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温度で湿度は変わることを理解すると、快適で健康に暮らせる

この話は、日々の家事をこなすことの多い、女性の皆様にこそご理解いただきたいのですが、なかなか理解していただくのが、難しくいつも苦労しています。

ブログをご覧いただく女性の皆さん、何気に大事なことですので、面倒だと思わずに是非最後まで読んで下さい(笑)

空気中には、目に見えない(約10万分の2ミリ)水蒸気を含んでいますが、空気の温度によって水蒸気を含むことの出来る量が変わってきます。



表の通り、5℃の空気1㎏には、6.8gの水蒸気しか含むことが出来ませんが、20℃の空気には17.3gの水蒸気が、含めるようになり、30℃になると30.4gの水蒸気を含むことが出来るようになります。

つまり、温度が高くなれば高くなるほど含むことの出来る水蒸気量が多くなるということで、たとえていうなれば、温度が高くなるにつれ、水蒸気という水分を蓄えるコップが大きくなるというわけです。

※ 含むことの出来る水蒸気の量を飽和水蒸気量といい、含むことの出来なくなった水蒸気、つまりコップから溢れた水分が結露となるわけで、コップやガラス面につく水滴は、表面が冷えることで、温度が下がり、含むことのできなくなった水蒸気が水に変化したものです。(湿度100%を超えた状態)

私達が、普段、湿度と呼んでいるのは、水蒸気を含むことの出来る量に対し、実際に含んでいる水蒸気の量の割合を%で示したもので、これを相対湿度と呼びます。

たとえば、昨日のように、18℃で90%の湿度という場合は、18℃の空気には15.4gの水蒸気が含むことが出来るので、90%の湿度であれば、空気1㎏中には、15.4g×0.9=13.86gの水蒸気を含んでいるということになります。

そして、この13.86gという水蒸気量そのものを絶対湿度と呼びます。

相対湿度とは‥ 含むことのできる水分量に対して、実際に含んでいる水分の割合

絶対湿度とは‥ 空気1kgに含まれる水分量

となるわけです。

さて、ここからが本題です。

外の温度が18℃で90%の湿度であれば、空気1㎏に対して13.86gの水蒸気を含んでいるということがお分かりいただけたと思います。

そして、室内にも、換気や窓・玄関の開け閉め・家の隙間から、この13.86gの水蒸気を含んだ外の空気を取り入れてしまうので、時間差はあるものの、結果的に13.86gの水蒸気を含んだ室内空気になっていくのです。

※ 実際は、人が生活をしていれば、呼吸や汗・炊事や洗濯などでも、水蒸気が発生しているので、室内の空気中に含まれる水蒸気の量は増加しますが、話がややこしくなるので無視します。

つまり、室温も外と同じ18℃であれば、湿度も90%になるのですが、外断熱の家では、概ね23℃から24℃位の室温になっており、空気中に含む水蒸気量が、同じでも、自ずと室内の湿度は変わるのです。

室温が23℃であれば、空気1㎏中の含むことの出来る水蒸気の量は、表の通り20.6gですので、13.86÷20.6=67.2%となり、24℃であれば21.8gの水蒸気を含むことができるので、13.86÷21.8=63.5%の湿度となるわけです。





※ 画像は、昨日の朝と夜の我が家のトイレの画像です

このように、空気中に含んでいる水蒸気の量(絶対湿度)が、同じでも、室温によって湿度は変わるということをご理解いただきたいのです。

そして、これは梅雨寒の状況となりますが、もっと暑くなり、外が30℃で70%の湿度のような場合には、逆の現象となるのです。

30℃で70%の湿度ということは、30.4g×0.7=21.49となり、空気1㎏中に21.49gの空気を含んでいることになります。

この場合、室温が28℃であれば、27.2gの空気が含むことが出来るので、21.49gの水蒸気量の場合の室内湿度は、21.49÷27.2=79%の湿度となります。同じように計算すると、27℃では83.2%となり梅雨寒の状況とは逆に、室温が低くなればなるほど湿度は上昇していくのです。

そして、こうした湿度は、いくら換気しても、外に出た分はまた外から空気が入ってくるので、強制的に除湿しなければ基本的に下がることはありません。

非常に、ややこしい話なのですが、何を言いたいのかというと、天気予報などで、湿度を指すのは、外の湿度であって、室内の湿度は室温によって、変わってくるので、湿度何%という数字にあまりとらわれず、水蒸気量という絶体湿度を考慮しなければならないのです。

そして、気を付けたいのが、この時期の窓開けです。

無意識に、窓を開けることで、外の水蒸気を取り込んでしまい、逆に、室内の湿度を上げてしまう場合があるので注意が必要なのです。

室内よりも外の温度が低い時は、あまり考えなくてもいいのですが、外の温度が、室内と同じ位の時や高い時などは、見かけの湿度ではなく、絶対湿度という水蒸気の量を考えた窓開けが必要です。

風がほどよく吹いて、体感的に爽やかだと感じたとしても、実際は湿気が多い場合も多く、窓を閉めたとたんにムっと暑苦しく感じたりする場合がままあり、無駄なエアコンをつける方も少なくありません。

弊社の外断熱の家では、24時間換気によって、家の中の空気は2時間に1回の割合で、常に換気されています。

また浴室や洗面・キッチンには、個別の換気を設置しており、使用状況に合わせ運転していただければ、この時期の窓開けは不要ともいえるのです。

※ 網戸のちょっとした隙間や網戸が無い方の窓を開けてしまって、蚊や虫の侵入を許してしまうお客様も多々おります(笑)。もちろん、窓開けは個人の自由で気持ちのいい時は、開けてもらって構わないのですが、窓を開けずとも、常に換気され爽やかな空気だというのを実感なされると、多くの方は、窓を開けずに暮らしており、虫との戦いもなくなり、寝室にアースマットを置く必要もなくなるのです。

気流を感じたい場合は、扇風機やサーキュレーターの方が、適しておりますので、上手にご活用いただければ幸いです。

そして、普段の生活で、発生する水蒸気は、計画換気さえ機能していれば、常に外へ排出するので、湿度は、ほとんど上がりませんが、換気を消してたり、フィルターの掃除を忘れて目詰まりしていると、換気量が落ちて、湿度は上がりますのでご注意ください。

そして、気を付けたいのが、大量の水蒸気が発生する家干しで、湿度が高ければいつまでも乾かず雑菌の繁殖によって生渇きの臭いが気になり、湿度も上昇してしまい、カビやダニが増殖しやすくなるのです。

※ 5キロの洗濯物を干すと約3リットルの水蒸気が発生します。

カビは、気流を与えることで、着床を防ぎますので、湿気のこもりやすいクローゼットや押入れなども、戸を開け、扇風機で風にあたるなどしていただくことで、カビやダニの繁殖は大分抑えられます。

これから、じめじめして、湿気が気になる季節を迎えるわけですが、この辺のところを頭に入れて、除湿機やエアコンを使いながら、室内湿度を上手にコントロールしていただきたいと思います。

室内の湿度を60%前後にコントロールし、換気と清掃を心がけることで、消臭剤や防虫剤・殺虫剤・防カビ剤や柔軟剤などの化学物質が、含まれる日用品の使用もかなり抑えられ、行き過ぎたカオリによるシックハウスやアレルギー・化学物質過敏症の発症や悪化を抑え、大きな社会問題になりつつある香害問題の解決にもつながるのではないでしょうか。

除湿について、説明するとまた長くなるので、簡単に説明すると、除湿機は暑くなり、エアコンは寒くなります。暑く感じない時は除湿機を使い、暑いかなと感じる時はエアコンというのが、基本です。そしてエアコンは室内の空気をエアコンの内部で強制的に結露させて、水分を外へ出しています。つまり冷やせば冷やすほど結露量は多くなり除湿量も多くなります。最近のエアコンは、再熱除湿機能といって、一旦冷えされた空気をまた暖めてから室内に戻す機能がついた機種が多くなってきましたが、光熱費が結構上昇しますのでご注意ください。

いずれにしても、人と建物の健康を守るためにも、家の中の湿度は、最低でも60%台に抑えた暮らしを心掛けていただきますようお願いいたします。

そして、湿気という日本人を、大昔から悩ませてきた厄介な問題を、解消するために開発されたのが、ソーラーサーキットの家で提案している、除湿と換気を組み合わせたシステムとなりますが、これもまた長くなるので、過去記事を張り付けますので、是非ご覧ください。

http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=454443



※ 画像は今朝の寝室枕元の温湿計です。湿度が下がっており?と思う方もいるかもしれませんが、これには理由があります。

〇 昨日より外の絶対湿度が低い
〇 夜間に、2階ホールにて除湿機を使い洗濯物を干しており、寝室も多少除湿されている。
〇 寝具が室内の湿気を多少吸収している。

こんな理由が考えられますが、通常、人は寝ている間でも呼吸や汗によって、1時間当たり50グラムもの水蒸気を発しているといわれており、換気が不十分だと湿度は上がるのが普通ですが、寝室も年中、オープンにしている我が家では、寝室もしっかり換気がされているということになります。

弊社のお客様に限らず、換気システムが設置されている方は、基本的に寝室もオープンした開放的な暮らしが必要で、その為にも気密や断熱・換気のバランスが取れた性能の高い住宅が求められているのです。

※ 市販されている安価な温湿計は、温度で+-1℃・湿度で+-5%程度の誤差は、つきものですので、おおまかな目安となります。ホームセンターなどで購入する場合は、5.6個並べて平均値の物を購入すると誤差は少ないので参考までに。






















家の性能や住み心地は、床下・小屋裏・壁の中を見ればわかる

  • 家の性能や住み心地は、床下・小屋裏・壁の中を見ればわかる
宮城県もいよいよ梅雨入りしたようです。

先週の土曜日は、晴れて暑い位でしたが、一転して昨日は、気温が下がり、雨も降り、梅雨寒の一日でした。

さて、「ソーラーサーキットのお家」の利府にあるモデルハウスでは、室内はもちろん、床下や小屋裏の温度と湿度も、24時間リアルタイムでご確認いただけます。

他社でも、こうしたモニターを設置しているところはあると思いますが、だいたいが居室の表示で、床下や小屋裏の温湿状況を表示しているメーカーは、ほとんどないはずです。

画像は、昨日のお昼位のモデルハウスの状況で、自然の状態の温湿状況です。

この時期は、急に暑くなったり寒くなったりするのが普通ですが、外が暑い時は涼しく感じ、寒い時は暖かく感じるのが、外断熱の家の特徴で、弊社のお客様は不思議な家ですね~とよく言われます。

室内の温度は、30℃を超える暑さにならなければ、ほぼ一定で、外が、寒くても暑くても24時間いつでもどこでも23℃~26℃位の状態を保ち、湿度も50%台を保ちます。



ご存知のように、完全な外断熱の家は、基礎も含めて構造躯体の外側で断熱工事を施すことで、これまで外部空間とみなされていた、床下や小屋裏・壁の中まで室内空間となり、温度や湿度も室内に近い状況をつくり出すことが可能になります。

弊社では、長年にわたり、温熱環境と空気環境にこだわり、温度差や湿度差のない・そして家中が綺麗な空気に満たされた家づくりに取り組んで参りました。

床下であれ、小屋裏であれ、壁の中であれ、湿度や温度などの条件が揃えば必ずカビも生えるのです。

カビに囲まれて健康な暮らしが送れるでしょうか。

そして、家はどこから腐れてくるのでしょう。

いくら高級な羽毛布団であれ、押入れに何年も入れっぱなしにして、その暖かさは持続できるでしょうか。

また、よく木は生きていると言われますが、ご自身が木になったつもりで、壁体内の環境を考えてみていただきたいのです。

外断熱の構造内部は、真冬と真夏の壁体内の温度差は、床下であれ、小屋裏であれ、壁の中であれ、ほぼ10℃以内で収まります。

さらに、構造躯体が常時空気にも触れています。

一方、内断熱ではどうでしょう。年中断熱材に囲まれ、呼吸さえできないばかりか、冬と夏とで最低でも25℃位の温度差や湿気にさらされてしまうのがわかると思います。

どんな家でも、家の中の環境は、床暖房やエアコンというお化粧によって、お金をかければいくらでも、よく見える環境をつくることは、そう難しいことではありません。

ところが、構造内部は、どうしても屋外と室内側の環境の影響を受け、熱や水蒸気の移動を繰りかえしてしまうのです。

しかも、熱も水蒸気も高い所から、低い所へ移動するために、冬と夏では、その動きも逆転し、季節を問わず、内部結露を引き起こしてしまう危険性を孕んでいるのです。

厄介なのは、こうした湿気や結露によって、人や建物の健康にただちに影響を及ぼすことはないということで、不具合が生じるのが何年後かは、家や住む人によって、まちまちだということです。

何か、少し前にどこかで聞いたフレーズですが、将来、少なからず悪影響を及ぼしてしまうのは、お解りいただけると思います。

ただ、間違いなく言えることは、寒い時・暑い時・じめじめした時期といった、悪い環境時に目に見えない構造内部の状況をご確認いただくことで、家の真の性能や建ててからの住み心地がはっきりと分かるということです。

そして、家の性能は、出来るだけスッピンの状態で見ることが大事で、じめじめして暑い日にこそ確認することをオススメしています。

現場見学やモデルハウスはもちろん、大衡にあるリアルサイズのモデルハウスでは、宿泊体感も可能ですので、是非、厳しい環境時に、外断熱の空気質の違いをご体感いただきたいと思います。

弊社では、暑い夏もエアコンに頼らない暮らしを提案しており、モデルハウスでも、出来るだけエアコンを使わず、27℃~28℃・湿度50%台の環境を体感いただいております。

モデルハウスでは、日中も、照明がついており、地下室から小屋裏まで階段を上り下りすると、私達でも暑く感じる場合もあり、他社のギンギン冷えたモデルハウスを回ってきたお客様から、暑いね~と言われることもままありますが、真夏に短パンでTシャツで暮らす日常を考えれば、28℃でも50%台の湿度であれば、扇風機で十分な涼しさを感じるものです。

是非、ご来場いただく場合はこの辺のところを頭に入れてご見学いただければ幸いです。

もちろん、エアコンで冷えた環境をお望みのお客様も、熱ごもりの少ない外断熱の家は、僅かな冷房費で涼しい環境は簡単につくれますので、ご安心下さい。

※ 普通の家では、壁の中を見ることは出来ませんが、どんな家でも床下や天井の点検口は必ずついています。本当にいい家を建てたいというお客様は、モデルハウスや現場見学の際に、床下や小屋裏を確認することこそが、重要なポイントでもあります。




C値(家の隙間相当面積)は家によって変わる

完全な外断熱の場合は、構造の外側に連続して断熱材を施工し、その外側に気密テープによって、気密工事を実施し、給排水やエアコン・換気の配管回りの貫通部分も入念な気密処理をすることで、気密レベルの高い住宅となります。

弊社では、完成時に加え、10年後にもC値1.0以下の気密保証も実施しておりますが、これは、外断熱工法にくわえ、建築後の痩せや狂いの少ないLVL構造材によって、気密劣化を防止出来るゆえの保証です。

ただ、完成時のC値は、家の大きさや形状、開口部の数や種別によって差が生じるのは、致し方なく、違いが出るのは、窓や玄関ドアなど開口部の比率が影響するということをごご説明させていただきます。

〇 家の大きさ

家の面積が大きければ大きいほど気密性能は良くなります。なぜかと言えば、通常の家であれば、玄関も勝手口も洗面や浴室も一つで、窓などの開口部の比率は、面積が広くなるほど少なくなるために、隙間が少なくなるからです。

弊社の平均C値は0.46ですが、これは約40坪前後の大きさの建物となり、40坪より大きくなれば数値は上がり、小さくなれば若干下がります。

〇 家の形状

同じ面積でも、四角い総二階の家と入れ隅や出隅の多いデコボコした家や、1階と2階の面積比率が変わるとC値は変わってきます。

もちろん総二階のスッキリした家が、気密性能は高くなります。

〇 開口部の数や種類

家の面積に対し、窓の比率が小さければ気密は良くなることは、初めに紹介しましたが、窓の種別によっても気密は変わります。

一番気密性が高いのは開け閉めの出来ないFIXタイプの窓で、次が縦すべりや横すべりタイプの窓です。

一番隙間の生じるのが、昔ながらの引違タイプの窓になります。

引違の窓は、レールや窓枠の重なる部分もつきものです。開け閉めする以上、多少のクリアランスは必要ですので、ある程度の隙間は必然となります。

〇 玄関ドア

玄関扉の種類によっても、C値は変わります。玄関ドアも開け閉めをするので、多少の隙間が生じますが、その中でも一番気密性が高いのがシングルタイプの玄関ドアです。

次に、袖がついた親子タイプの玄関ドアとなり、一番隙間が生じやすいのが窓と同じ理由で、引違タイプの玄関戸になります。

〇 その他

この他にも、壁を貫通するエアコンや換気・配管の数によっても、C値は変わってきますが、どんな建物であれ高レベルな気密性能を発揮するのが、弊社の外断熱の家です。ある程度のプランが固まれば目標とする数値もご提示することも可能となります。

いずれにしましても、完成時のC値が、1.0を下回れば、漏気による隙間風や暖房費・換気量の不具合などは、ほとんど変わりませんので、あまり意識せずに家づくりを進めていただければと存じます。

※ 完成時ではなく、中間時のC値を自慢げにPRしている会社もありますので、ご注意下さい。

気密性と通気性を両立した住まい

先日、C値のチェック法について紹介させていただいたのですが、ブログをご覧になったソーラーサーキットのオーナーの方から、メールを頂戴しました。

頂戴した内容を、ブログにアップしてもOKとのご許可を頂いたので紹介させていただきます。

内容はと申しますと、ブログの記事どうりに、レンジの換気をつけて、玄関ドアを開閉しても抵抗を感じなかったようで、気密が悪くなったのでしょうかというものでした。

前回の記事は、一般のユーザー様の質問に対しての返答でしたので、勘違いなされたようですので、改めてご説明いたします。

ソーラーサーキットの家の気密性能は、平均C値が0.46と非常にレベルの高い数値で、しかも経年による気密劣化は、窓の開閉によるサッシのパッキンの摩耗がメインでほとんど性能の低下はありません。

故に、弊社では10年後のC値も1.0を保証しております。

ソーラーサーキットの家は、気密性と通気性という本来相反する機能を合わせ持った工法で、そのことこそが最大の特徴でもあり、季節に合わせて衣替えできる家という所以でもあります。

冬は、気密性を存分に発揮し、外の冷気の侵入を防ぎ、室内の熱損失を抑えます。

一方、GW開けの時期からは、床下のダンパーを開放して、外気を床下から導入し、壁の中に床下の空気を通気させ、小屋裏に設置してある排気専用ファンによって、外部へ排出させているのです。

つまり、この時期は、床下ダンパーという基礎に設けた換気口、すなわち基礎にある窓が開いている状態になっており、結果的に高気密住宅ではなく、通気性を重視した住宅になっているという訳です。

したがって、レンジのファンをつけても、床下ダンパーが解放さていれば、外気を導入していることになるために、室内側に負圧はかからず、玄関ドアの開け閉めにも抵抗はかからないという訳です。

ソーラーサーキットにお住いのオーナー様が、気密をチェックする場合は、床下ダンパーは閉鎖の上でのチェックが必要となり、WIN工法のオーナーの皆様は、問題なく気密をチェックできますのでよろしくお願い申し上げます。


ナイチンゲールに学ぶ空気のバリアフリー

一般的にバリアフリー住宅とは、住宅内の段差を無くすことによって、高齢者や身障者の方々が、日常の生活に支障なく暮らせるよう配慮した住宅のことをいいますが、単に室内の段差を無くし、廊下や出入口の幅を広くし、手すりなどを設ければバリアフリー住宅と言えるのでしょうか。

もちろん、段差にも配慮は必要ですが、段差以上に怖いのが部屋間の温度差や結露・湿気であり、それらによって繁殖するカビやダニでもあります。

そして、これらを抑えるために、日々使用している消臭剤や防虫剤・柔軟剤などに含まれている化学物質で蔓延する室内の空気です。

何度か、紹介していますが、看護の母として誰もが知るナイチンゲールが150年以上も前に書いた著書「看護覚え書」の中で、病人の看護にとって何をさておいても一番大事なこととして、第一章「換気と保温」の真っ先に挙げているのが、

「患者が呼吸する空気を、患者の身体を冷やすことなく、屋外と同じ清潔さに保つこと」なのである。というものです。

そして、空気の汚れと体の冷えは、病気の回復を遅らせたり、悪化させたりするばかりでなく、健康な人にとっても重要で、病の半分は、空気の汚れと身体の冷えが引き起こすと説いているのです。

このナイチンゲールの教えを、そのまま現代に置き換えるのも、少々、無理があるかも知れませんが、室内空気の汚れによる、喘息やアトピー・シックハウスや化学物質過敏症患者の増加や、家の温度差によるヒートショックによって、多くの方々が心疾患や脳疾患に見舞われている現状を鑑みると、現代においても、空気の汚れや身体の冷えが病を引き起こしていると言っても過言ではないような気がします。

温度差のない、きれいな空気に満たされた室内環境の中で暮らし、身体を休め、良質な睡眠をとることで、自ずと免疫力が高まり、病気を予防し、健康で長生き出来るのです。

またこうした環境で暮らすことは、将来万が一介護を余儀なくされた場合、介護を受ける側にとっても、介護する側にとっても、暑さや寒さ・湿気や臭いなどによるストレスや負担を軽減してくれるのです。

皆さんは、病室の換気は、1時間に6回の換気量が定められているのをご存知でしょうか。

病室内の空気は、目には見えませんが、薬剤による化学物質や、人の出入りも多く、患者さんも汗や呼吸により有機物を発しており、体力や免疫力が低下している中、感染症などを防ぐために、常に新鮮な空気環境にする必要があるのです。

そして、空調によって、室内はもちろん、通路やトイレなども温度差がなく、一定の温度が保つことで、身体の冷えを抑えているのです。

これは、患者の身体への負担を出来るだけ軽減するのはもちろん、空気環境を整えることで、病気回復にとって何より重要な自然治癒力を高めるためになされているのです。

つまり、看護の法則である「換気と保温」は、すなわち健康の法則ともいえるのです。

段差のないバリアフリーに加え、温度や湿度・新鮮さのバリアのない住まいが、真のバリアフリ―住宅であり、ストレスフリーの暮らしが実現するのです。

空気がきれいで温度差のない空気のバリアフリー住宅がご家族とご自身の健康と大事な命を守るということを、是非ご理解いただきたいと思います。