法隆寺や正倉院の例を挙げるまでもなく、木は通気性を確保し、乾燥した状態を維持していれば、鉄やコンクリートに比べても、非常に耐久性の高い素材です。
昨今、古民家再生が秘かなブームとなっておりますが、再生されるのは戦前に建てられた通気性に富んだ昔の民家で、こうした民家に使われた木材は70年、80年経っても十分な強度を保ち再利用が可能です。
しかし、昭和に起きたオイルショックにより、住宅も省エネ化が叫ばれ、急速にアルミサッシや断熱材の普及が進みました。
そして、省エネ化と同時に、私達の生活も豊かになり、より快適性を求め、冷暖房が当たり前となったのです。
つまり、昔の隙間だらけの住まいの中で、こたつやストーブで暖をとっていた、いわば寒ければ寒いなりの生活を送っていた時代には、結露という概念はほとんどありませんでした。
しかしながら、アルミサッシによる中途半端な気密化や断熱材の登場にくわえ、冷暖房の普及による私達の暮らしの変化によって、必然的に室内外の温度差が発生する家が普通になっていったのです。
その結果、結露がガラスのみならず、室内の水蒸気が壁の中や床下・小屋裏という目に見えない躯体の中にも、絶え間なく入り込み、内部結露を引き起こし、構造の劣化に拍車がかかるという皮肉な結果を生み出すようになったのです。
〇 結露発生のメカニズム
空気には、目に見えない(約10万分の2ミリ)水蒸気を含んでいますが、空気の温度によって水蒸気を含むことの出来る量が変わってきます。
例えば20℃の空気には空気1Kgに対し、17gほどの水蒸気を含むことが出来ますが、5℃空気の場合は7gの水蒸気しか含むことが出来ません。
コップやガラス面につく水滴は、表面が冷やされた事で、含むことのできなくなった水蒸気が水に変化したもので、(湿度100%を超えた状態)こうした現象を称して結露といいます。
ちなみに、私達が日常の生活において湿度と呼んでいるものは、対象となる温度の空気の水蒸気を含むことの出来る量に対し、含んでいる水蒸気の量の割合を示したもので、同じ水蒸気の量であっても、その温度によって湿度はガラリと変わります。
※ 空気1㎏に6gの水蒸気が含まれていると仮定すると20℃の場合湿度は35%・5℃の場合85%となる。
水蒸気は、温度が低く水蒸気の量が少ない方へと移動する性質を持っており、露点温度に達した時に結露水となって表面に表れます。
※ 暖かいリビングでは結露がないのに、寒い脱衣場や寝室・外部に面した押入れは結露が出やすいのは、暖かいリビングの水蒸気を含んだ空気が、寒い部分へと移動する為に、結露が発生しやすくなるのです。
これは、湿り空気線図といって湿り空気の様々な状態がわかり、露点温度も知ることが出来ます。
湿り空気線図による露点温度をわかりやすくしたものです。
例えば室内の温度が22℃として、湿度が60%の場合、13.9℃、50%の場合は11℃以下の物体・空気に触れると水蒸気が水に変わり結露が発生するのです。
つまり、最低でも、部屋間にこうした温度差が生じることなく、壁の中や小屋裏・床下においても、長期間にわたり、露点温度以下にならないような家の構造になっているかどうかが、非常に大事なことなのです。
そして、内断熱(充填断熱)の場合、断熱工事に加え、室内の水蒸気が構造躯体の中に入り込まないような高レベルな気密工事を正しく施工しているかどうかが、家づくりにおいて最も大事なポイントといっても過言ではありません。
※ 気密の重要性は後ほど詳しく説明させていただきます。
このポイントを見誤ってしまうと、いくらデザインや設備が豪華な家であっても、名の通った大手メーカーの家であっても、短命な住宅となる可能性があり、いつまでも、住む人と建物の健康を守る本物の長寿命の住まいには決してたどり着くことはできないのです。
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2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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