も大事な要素は「温熱環境」と「空気環境」が優れた住まいであり、長期にわたり、人々が健康で快適に過ごせる家づくりと暮らし方をしていくということになります。






外断熱が家族を守る 〇 マイホーム借り上げ制度とは

  • 外断熱が家族を守る 〇 マイホーム借り上げ制度とは
弊社で、長期優良住宅の認定を受け、事前に登録申請をおこなうことで、JTI(移住・住みかえ支援機構)のマイホーム借り上げ制度にある「かせるストック」の利用が可能となります。

マイホーム借り上げ制度とは、移住・住みかえ支援機構(JTI)が提供しているサービスで、保有する自宅をJTIを経由して第三者に対して貸し出すことができる制度です。

マイホーム借り上げ制度は、子育てが終わったシニア層の方々にとって戸建住宅は広すぎることが多い一方で、子育て世代の住むことの多い賃貸住宅は総じて面積は狭く、こうしたミスマッチともいえる日本の住宅事情を解消するために、双方をマッチングさせるという役割を担っています。

マイホームの所有者は、JTIに申込をすることで制度が利用できます。一定の住宅基準を満たしていれば利用できます。賃料はJTIの査定に基づきますが、これに納得できない場合は貸す必要はありません。入居者の募集や対応、トラブル解決などはすべてJTI側が担当するので家主と直接やり取りする必要はありません。また、入居者が退去して、次の入居者が見つからない場合でも、JTIが賃料の85%を保証してくれるシステムになっています。つまり、たとえもう住むつもりがないマイホームでも、この制度を使えば、家賃収入を一生涯にわたって得ることができるわけです。

そして、やっぱり自宅に戻りたいとか、子どもに住ませたいとかという場合も自宅の再利用が可能です。入居者との契約は3年単位の定期借家契約となっているので、契約が切れるタイミングであれば再度、自分が住むこともできる制度です。

通常、利用にあたっては、年齢制限があり申込者の年齢が50歳以上である必要がありますが、新築時に申請をして「かせるストック」の認定住宅として登録をすれば、50歳を待たずにマイホームの借り上げ制度を利用することができます。

「かせるストック」の認定住宅は、いつでもJTIの終身借上げの対象となる家となり、通常利用時に実施される検査も簡略化され、簡単な手続きで利用が可能です。

「家を建てる前から、賃貸に出すことを考えるの?」と思われるかもしれませんが、生涯にわたり家を資産として活用できるということは、将来の生活に自由と安心をもたらします。

住まいは、子育ての時期、子供の独立、定年など、病気や介護など、年齢を重ねるごとに、ライフスタイルや理想の住宅像も変化します。「かせるストック」なら、マイホームを売却することなく資産として活用でき、一定の収入を生涯にわたり得ることができるので、住み替えなど住まいの選択肢が大きく広がります。

※ 見込みの賃貸収入と住宅を担保にした、リバースモーゲージローンなども用意されておりますので、まとまった資金がなくとも、ご自宅を売却することなくマンションや介護施設への住み替えも可能となるのです。

かせるストックは、急な転勤でも利用が可能です。また経済不況やリストラ・勤務先の倒産などで転職を余儀なくされ、収入が減少し、万一住宅ローンが払えなくなっても、とりあえず借り上げ制度を利用し、家賃収入をローンの返済に充当し、再び安定した収入が得られるようになったら、住まいに戻ることも可能なのです。

「かせるストック」の認定は、その住宅が高い耐久性を備え、優れたメンテナンスによって品質が保持されていることの証です。いつでも貸せる家=お金を産む家であることは、これからの住宅に欠かせない新しい付加価値といえます。



外断熱が家族を守る 〇 ZEH (ネット・ゼロエネルギー住宅)とは

  • 外断熱が家族を守る 〇 ZEH (ネット・ゼロエネルギー住宅)とは
国は住宅における省エネ性を確保して、優良な住宅ストックを作っていくためには建物の高断熱化が重要だとして、省エネルギー基準を強化した住宅をZEH(ゼッチ)基準として設定し評価することになりました。

2014年に政府が閣議決定したエネルギー基本計画の中で、2020年には標準的な新築住宅をネット・ゼロエネルギーハウス(ZEH=Net Zero Energy House)とすることを目標にしています。

省エネルギー基準を強化した住宅とは、外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入による、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることをめざした住宅です。

ゼロ・エネルギー住宅のイメージ



弊社の建物仕様で、ZEH基準を満たすためには、断熱性能のハイスペック化に加え、ヒートポンプ式の冷暖房設備や給湯器・LED照明などの高効率設備を使用した場合の消費エネルギーに見合った発電量を確保する太陽光パネルを積載するということになります。

省エネルギー基準は国が定めた最低の基準であって、省エネルギー基準の達成が目標ではなく、より省エネで快適で長寿社会にふさわしい健康な住まいを長期的に実現するためにも、さらなる高断熱化は重要な技術だと考えております。

当社の建物をZEH基準に照らし合わせてみると、ハイスペック仕様(0.39W/㎡・K)の性能を確保することが可能となります。

※ 外皮熱貫流率UA値は、住宅事業主の判断基準モデルプランより試算したものでプランや建物形状などによっては、性能値が変わります。

但し、断熱性能をむやみに上げることは、夏の暑さや建築コストにも影響を及ぼすので、快適性や光熱費の軽減分との相対的なバランスを考慮することも必要です。

弊社の標準仕様でも、UA値は0.56W/㎡・kと十分なレベルにあり、かつ平均C値0.5という高い気密性能によって、計算値以上の省エネ性や快適性を発揮いたします。

さらに、LVLの構造躯体と外断熱を組み合わせることで、その性能が長く保持される高耐久の住まいが実現するのです。

いずれにしましても、弊社は外断熱を他社に先駆けて採用し、省エネルギー住宅の普及に努めてまいりましたが、時代の変化にともない、様々な制度や基準がつくられていく中で、これからも断熱のトップランナーとして、宮城県全体の住宅性能のレベルアップに向けて、努力してまいります。

ZEH基準の算出では、建物の間取り構成や床面積などが計算結果に大きく影響を与えますので、設計に際しては綿密な打ち合わせが必要となります。



近年、国では補助金制度も設け、ZEH住宅の普及・促進を図るための後押しを推進しておりますが、弊社でも、こうした補助金制度を積極的に活用し、ZEH住宅の推進に日々努めております。

外断熱が家族を守る 〇 改正省エネ基準について

  • 外断熱が家族を守る 〇 改正省エネ基準について
平成11年に定められた「次世代省エネルギー基準」の後継となる、新省エネルギー基準が平成25年に施行されました。

現在は、まだ猶予期間となっておりますが、この新基準は2020年までに義務化が進められており新基準に満たない住宅は、建築主に対し是正命令が出されるなど、基本的には建築許可がおりないということになります。

したがって、これから新築を計画される場合でも、予定している建物の断熱基準が、どのレベルにあるかしっかり、確認したうえで、依頼先を検討しなければなりません。

※ 改正省エネ基準適合と謳う、住宅の広告をよく目にしますが、レベル的にはそれほど高いとは言えず、省エネ基準そのものが、最低順守しなければいけない基準だということをご理解下さい。また性能値はあくまでも計算上の数値であり、計算どおりの性能を発揮するには、正しい断熱施工とC値(気密性能)1.0以下を確保する必要があります。

今回の新基準は、これまで純粋に建物の断熱性能(熱損失係数=Q値・夏季日射取得係数=μ値)を基準としていた次世代省エネ基準と比べ大きく様変わりしました。

具体的には建物の「断熱基準」に「建築設備に係るエネルギー消費基準」をプラスした基準となり、暖房・冷房・給湯・照明・換気・家電の消費エネルギーまで加味した基準となったのです。さらにエネルギー消費基準には、太陽光発電による再生可能エネルギーの導入量も加味することが可能となりました。

このように、今まであまり意識されなかった分野まで基準に含まれ、住まい手の選択に委ねられていた暖房や給湯・照明などの部分も、建築設備としてエネルギー消費基準に組み込まれています。

つまり、家の省エネ性能に設備の省エネ性能まで加味した基準を新しい基準とし、ある意味消費者に分かりやすい基準とも言えるのですが、実に不可解なのが家の断熱性能に欠かせないC値(気密性能)の基準が削除されたことです。

再三、説明しておりますが、断熱性能が計算どおりの能力を発揮するのは、正しい断熱施工に加え、レベルの高い気密施工が何より重要で、ここを曖昧にすると計算どおりの性能が発揮されないばかりか、内部結露による性能の劣化や構造躯体の腐朽などの問題が将来発生する危険性が高まるのです。

この本を読んでいただいている方に伝えたいのは、こうした基準の裏側には、業界内の様々な思惑や複雑な事情も、密接に絡み合っているということで、こうした事実も頭に入れて、決して見た目の数値にとらわれない確かな目を持って判断しなければならないということなのです。

ちなみに、当社標準の外断熱仕様では、宮城県の4地域基準を充分にクリアーし、通常の設備仕様で一次エネルギー消費量基準を満たしております。特に断熱性能につきましては1ランク上の3地域(北東北)基準の性能になっています。



 弊社標準仕様による外皮熱貫流率UA値を住宅事業主の判断基準モデルプランで試算しますと、宮城県の基準である0.75を上回り、0.56W/㎡・kと言う結果となり、断熱を強化したハイスペック仕様の場合、0.39W/㎡・kとなります。この北海道基準をも上回るハイスペック仕様で、昨年度3棟の建物を建てさせていただきました。近々光熱費のデータなどを公表出来ると思いますのでご期待下さい。