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夏の暑さや冷房費を左右するηA( イータエー)値

ηA( イータエー)値とは、冷房期に建物にどれくらい熱が入ってくるかを表す数値です。

これまでは、μ(ミュー)値という値でしたが、改正省エネ基準では、ηA( イータエー)値に変更になりました。

μ(ミュー)値もηA( イータエー)値も、その意味合いは同じで、冷房を必要とする時期に、どれだけ室内に日射熱が入ってくるかを測る指標となりますので、少ないほうが暑くなりにくく、冷房の負荷も小さくなります。

壁や屋根の断熱もさることながら、日射熱に関しては、開口部の設計(ガラス種類、方位毎の配置、大きさ、庇等の日射遮蔽物の有無) によって、数値は大きく変わります。

宮城県の場合は、4地域で、さほど日射の影響が大きくないとされ、省エネ基準では、ηAの規定がありませんが、消費エネルギーの計算をする場合は、このηA( イータエー)値もカウントしなければなりません。

ηA値は、一般のユーザーの皆さんは、あまり詳しく勉強をする必要のない数値ではありますが、ご自身の住いの数値がどの位のηA( イータエー)値かは、夏の日射の影響による室温の上昇や冷房負荷を把握するために、知っておいて損はないと思います。



ご覧の通り、5地区の関東では3.0以下という基準が設けられていますので、宮城でも、この数値が大まかな基準となります。

ちなみに、弊社の外断熱の家では、外断熱の遮熱効果に加え、樹脂ダブルLOW-Eのトリプルガラス(空気層にはアルゴンガス)を採用することで、概ね1.4前後の数値で、関東基準の2倍以上の性能値で、単純に夏の冷房負荷も半分以下に抑えられるのです。

通常、断熱の性能値を上げたり、日射の取得熱を抑えるために、窓を小さくしたり、少なくするのが、一般的で、昨今の新築ではこうした家が多く見られます。

作り手側にすれば、窓を小さくすることは、数値を良くみせつつも、コストダウンにもつながる手法の一つでもあります。

弊社では、基本性能の高さから、こうした小手先とも言える方法をとらずとも、冬も夏も省エネで快適な住まいが実現します。

ただ注意したいのが、窓からの日射熱の侵入です。いくら高性能な窓を採用しても、夏の日射をまともに受けると、室内に熱が侵入します。特に西側の窓には注意が必要で、留守にする場合などは、ブラインドやカーテンを忘れずにお願いしたいと思います。

尚、日射熱は窓の内側よりも、外で遮る方が断然効果を発揮します。すだれなども有効ですが、最近では窓の外側につけるお洒落なシェードなども、数多くありますので、西側に寝室を設ける場合などには、ご検討いただきたいと思います。

「違いのわかる夏」というのは、ソーラーサーキットの夏のキャッチコピーですが、こうした性能の裏付けにプラスして、高レベルな気密と断熱・地熱を活かした二重通気と衣替えする換気の効果によって、計算値以上の性能を発揮するからこそエアコンに頼らない住まいが実現するのです。



空気をまるごと洗う外気清浄機「トルネックス」

  • 空気をまるごと洗う外気清浄機「トルネックス」
外気清浄機「トルネックス」は、花粉の100分の1と言われるPM2.5の微粒子を98.5%電子の力で吸着する装置で、換気システムにも取り付けることが出来るので、外気の汚れを取り除いてから、換気システムに給気されるので、換気システムのフィルターの清掃の頻度も、大分軽減されます。

車の多い市街地に住まわれるお客様や、喘息やアレルギーにお悩みの方などに、特におすすめしたい清浄機で、これがあれば空気清浄機も不要ではないでしょうか。

通常の換気システムや空気清浄機のような、ろ過式のフィルターではありませんので、清掃を忘れたりしての目詰まりなども起こさず、メンテランプが付いたら簡単な水洗いをすればOKですし、清掃せずとも入れ替え出来るサービスもあります。

以前、デモ機にて、PM2.5に見立てた同レベルの微粒子の煙を使い、効果を確認しましたが、電子フィルターに煙が、綺麗に吸着され能力の高さを実感しました。

デモの様子を携帯の動画で撮影したのですが、反射してイマイチ見にくかったので、メーカーのHPにある動画を確認してみて下さい。トルネックスの仕組みがよくわかると思います。

https://www.youtube.com/watch?v=jwAWGKO7zJk

九州や関西ほど、PM2.5による影響は少ない東北ではありますが、中国から大量の黄砂も飛来してきます。j

黄砂も、粒子は微細で、換気フィルターでは完全に除去しきれないことを考えると、きれいな空気にこだわる私達としては、近い将来、標準での導入を検討しなければならない時期にきているかもしれません。

価格も、20万円ほどするので、当面は、オプション扱いになるかと思いますが、ご興味のある方は、お問合せ下さいます様お願い申し上げます。

※ 換気のフィルターが、春先の強風による砂ぼこりや花粉などによって、大分汚れているかもしれません。特に冬期間に清掃をしていないお客様は、梅雨に入る前に清掃していただきます様ご案内申し上げます。

汚れによって、目詰まりを起こすと、換気は動いていても、計画どうりの、換気が機能していない場合があります。季節の変わり目でもあり、これから湿度もあがり、掃除をしないと汚れがこびりつく時期になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

機械換気に対する偏見が多い理由

冗談か本気か?ですが、気密性が高い家で、停電して換気が止まったら、窒息しないのですか?というご質問が届きましたので紹介させていただきます。

答えは、もちろんNOです。どんな高気密住宅であろうとも、潜水艦ではありません。

必ず、換気を設置するための穴が、最低5.6ヶ所は開いており、確かに空気は汚れますが、1週間や2週間停電したとしても、窒息することは絶対にありませんのでご安心ください。

私の家は泉区ですが、震災時に6日間停電しました。

もちろん、換気せずとも窒息はしませんが、空気の綺麗なソーラーサーキットの家に住むと、不思議に空気には敏感になるので、1日に何回か5分位ずつ、窓を全開にして、換気しましたが家族6人、元気に暮らしておりました。

2003年に、シックハウス対策として、24時間換気が義務化になりましたが、義務化される前の家では、換気といえばキッチンやトイレ・洗面だけでしたので、普通の方は、計画換気と言ってもあまりピンとこないのもしようがありません。

実際に、折角の換気も寒いからとか、音が気になるとか電気代がもったいないからと言って消しているユーザーも多く、家の中の空気は汚れによって、アトピーや喘息などのアレルギーの患者の増加は、換気不足がもたらしている部分も多分にあるのではないでしょうか。

そして、今でも、高気密・高断熱そして、24時間計画換気という名前を聞いただけで、息苦しくて、機械的なイメージを持たれ、拒否反応を示す方がけっこういらっしゃいます。

陽当たりが良くて、風通しのいい家の方が、ある意味自然ですし、一般のユーザーの皆様がこうした思いを抱くのはごく当然のことと思います。

建築業界の中にも、未だにこうした考えを持っている方が、まだまだ多く、とりあえず義務化で家が建てられないから、安い換気を組み込んでいる業者が多いのも現実です。

という私自身も、恥ずかしながら25年位前までは、計画換気なんて無駄で、自然換気が一番なんて言ってました~(笑)

ご理解いただきたいのは、換気システムを付けたからといって、窓を閉めっぱなしにしなければならないということではありません。

何といっても、換気の王様は窓開け換気です。

四季を通じて人が心地よさを感じられる状態の時には、窓を全開にして開放的な暮らしをしたいものです。

昔は一日中窓を開けていたり、家の中に誰も居なくても平気で窓を開けていたお宅はけっこうありました。

しかし、何かと不用心な現代において、たとえ在宅時にでさえ、気軽に窓を開けられなくなってきているのが現実ではないでしょうか。

しかも、窓開け換気は非常に気まぐれで、日本の気候を考えた場合、天気が良くても風が強かったり、風がほどよくても雨が降っていたりと、気象条件は変化し、人が心地よく感じられる日数や時間帯は全体の1割程度しかなく、ホコリや虫などの侵入や、共働きなどで日中も不在になりがちな生活環境の中で、室内の空気を常に新鮮な状態に保つには、窓開け換気は不向きになってきたのです。

また、花粉や黄砂、最近話題となっているPM2.5の問題もあり、これらの物質を除去した上で綺麗な空気を取り入れる事も必要な時代になってきているのではないでしょうか。

人間が一日で摂取する物質で、空気の割合は85%であり、家庭内の空気は実に57%にもなるのです。

小さなお子さんやお年寄りはもっと多くの割合で、室内空気を取り入れて暮らしているのです。

目にはみえませんが、室内の空気にはおびただしい程の有害な物質が含まれており、これらをなくすことは、現実には不可能です。

案外、見落としがちなのが人の呼吸によっても、空気は汚れているということで、空気中の酸素を消費した分、二酸化炭素を吐きだしているのです。

つまり、呼吸によって取り入れた分の酸素は減少し、逆に二酸化炭素は増加しているのです。

空気清浄機を設置しているご家庭も多くなりましたが、清浄機は空気をろ過して循環させているだけですので、あくまで換気が主役で清浄機はそのサポート役という理解が必要です。

ドラッグストアにいくと、様々な消臭剤や芳香剤・などが所狭しと陳列されています。

これらを使用しても、匂いの元を除去する事は出来ず、逆に含まれる化学物質により、健康への悪影響さえ起こしてしまうのです。

カビの増殖やダニの繁殖を抑えるためにも、室内の空気環境は非常に大事なのです。

日々の生活の中で、綺麗な空気に満たされて暮らすことは、様々なストレスを解消し元気に明るく暮らす源です。

大切なご家族の健康を守るための「空気の守り役」として、計画換気を考えていただきたいと思います。

※ こうした話をすると、家は隙間があるから、自然換気が働くから大丈夫という方もいらっしゃいます。何度か説明しておりますが、隙間換気は室内外の温度差が大きいと換気の作用が働きますが、温度差がなければ、よほど風が強くなければ空気の出入りはなく、ほとんど換気の作用は働きません。つまり、隙間換気が作用するのは、基本的には冬期間や春・秋の外気温が下がった夜間に限られるということをご理解下さい。

家づくりの初めに確認したい暖房費

「冬暖かく・夏涼しい省エネ住宅ですよ~」というトークは

ローコストビルダーから大手のハウスメーカーにいたるまで、多くの住宅会社の営業マンが口を揃えて言うセールストークの一つですが、実際のレベルには雲泥の差があり、建てた後に後悔するユーザーも少なくありません。

下記のグラフは、旭化成建材の調査データですが、家の満足度もさることながら、冬の寒さや夏の暑さといった温熱環境に多くの不満を感じているユーザーが多いのがお分かりいただけると思います。



折角、苦労して建てたマイホームで、冷暖房費が負担となり、寒さや暑さを我慢しているユーザーも多く、寒くて換気を消したり、エアコンでは暖まらずにファンヒーターを使ったり、夏寝室が暑くて、エアコンをかけすぎて体調を崩したり、比較的涼しい一階に寝ているという話を良く聞きます。

こうした住宅は、単に寒い・暑い・光熱費の問題だけではなく、結露やカビが発生しやすく、アレルギーになったり、風邪やインフルエンザにも罹患しやすく、将来、ヒートショックなどの悲しい事故を引き起こす危険性も高くなります。

そして、温度差によって、知らない内に、目に見えない構造躯体にも、内部結露が発生し、腐朽や蟻害などで家の耐久性も損なわれ、資産価値も著しく低下するなど、様々な悪影響を及ぼしてしまうということをリアルに考えなくてはなりません。

温熱環境や空気環境といった家の住み心地を左右する気密性や断熱性は、建ててからでは直しようがないということをご理解いただき、家の中身を見極めた上での家づくりが非常に大事になってきます。

そこで、家を建てた後に後悔しないためにも、依頼先を決定する前に、真っ先に確認しなければならないのが、計画している建物の冷暖房費となり、宮城の気候を考えればまずもって暖房費の確認は必須となります。

「この家の暖房費はいくらかかかりますか?」

と、確認し、出来れば書面にて提示を受けることが大事になってきます。

「暖かさの感覚は個人差もあり、家族構成やライフスタイルも違いますので、一概には言えません。」

という営業マンもいるかも知れませんが、そう言われたらこうして下さい。

真冬の時期に、20℃の温度設定で、一日中、家全体を暖めた場合の暖房費を試算してもらうのです。

家の断熱性能を表す、C値やQ値・UA値にわかれば、必要なエネルギーに基づいた暖房費の試算は簡単に出来ます。

http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=453058

いつも言うように、現在、多くの人が車を選ぶ基準で一番大きいのは燃費です。

エネルギー価格が、今後益々上昇していく中で、家も車と同じように、燃費性能で選ぶ時代に差し掛かってきており、燃費性能は、近い将来、その家の資産価値を左右する大事な要素になっていくということを是非ご理解いただきたいと思います。

少ない太陽光でゼロエネになる家を

最近、太陽光についての問い合わせを多く頂戴しますので、ご紹介させていただきます。

震災以降、エネルギーの価値観が変わり、補助金などの政策的な後押しもあり再生エネルギーへの導入が進んでおります。

今年度は、国交省や経産省に加え、環境省でもZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)関連の補助金が予算化されており、国も本腰を入れて新築のZEH化を推進しています。

正直いって、これまでは、太陽光発電は投資的要素が強く、業界全体が、住宅を売る為の一つの道具として、太陽光を推進していた傾向が強く、私自身は家造りの本質からはずれた、そうした風潮に常々疑問を持っており、お客様の要望があれば対応しておりましたが、積極的なご案内は控えておりました。

しかし、電気料金の度重なる値上げに加え、再生エネルギー賦課金の上昇により、年々光熱費が上昇し、私達の生活を圧迫してきている現状の中、さらに上昇する可能性が強く、生活防衛という観点からも導入の必要性を感じている次第です。

本来、太陽光発電は、原発への依存を改め、低炭素社会の形成にこそ意義があるのですが、電気料という毎月のランニングコストの軽減を図る意味においても有効であり、夏場の冷房負荷も低く、もともと光熱費の負担の少ないソーラーサーキットの家は、他の建物以上に、設置メリットが大きいのも事実です。

ご予算に余裕があればもちろん、住宅ローンを増額しても、結果的には大きなプラスとなりますので、太陽光の設置をご検討いただきたく、少々長い説明になりますが、太陽光を取り巻く現状とソーラーサーキットの家に搭載した場合のシュミレーションなど紹介させていただきます。



まず電気料金ですが、震災以降年々上昇し、平均25%上昇しております。但しこれは全世帯平均の上昇率であり、オール電化住宅の上昇率はさらに大きく30%以上上昇しているのが、現実ではないかと思います。

そして、今後問題となってくるのが、再エネ賦課金の上昇です。



「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が保証する制度で、電力会社が買い取る費用を電気を利用する方から、賦課金という形で、広く集めるものです。

制度がスタートした時点では、1Kwあたり0.22円の賦課金でしたが、年々増加し、この5年で10倍に上昇しました。

平成24年度- 0.22円/kWh 66円/月
平成25年度- 0.40円/kWh 120円/月
平成26年度- 0.75円/kWh 225円/月
平成27年度-1.58円/kWh 474円/月
平成28年度-2.25円/kWh 675円/月
平成29年度-2.64円kWh 792円/月
平成30年度‐2.90円kWh 870円/月

※ 電気・ガス・灯油併用の標準家庭で、月平均300kW(月7,500円程度)の電気使用の場合

上記は、ガスや灯油も併用している標準家庭の試算ですが、賦課金は、電気の使用量に対して賦課されるので、電力使用の多いオール電化住宅の場合、この3倍から4倍の金額となり、お客様によっては5倍位の負担となる訳です。

つまり、最低でも年間2万円~お客様によっては5万円位の賦課金を負担しなければなりません。

※ 我が家の昨年の賦課金総額は34,000円ですが、今年は同じ使用量だとすると約40,000円になります。

再生エネルギーを促進し、原発への依存を抑制するために、スタートした買い取り制度「FIT」でしたが、当初の経産省のシュミレーションでは、賦課金のピークは2030年で、kWあたり、2.61円とされていました。

それが、わずか6年でシュミレーションを上回り、kWあたり2.64円となり12倍となった訳ですが、今年度も上昇し、2.9円になりました。

こうした話をすると、太陽光を設置している方が、悪者になってしまうかもしれませんが、下のグラフを見てわかる通り、個人住宅の太陽光の比率は、全体のわずか6%で、そのほとんどが企業や投資家の設置している産業用の全量買い取りのメガソーラーです。





家庭用は10年、産業用などの全量買い取りは20年の買い取り制度ですが、昨年度の買い取り総額は2.3兆円となっており、産業用の全量買い取りが大半を占めている現状の中、このペースで推移していくと、ナント2030年には4.7兆円という莫大な金額が予測されております。

当然、賦課金も毎年増え続け、将来的に、kWあたり5円を超え、6円~7円になるのは必至の状況で、賦課金だけで年間10万円を超えるご家庭も出ることから、今後大きな社会問題に発展しそうな予感がします。

参考までに、日本がFIT制度導入の手本とされているドイツの現在の賦課金は1キロワット時あたり6.88ユーロセント(約7.9円)まで上昇しており、電気料金は日本の約1.7倍で、実に32万世帯もの方々が、電気料金未納により電力の供給をストップされているそうです。

通常、太陽光発電を住宅に搭載する場合は、10KW以下で日中発電した電気を使用し、余った分を売電する形が一般的です。



電力料金は段階性になっており、使用量に応じて単価は上昇しますが、太陽光パネルを設置して、自家使用すると一番高い単価での買う電気が減り、使用量が減った分の再エネ賦課金も減少します。

※ KWあたり34.19円の高い電気使用量と現在2.64円の賦課金が減少し、単純に、KWあたり36.83円ランニングコストが減少します。つまり売電するより、計算上6.83円得する計算となります。(電気を使用しない方が30円で売れるので、使わないのが一番ですが・・・)

そして、余った電気は、1KWあたり28円の単価にて売電する形となります。

売電と自家使用分の比率は、それぞれのご家庭により、変化しますが、発電量の20%~30%が自家使用分となり、5KWの太陽光の年間発電量は5500KW~6000KWですが、仮に最低の5500KWで試算すると

自家使用20%の場合ー1100KW  年間40,513円の軽減+売電額4400KW(132,000円)=172,513円
自家使用25%の場合ー1375KW  年間50,641円の軽減+売電額4125KW(123,750円)=174,391円
自家使用30%の場合ー1650KW  年間60,769円の軽減+売電額3850KW(115,500円)=176,269円

ソーラーサーキットの家の場合、120㎡(36.3坪)夫婦+子ども二人の月平均の光熱費は15,000円位ですので、年間18万前後となります。

つまり、ほぼ5KW以下の太陽光で年間の光熱費が賄える計算となります。

※ オール電化住宅の場合、時間帯別の料金体系となり、日中の3分の1と割安な夜間電力の比率が多いために、上記の計算以上のメリットが生れ、光熱費がゼロになった上に、おつりがくる場合も多いのです。

最近、売電単価が下がり設置するメリットは、少ないという方の話も良く聞きますが、産業用の全量買取は別にして、家庭用の場合は、少々的外れな意見とも言えます。



ご覧の通り、売電単価の低下とともに、システム単価も下がっており、投資に対しての回収年数は10年と変わらず、逆にコストが下がった分、今の方が効率が良いのがお分かりいただけると思います。

特に、弊社の場合は、太陽光も低価格にて提供しており、省エネ性能の高いソーラーサーキットの家との組み合わせにより、8年から9年で投資分を回収することが、出来ますので非常に有利となります。

※ 4.8KWの太陽光を150万円で設置して、売電と自家使用による軽減分を併せ年間18万のプラス収支で、利回りを計算すると、年12%の収益を生む計算となります。



例えば、断熱性のあまり高くないオール電化住宅を2000万円で建てた場合とソーラーサーキットの家に太陽光4.8KWを設置した住宅を比較すると、太陽光の設置費用を全額住宅ローンに組み入れても光熱費を含めた毎月の支払は、逆転してしまうのがお分かりになると思います。



※ 11年目以降の売電単価はKW8円とし、月々の光熱費は余裕をみて1万円として試算しております。

そして、この試算は、あくまで光熱費が現状維持での計算であり、断熱性能の劣化に伴う光熱費の上昇も加味していませんので、実質の差はもっと大きくなると思います。

これからは、住宅ローンに光熱費も含めた支払いを、生涯コストとして捉えた考え方も必要であり、見た目のコストに捉われることなく、家づくりを検討しなければいけない時代になってきたのです。

ただ、注意しなければならないのが、固定価格での買い取りが終了する11年目以降の売電価格です。

当初想定されていたのが、kwあたり11円でしてが、7円~8円という話を最近よく聞きます。

実際どうなるかは不明ですが、必要以上の太陽光を設置すると、後々後悔する可能性が高いということも考慮しなければなりません。

2019年問題はご存知でしょうか。これは太陽光の固定価格での買い取りが終了するユーザーが、出始める年度となります。

当然、売電単価も下がるわけですが、仮に10円を切るような形になれば、売るメリットは少なくなり、かといって無駄に電気を使う訳にもいかないわけです。

そこで、登場するのが蓄電池・あるいは電気自動車ということになります。

電気自動車については、後日またご説明させていただきますが、蓄電池の場合、まだコストが高く、非常用としての活用や夜間電力を蓄電しての使い方がメインとなります。

現在メーカーは、低価格での商品開発を進めており、どれだけ蓄電出来て、どこまでコストが抑えられるか期待したいところではありますが、発電した分を蓄電する容量の蓄電池を家庭に設置するのは、なかなか難しいのも現実ではないかと思います。

要するに、必要以上の容量を設置すると、後々、様々な問題に直面する可能性があるということも考慮した計画が必要なのです。

※ 省エネ住宅と謳いながら、気密や断熱性能がさほど高くないメーカーは、冷暖房費をうやむやにし、形だけゼロエネにする為に、太陽光の設置面積を無理に増やそうとして、極端な屋根形状の建物も大分見かける様になりましたのでご注意いただきたいと思います。