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「住まい塾」セミナーINリクルート

  • 「住まい塾」セミナーINリクルート
先日、リクルートさんからご依頼を頂戴し、仙台のスーモカウンターにて、スタッフの皆さんに、住まい塾セミナーを開催させていただきました。

スタッフの皆さんは、日頃から住まいの情報をユーザーの皆さんに、提供しているだけあって知識が豊富で、若干緊張しましたが、いつもお客様に紹介させていただいている内容を包み隠さずご紹介させていただきました。

ここでは、なかなか紹介できない業界の裏話的なお話も、色々紹介したので、皆さん、興味津々に聞いていただき、大変勉強になりましたとのお褒めの言葉を頂戴しました。



ユーザーの皆様が、心から満足するマイホームが実現するよう、これからも有益な情報の提供と、家づくりのアドバイスにご尽力下さいますようご祈念申し上げます。

リクルートの皆さん、ご清聴誠にありがとうございました。

ソーラーサーキットは、BELS(ベルス)ファイブスター!

  • ソーラーサーキットは、BELS(ベルス)ファイブスター!
現在、鶴が丘で建築中のA様邸のソーラーサーキットの家ですが、ストック循環補助事業による補助金を活用するため、BELSの申請をしたところ、☆5(ファイブスター)認証ラベルが、第3者機関であるベターリビングより発行されました。

昨年4月より、建築物省エネ法に基づく省エネ性能表示制度がスタートしましたが、この制度によって、冷暖房・換気・給湯・照明(家電は除く)といった暮らしの中での一次エネルギー消費つまり、「燃費」を横並びに比較できる事になったのです。(任意の制度です)

一次エネルギーの削減率は、計算により、自己評価も可能となりますが、公平性・客観的な評価を図る為に、第3者の性能評価機関にて、審査し、認証ラベルを発行するのが「BELS(ベルス)」の認証制度です。

BELSとは「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略称で、「ベルス」と読みます。

BELSは、国土交通省が定めた「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」に基づく第三者認証制度の一つで、住宅性能評価・表示協会が制度運営していますが、 新築と既存建物の双方を対象に、一次エネルギー消費量をもとにBELS実施機関が省エネルギー性能を客観的に評価し、5段階の星マークで表示します。

したがって、この評価書を掲載している住宅であれば、単純に☆の数で住宅の省エネ性能を比較することが出来る訳です。

ちなみに☆2が現行の省エネ基準となり、この基準より10%以上のエネルギー削減で☆3となり、(2020年に義務化となる断熱基準の住宅)-15%以上削減で☆4(認定低炭素住宅)となり、最高ランクの☆5で―20%削減つまり、ゼロエネルギー基準を満たした住宅となります。

A様邸は、現行のソーラーサーキットの標準仕様で、特別な設備は設置しておりませんが、基本の断熱性能と住宅設備によって、削減率が31%となり、基準の20%を大きく上回り、ファイブスターの認証を受けました。

ソーラーサーキットの家は衣替えの機能により、夏の冷房負荷を大幅に軽減するのですが、計算上は加味されません。さらに加味されないのは、気密性能も同様です。

つまり、計算上の評価よりも、数段高い性能が発揮されるのがソーラーサーキットの家なのです。

しかもその性能が、長期間発揮されるわけですので、特Aのファイブスターといっても過言ではありません。

以上ご報告でした。

※ ベルスの評価書にも但し書きが入っているのにご注目下さい。何か違和感を感じませんか?

評価結果につきましては、提出を受けた図書にて評価したものであり、以降の計画変更や時間経過などによる変化がないことを保証するものではありません。

性能値はあくまで計算値です。数値通りの性能を長期間にわたり、発揮するには、気密性と断熱性という相反する性能を両立し、二重通気により衣替え出来るソーラーサーキットの家が最適ということをご理解いただきたいと思います。


外断熱を造り続ける理由

これまで、内断熱の抱える危険要素について、説明させていただきましたが、ご理解いただきたいのは、単に外断熱をすすめたいが為に、内断熱のデメリットを紹介したわけではないという事です。

皆様にお伝えしたいのは、気密や断熱の重要性であり、疎かにした場合に生じる様々な危険要素であり大きなリスクです。

保険や金融にも自己責任が求められていますが、住宅選びにも、正しい知識に基づいた自己判断が必要であり、間違った判断により生じたリスクは、結果的に自己責任となるのです。

内部結露による住宅の腐朽やシロアリ被害は、この最たるもので、僅か10年の瑕疵担保保険の対象からも、除外されているのです。

マイホームを取得する多くのお客様は、長期の住宅ローンを利用しますが、もし、ローンを完済する10年も20年も前に、家が住めない状態になり、その価値を失うことになったらまさに悲劇なのです。

新築で、そんな悲劇は?という方も多いのですが、こうした問題は表面化しないだけで、実に多くの方々が、被害に遭遇し、悩み苦しんでいるという悲しい現実を理解しなければならず、こうした悲劇に遭遇しないためにも、リスクとなりうる要素を一つ一つ取り除いた家づくりを進めなければならないのです。

家を高気密・高断熱化するというのは、単に省エネ性と快適性を高めるばかりではなく、住む人の健康を守り、建物の長寿命化を図る大きな目的があります。

室内空気と温熱環境に優れた住まいは、私達の健康寿命を伸ばすことで、病気で生じる心身並びに経済的な負担を軽減し、国民の真の幸福を実現し、年々急増する国の社会保障支出の抑制にもつながります。

そして、将来、在宅介護が必要な場合においても、介護を受ける側・介護をする側、双方が介護で生じる様々なストレスを軽減し、心の通った介護が行える様になります。

また、光熱費や修繕費などのランニングコストも含めたライフサイクルコスト全体を軽減させる事で、今後の年金縮小に備え、豊かな老後の人生設計も可能となるのです。

さらに、暮らしにおけるエネルギー消費はもとより、解体時に発生する莫大な量の産業廃棄物を減少させることで、焼却によるCO2の削減や行き場のない処分場の問題解消にもつながり、広い意味で地球環境に対しても大きく貢献出来る様になるのです。

つまり、高度成長時代のいわゆるつくっては壊すといったスクラップ&ビルドの考え方から、「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」 というストック型の社会の形成にも寄与できるのです。

人口減少が急速に進行していく中で、現在、空き家が急増し大きな社会問題となっているように、土地という資産は一部の商業地や利便性の高い物件をのぞきその価値は低下していくものと思われます。

築25年程度で、資産価値がゼロとなり、耐震性や住み心地が大きく損なわれるような従来型の住宅では、子供や孫に引き継ぐ時には、貸すことも住むことも売ることも出来ず、莫大な解体費だけが科せられる、言わば資産ではなく負債となってしまう時代がそこまで迫っているのです。

弊社は、「いつまでも強く・いつまでも快適に」をコンセプトとして、住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も価値ある家づくりを目指して、家づくりに取り組んで参りました。

つまり、50年後も家としての基本的な性能を保持することで、一生涯、安心して暮らせる家となり、将来、お子さんやお孫さんの家としても引き継げ、住み替えをする場合でも、賃貸や売却も可能な価値ある資産として活用できる家にしたいのです。

こうした想いを実現させるためには、新築時の住宅性能を長期間にわたり保持させることが、何より重要となります。

少々、前置きが長くなりましたが、私達人間も年齢を重ねるごとに、老化が進むように、建物も経年による劣化が当然すすんでいきます。

内装や外装、設備などは劣化の具合により、補修や交換は可能です。

しかし、目に見えない構造部分は簡単に補修や交換は出来ないのです。

家の基本的かつ最も大事な性能である、耐震性や気密・断熱性能はもとより、これらの性能に大きく左右される住み心地の良さを長期間にわたり、保持させるには、目に見えない構造部分の経年劣化を最小限に抑えなければなりません。

年間に5.6棟の現場であれば、たとえ内断熱でも丁寧な気密・断熱工事を実施し、お客様が適切な暮らし方をすれば高耐久な住まいは実現します。

しかしながら、年に70棟から80棟のご依頼を頂戴する弊社では、内断熱の建物では、全ての現場で品質や性能のバラツキの出ない施工と管理は非常に困難であり、地元の住宅会社の経営者として、私自身がお客様に対し責任ある家造りをお約束出来ないのです。

その点外断熱は、非常に理にかなった工法であり、会社のスタッフ・協力業者・現場で施工にあたる職人さんにいたるまで、意識の統一が図られ、誰もが心から納得できる工法です。

つまり、結露の危険性や気密の重要性・断熱の仕組みを正しく理解することで、建築業界にありがちだった、現場による品質のバラつきがなくなり、全てのお客様にご満足いただける建物が提供する事が出来るのです。

外断熱は、施工の品質や精度も、工程ごとに実施する検査や気密測定によって一目瞭然となり、施工不良も起きにくく、万一あったとしても、見過ごしたりやり過ごしたりさずに、改善が可能な工法でもあるのです。

ところが、内断熱の気密・断熱工事に費やす時間は、非常に短く、コストや工期優先の業界にあって、どうしても見過ごされやすい部分でもあるのです。

※ 気密工事完了時には、壁の中の断熱は修正しようがありません。

そして残念なことに、たかが結露という旧態依然の考え方をする人々が、まだまだ多く、気密や断熱には無関心で、その重要性を認識している方が、造り手にも消費者にも少ないというのが悲しい現実なのです。

こうした点も踏まえ、弊社では内断熱ではなく、外断熱の家づくりに長年取り組んでいるのということを是非ご理解いただきたいと思います。

内断熱(充填断熱)の抱える危険要素⑦

〇木は呼吸して生きている?

柱の両側に断熱材を詰め込み、外側には、耐力面材を張り、内側に石膏ボードを張る内断熱では、構造材である木材は、まさしく窒息状態にあります。

これでは、木の良さとして、強調されることの多い、木の調湿効果は発揮されず、呼吸すら出来ない状態となるのです。

さらに、温度差の激しい冬と夏の場合、柱の両側の温度差が生じ、こうした状態で木の健康は、長期間保てるのでしょうか?(冬は室内側20℃・外気側0℃ 夏室内27℃・外気側40℃になる)

木が人間だとしたら

冬はお腹にホッカロン、背中にアイスノン、夏はその逆になるのをご想像してみて下さい。

35年後も健康でしょうか?

木の耐久性を保つ条件は、何といっても動く空気に触れさせること。

つまり通気性の確保が大事なポイントです。

内断熱(充填断熱)の抱える危険要素⑥

  • 内断熱(充填断熱)の抱える危険要素⑥
〇 雨漏りがわからない?

内断熱の場合、壁の中・小屋裏に断熱材を充填し、室内側には防湿フィルムを張って、構造の内側をふさいでしまいます。

こうした住宅で、雨漏りが発生したらどうでしょう。

少し、逆説的な話にはなりますが、気密・断熱の施工レベルが高ければ高いほど、ちょっとやそっとの雨漏りは、発見されることはなく、そのまま放置され、気づいた時には甚大な被害につながる場合があるので注意が必要です。

新築住宅で雨漏りなんて、そうないのではと思ってらっしゃる方も多いと思いますが、新築し、わずか2.3年で雨漏り被害にあい、犠牲を強いられているお客様は、驚くほど多いのが建築業界の現実です。



画像のグラフは、住宅瑕疵担保責任保険を取り扱う、財団法人住宅保証機構の平成25年度における保険事故の発生部位の割合を表したグラフですが、事故発生の実に95.6%が壁や屋根からの雨水侵入による雨漏り事故になっています。

こうした事故は住宅保証機構の対応分だけで、年間1,000件以上ありその他の保険法人の取り扱い分や問題化や表面化しない事故を合わせれば、この何倍もの事故が発生していることを認識しなければならないのです。



※ 事故原因が雨漏りよるものなのか、内部結露によるものなのかの判別が難しいケースも多々あるそうです。もし原因が内部結露の場合は、保険金支払いの対象にはならないので、言うまでもなく結露対策にも十分注意が必要です。



昨今、デザイナー住宅と称して、軒の出が少ない住宅も多くなってきたこともあり、雨漏りは増加傾向にあり、入念な防水処理が必要なのはもちろんですが、防水にも耐用年数が当然あり、瑕疵担保の保証期間はわずか10年だということも理解しなければなりません。