外断熱が家族を守る 〇 改正省エネ基準について

  • 外断熱が家族を守る 〇 改正省エネ基準について
平成11年に定められた「次世代省エネルギー基準」の後継となる、新省エネルギー基準が平成25年に施行されました。

現在は、まだ猶予期間となっておりますが、この新基準は2020年までに義務化が進められており新基準に満たない住宅は、建築主に対し是正命令が出されるなど、基本的には建築許可がおりないということになります。

したがって、これから新築を計画される場合でも、予定している建物の断熱基準が、どのレベルにあるかしっかり、確認したうえで、依頼先を検討しなければなりません。

※ 改正省エネ基準適合と謳う、住宅の広告をよく目にしますが、レベル的にはそれほど高いとは言えず、省エネ基準そのものが、最低順守しなければいけない基準だということをご理解下さい。また性能値はあくまでも計算上の数値であり、計算どおりの性能を発揮するには、正しい断熱施工とC値(気密性能)1.0以下を確保する必要があります。

今回の新基準は、これまで純粋に建物の断熱性能(熱損失係数=Q値・夏季日射取得係数=μ値)を基準としていた次世代省エネ基準と比べ大きく様変わりしました。

具体的には建物の「断熱基準」に「建築設備に係るエネルギー消費基準」をプラスした基準となり、暖房・冷房・給湯・照明・換気・家電の消費エネルギーまで加味した基準となったのです。さらにエネルギー消費基準には、太陽光発電による再生可能エネルギーの導入量も加味することが可能となりました。

このように、今まであまり意識されなかった分野まで基準に含まれ、住まい手の選択に委ねられていた暖房や給湯・照明などの部分も、建築設備としてエネルギー消費基準に組み込まれています。

つまり、家の省エネ性能に設備の省エネ性能まで加味した基準を新しい基準とし、ある意味消費者に分かりやすい基準とも言えるのですが、実に不可解なのが家の断熱性能に欠かせないC値(気密性能)の基準が削除されたことです。

再三、説明しておりますが、断熱性能が計算どおりの能力を発揮するのは、正しい断熱施工に加え、レベルの高い気密施工が何より重要で、ここを曖昧にすると計算どおりの性能が発揮されないばかりか、内部結露による性能の劣化や構造躯体の腐朽などの問題が将来発生する危険性が高まるのです。

この本を読んでいただいている方に伝えたいのは、こうした基準の裏側には、業界内の様々な思惑や複雑な事情も、密接に絡み合っているということで、こうした事実も頭に入れて、決して見た目の数値にとらわれない確かな目を持って判断しなければならないということなのです。

ちなみに、当社標準の外断熱仕様では、宮城県の4地域基準を充分にクリアーし、通常の設備仕様で一次エネルギー消費量基準を満たしております。特に断熱性能につきましては1ランク上の3地域(北東北)基準の性能になっています。



 弊社標準仕様による外皮熱貫流率UA値を住宅事業主の判断基準モデルプランで試算しますと、宮城県の基準である0.75を上回り、0.56W/㎡・kと言う結果となり、断熱を強化したハイスペック仕様の場合、0.39W/㎡・kとなります。この北海道基準をも上回るハイスペック仕様で、昨年度3棟の建物を建てさせていただきました。近々光熱費のデータなどを公表出来ると思いますのでご期待下さい。



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