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通気と換気で建物を冷ませる住まい

  • 通気と換気で建物を冷ませる住まい
現在、ソーラーサーキットの家には、標準でSC-SV換気システムが装備されています。

基本的な機能は、熱交換タイプの第一種換気システムですが、熱交換器を通過させず、そのまま外気の導入を図る普通換気モードに切り替えて使うことも出来るいわば衣替え出来る換気システムと言えます。

冬の場合は、熱交換して、冷たい外気を室内温度に近づけることが出来るので、熱交換が有効ですが、夏の場合は逆効果になるケースが生じます。

SC-SVシステムは、主に中間期から夏の時期など室内温度よりも外気温が低い、主に夜間から早朝にかけて、普通換気モードにすることでその威力を発揮いたします。

例えば、夏でも夜間や早朝は外気温が下がり、室内よりも外の方が涼しいケースが多々あります。

室内が28℃で外気が25℃を下回り、22~23℃の場合、熱交換すると室内へ取り入れる外気は25~26℃となり、室内の温度はなかなか低下しませんが、外の涼しい空気をそのまま室内に取り入れることで、24~25℃になり、実に爽やかな朝を迎えることになります。

またそうすることで、日中気温が上昇しても、暑さを感じる室温になるまでの時間がかかり、エアコンに頼らなくても爽やかな室内環境が実現するのです。

ようするに、夜間に窓を開けずとも、涼しい夜風を取り入れることが出来るというわけです。

※室内温度より外気温が高くなる日中は、熱交換機能がはたらきます。

さらに、ソーラーサーキットの場合、インナーサーキット(内部通気層)にも、床下の涼しい空気が、よどみなく通気され、小屋裏ファンによって、外部へ排出されるので、建物の構造そのものを冷ます効果も同時に発揮されることになります。

つまり、換気によって室内に直接取り入れる外気と、インナーサーキットを流れる空気の二重の効果で、昼間に熱せられ建物そのものを冷ますことができるわけで、一般の高気密・高断熱住宅に見られがちな熱ごもりによる暑苦しさとは、比較にならないほど爽やかな室内環境が創り出されるのです。

このSC‐SVシステムの熱交換の切り替えは、標準仕様では手動式ですが、自動的に熱交換換気と普通換気(外気導入)を切り替えできるタイプも選択できます。

このように、ソーラーサーキッの換気システムは、冬の快適性と同時に、夏の快適さも実現するために開発されたシステムであり、夏場でもほとんどエアコンを使わずに過ごしている方も多いというわけです。

さらに、SC-SVシステムには、高性能除じんフィルターも用意されており、0.01ミリ以下の花粉やホコリなどの細かな粒子を97%除去します。

また着脱式フィルターボックスなので、換気装置内部もお掃除もしやすく、長くお使いいただくうえでも安心です。

※ 換気システムの電気料金は、月額1,000円から1,200円の料金を目安にお考えください。

空気の中身に目を向けましょう。

  • 空気の中身に目を向けましょう。
換気の重要性については、いつもご説明しておりますが、空気の中身については、目に見えないこともあって、普段あまり意識していない方が多いのではないでしょうか。

グラフの通り、一般的な空気の中には、窒素が78%・酸素21%・アルゴンガスや二酸化炭素などその他の成分が約1%含んでいます。

また、その他1%の中に含まれる、空気中の二酸化炭素の割合は、綺麗な大気で 350~400PPM、市街地の外気で400~600PPMとされています。

当たり前の話ですが、私達は、生命を維持するために、空気を体内に取り入れているのですが、呼吸によって体内からも同じ量の空気を排出しています。

それでは、吐かれる空気中の成分は、どのように変化するでしょう。

窒素は、変わりませんが、酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を排出することで、酸素と二酸化炭素の比率が大きく変わります。

酸素は21%から16.5%となり、二酸化炭素は0.04%から4.5%となり、概ね酸素の減少分がそのまま二酸化炭素の増加分となります。

つまり、室内の空気の中身は、人が呼吸するごとに、酸素濃度が減少し、二酸化炭素濃度が上昇することで、汚れた空気になるために、適切な換気が必要になるのです。

性別や体重により、個人差もありますが、人は、1回の呼吸で、約0.5リットルの空気を吸います。

1分間に約20回呼吸するとして、1時間で1200回・1日で28,800回の呼吸をする計算となり、実に14,400リットルもの空気を吸ったり、吐いたりしているのです。

室内の二酸化炭素濃度は、800PPM 以下であれは問題の少ないレベルとされており、ビル管理法で1000PPM、学校などでは1500PPM以内というのが、指針値となっておりますが、空気の比率でいうと、それぞれ0.1%と0.15%となり、とても少ない比率です。

しかし、呼吸によって排出される二酸化炭素の比率は、0%台から4.5%になりますので、気密性の高い締め切った部屋で、換気をしなければ、たった1時間でも、二酸化炭素の濃度は、5000PPM以上になり、0.5%の割合にまで上昇し、時間の経過とともに、身体にも悪影響を及ぼすのがおわかりになると思います。

CO2濃度は、1500PPMを超えると、眠気を催し、集中力を妨げたりするなどの影響を及ぼし、5000PPMを超えると頭痛やめまいが生じると言われており、労働衛生上の基準では、8時間労働の場合、5000PPMが許容基準になっています。

一方、室内の酸素濃度の安全値は、18%以上となっており、18%以下になると、めまいや吐き気・頭痛や運動障害などが起こり、10%を切ると命さえも失ってしまいます。

つまり、室内空気のCO2濃度は、常時1000PPM以内にするための換気が必要であり、この数値が維持できていれば、自ずと室内の酸素濃度は常に20%~21%は保たれ、新鮮な空気の中で暮らせていることになるわけです。

また、石油ファンヒーターやストーブなど、室内で燃焼するタイプの暖房を使用すると、燃焼時にも、酸素を使い二酸化炭素を排出し、酸素濃度の低下や、機器の作動不良などによっては、0.05%の微量でも意識障害が起きる、有害な一酸化炭素が発生したり、高温で燃焼することで空気中の酸素と窒素が結合し、窒素酸化物(NOX)という大気汚染の原因ともなる有害物質も発生します。

さらに、室内の空気には、シックハウスや化学物質過敏症を引き起こす、住宅建材や家具・カーテンなどの日用品・カビや細菌といった微生物が由来する無数のVOC(揮発性有機化合物)や消臭剤や防虫剤・柔軟剤などに含まれる無数の化学物質も含んでいるということも理解しなければなりません。

空気の中身は見えないので、非常に厄介ですが、室内空気の良し悪しは、健康に影響を及ぼすのはもちろんのこと、職場での作業効率やご家庭でのお子さんの学習効率にも、影響を及ぼします。

少々、面倒な話になりましたが、室内の空気の中身にも目を向けていただき、換気の重要性をご理解いただければ幸いです。



これからはHEAT20が最低基準

  • これからはHEAT20が最低基準
HEAT20(ヒート20)をご存知でしょうか。一般のユーザーには馴染みがうすいと思いますが、省エネ性や断熱性を重視した家づくりを推進している造り手で、もしわからないという方がいれば、とても恥ずかしく、勉強不足と言えるでしょう。

断熱基準が平成25年に改正され、現在まだ、猶予期間ではありますが、3年後の32年より義務化となり、基準以下の建物は原則建てられなくなります。

しかし、この基準は平成11年に示された、次世代省エネ基準がベースになっており、長期優良住宅の断熱等級では、4という最高等級ではありますが、あくまで最低限のレベルだということを理解しなければなりません。

そして、現在、多くのハウスメーカーが盛んにPRしているZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)も、この基準を20%向上させた基準であり、私達はすでに20年以上前から、このZEH基準を上回る住宅をつくってきました。

つまり、最低限のレベルの断熱性能の家を最高等級として、さほどレベルの高くないZEHを、多くのハウスメーカーが、販売しているということなのです。

HEAT20とは、上記の様な、国の基準や制度とは、一線を画して、本物の省エネ住宅の望ましい姿を、民間主導で提案し、業界全体の底上げと技術革新を図るために、2009年に設立された民間の団体で、「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称です。

HEAT20は、単にUA値の基準を定めるだけでなく、「気密・断熱・遮熱・通風・採光・換気・冷暖房」など、室内環境性能の向上に影響の大きい要素を様々な角度から検討し、室温や暖房負荷といったわかりやすい指標を用いて、「望ましい姿」と「目指すべき水準」を示しております。

そして、足元の業界関係者に、省エネ住宅に適した設計や施工の技術の向上を図るための
指針の策定に大きく寄与する研究活動を実施しております。

参考までに、宮城は、主に4地域となっており、改正省エネ基準のUA値は0.75・ゼロエネ基準でも0.6ですが、HEAT20の基準では、G1グレードで0.46・G2グレードで0.34となっています。

弊社の造るソーラーサーキットの家では、すでに業界に先駆けて、HEAT20基準をクリアしており、標準仕様で0.43・ハイスペック仕様で0.34のUA値で、数多くの住宅を造らせていただいております。

そして、ソーラーサーキットの家は、完全外断熱と二重通気によって、見た目の性能値は、同じでも、実際の性能値の差は歴然で、計算を上回る省エネ性能を実現し、かつその性能が長期にわたり、保持出来る建物となります。

HEAT20について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。






家賃以下のマイホームの罠

若い世代の方々は、現在支払っている家賃を無駄だと考え、この国の老後の不安もあって、出来るだけ早い時期にマイホームを取得したいと考えている方々が多く、家賃以下あるいは家賃並みで買える物件にと目がいきがちです。

こうした、ある意味、堅実ともいえる考え方そのものは、あながち間違ってはいないのですが、ことマイホームとなれば、基本的には生涯暮らす訳で、気に入らないからといって、賃貸の様に住み替えることは出来ないということを十分検討した上での判断が必要なのです。

しかし、お洒落な外観やインテリア・キッチンやバスルームに目を奪われ、今だけの特別キャンペーン・家賃以下のマイホーム!消費増税前・史上最低の低金利などのセールストークに引き込まれてしまいます。

そして、マイホームが欲しいという気持ちが強ければ強い時ほど、目に見えない構造や住み心地・光熱費などの重要なポイントも、営業マンの「〇〇ですので大丈夫です。ご安心下さい」という言葉で安易に納得し、衝動買いしてしまうケースが多くみられます。

毎月の支払は、もちろん重要ですが、ローンの他に、月々の光熱費や固定資産税や都市計画税・修繕費やメンテナンス費用など、目に見えないコストやアフターサービスの良し悪しも考慮しなければなりません。

また、住んでみないとわからない住み心地や使い勝手や家族が増えた場合の収納スペース、家の耐震性や耐久性・将来の資産価値・借入先の選定やローン種別の検討など、勉強しなければならないことは山ほどあり、知らないまま・知らされないままに家を建てるリスクは非常に大きく、後から後悔しても誰も保証してくれず、結局は、瑕疵や欠陥以外は、全て自己責任となります。

何より、真剣に考えなければならないのが、家族の健康であり、家の温熱環境や空気環境の悪さによって、シックハウスやアトピー・喘息などのアレルギーを引き起こしたり、風邪やインフルエンザにかかりやすくなったりするケースも少なくありません。

身体が丈夫で健康な若い世代の方は、多少の暑さ・寒さは問題ありませんが、人間誰しもが年老いていくのは必然ですので、免疫力が低下する老後のこともリアルに考えなければならないのです。

こうした話をすると、マイホームを検討している方に水を差す様で恐縮ではありますが、単に見た目の価格や表面的な仕様だけで、マイホームを取得した方々は、後々、数多くの不満やストレスを感じながらの生活を強いられるケースが多く、様々な要因によって、時には家庭崩壊を招いてしまうこともあるということを理解する必要があります。

実際、新築後10年以内で売りに出される中古住宅は圧倒的に建売やローコスト住宅が多いのが現実です。

建売やローコスト住宅が、全てダメだとは申しませんが、マイホームの購入は、家の良し悪しや性能の違い・35年後も快適に住み続けられる家なのかどうかを見極める知識と目を養ってからでも遅くはありません。

家は、生涯で一番高い買い物であり、一生一代の大事業でもあるということをご理解いただき、家づくりを進めていただきたいと思います。

ウォームビズに最適な住まい

  • ウォームビズに最適な住まい
環境庁では、クールチョイス(賢い選択)の一環として、冬の生活スタイルを提案する、ウォームビズ運動を推進しています。(期間は3月31日まで)

ウォームビズは、暖房時の室温を20℃を目安にしましょうという取り組みですが、私達が体感的に感じる温度は、室温もさることながら、壁面の表面温度も大きく左右いたします。



つまり、同じ室温でも、床や壁の表面温度が、低ければ体感温度も下がるということで、壁や窓の温度が10℃であれば、室温を20℃にしても(10+20)÷2=15となり、体感温度は15℃になり室温を25℃以上にして初めて20℃近い体感温度になるわけです。

その点、弊社の外断熱の家なら、構造の外側で断熱することで、断熱材の内側にある柱などの構造躯体も蓄熱体としての役割を発揮することで、輻射熱の恩恵が得られ壁面温度もほとんど変わらず、ほぼ室温と同様の体感温度となるのです。

また、一番熱が逃げやすい開口部のサッシには、オール樹脂の3層トリプルガラス(アルゴンガス入り)を使用することで、熱損失を最小限に抑え、20℃の室温設定でも、衣服の調整で十分快適に過ごせます。

もちろん、もう少し室温を上げたいというお客様は、僅かな暖房費の負担でポカポカの暮らしも可能です。

しかしながら、クールチョイスは、2030年度までに温室効果ガス26%削減の目標を達成するための国民運動となります。

一般的に設定温度を1℃あげると、消費電力は5%上昇するといわれています。

また、電気料金も再エネ賦課金も上昇していますので、省エネという観点からもあまり室温を上げない暮らしも重要ではないかと思います。

今年度も、クールビズに引き続き、杏ちゃんが推進役を努めています。

大東オーナーの皆さんは、外断熱の家で暮らすことで、基礎体温も少なからず上昇していると思いますので、多少衣服の調整をすることで、十分20℃で快適に過ごせるはずです。

地球防衛軍のメンバーとして、ウォームビズ運動に、ご理解とご協力下さいます様お願い申し上げます。